Step.4 業務の改善
業務の改善を進める中で、日常的な改善と、情報システムや業務そのものを見直す場合とがあります。ここでは、日常業務で改善できるポイントを説明します。
1 日常業務中でも改善できることを理解する
【標準ガイドライン関連箇所:第3編第8章第3節】
第8章の活動では、サービス・業務を運営していく中で発生する様々な情報を集め、改善に向けた取り組みに繋げていくことを紹介しました。
その結果、情報システムの見直しが必要なものは、第4章「サービス・業務企画」に立ち戻り、運用保守の見直しが必要なものは第9章「運用及び保守」に立ち戻ります。
改善として、これに該当しないものは、日常的な改善として対応していく必要があります。それらは具体的には次のようなものに該当します。
日常的に実施する改善事項の例
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業務の見直しは、情報システムに影響を与えない範囲であれば、日常的に実施可能なものです。特に、定期的な改善を検討し、その結果は業務手順書などに反映させましょう。
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教育・訓練の見直しは、具体的には教育資料の改訂やカリキュラムの改訂に相当します。現状の分析結果を踏まえて、より職員に遡及できるような教育内容に作り替えを行ってください。
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モニタリングの見直しは、日常的に把握すべき指標とその仕組みの見直しに相当します。前出のとおり、KPIで取るべき指標値は、業務の状況に応じて変更しても構いませんので、それに応じて値の取得方法や内容を見直し、現状を正確に把握できるようにしましょう。
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そのほか、利用者からの問い合わせが多い機能や操作等については、マニュアルの改善やFAQに情報を追加・更新することで改善が図れますので、適宜改善を検討してください。
- 事例8-10
インシデントの分析結果を利用者へ公開して、利便性を向上
事例:インシデントの分析結果を利用者へ公開して、利便性を向上 あるプロジェクトでは、多くの職員が利用する内部事務向けの情報システムを運用していました。 数年間にわたってこの情報システムを運用する中では、利用者から様々な問い合わせを受けたり、システムの不具合や誤操作等による多種多様なインシデントが発生したりします。それぞれの問い合わせやインシデントについては一次的な対応は完了しているのですが、人事異動等で利用者が変わると、また同じ問い合わせが発生することもありました。 そこで、今までに蓄積した問い合わせを再分析してみました。すると、この内部事務は特定の時期に特定の業務処理を行うという定期的なイベントが多いこともあり、問い合わせの発生傾向に季節特性が見えました。 このことを受けて、1~2か月に1回程度の頻度で、利用者向けにメールマガジンを発行することとしました。そして、そのメールマガジンの中で、その時期に実施する業務処理や、過去に多く発生したインシデントを紹介しました。また、メールマガジンの内容や体裁についても、どのようにしたら多くの利用者に参照してもらえるかを第一義に考え、アクセシビリティ等の観点から随時改善を行っていきました。 さらに、インシデントを分析した結果を、利用者向けに公開することとしました。それまでも、よくある質問についてはFAQとしてWebサイトで公開していたのですが、ここにインシデントとして分析した内容についても掲載することとしたのです。従前のFAQの掲載件数は1,000件程度でしたが、段階的にインシデントの掲載を増やしていき、1年後には約7,000件にまで掲載件数が増えました。また、FAQのWebサイト自体についても、多量の情報から目的の情報を探しやすくするため、検索の利便性の向上等の工夫を行いました。このような取り組みの結果、FAQのWebサイトへのアクセス数も大幅に増加し、1年後には3倍以上のアクセスが集まるようになりました。 このように、インシデントの内容に基づいてメールマガジンの発行やFAQ掲載を進めていくことによって、利用者の利便性を向上させると同時に、ヘルプデスクへの問い合わせ件数も減少する傾向となりました。 このプロジェクトでは、今でも継続的にインシデントの分析と公開を続けています。 |
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2 検討の進め方を理解する
【標準ガイドライン関連箇所:第3編第8章第3節】
利用者視点でサービス・業務を企画するためには、既存のサービス・業務や初期の構想で検討した内容にとらわれず、フラットな視点で事実を把握することから始めることが重要です。この進め方に関して、サービスデザイン思考に則った考え方に「ダブルダイヤモンド」があります。この考え方をサービス・業務企画の活動を当てはめると図8-12のようになります。
- 図8-10
ダブルダイヤモンド

サービス・業務企画の活動に当てはめると、「把握」→「分析」→「企画内容の検討」の作業を順番に実施して終わりではなく、「把握」→「分析」→「企画内容の検討」を1つのサイクルとして繰り返しながら、徐々にサービス・業務の内容を固めていくことになります。
始めは幅広い視点で事実情報を収集し、集まった情報から全体を俯瞰して優先順位を決めながら、さらに詳細な事実を収集して企画内容を詳細化していくという進め方をすることで、事実に基づいた、利用者に寄り添ったサービス・業務を企画することができます。
デジタル・ガバメント推進標準ガイドライン
実践ガイドブック
(第3編第9章 運用及び保守)
目次
事例・参考の一覧