Step.4 プロジェクトのモニタリング
プロジェクト計画書及びプロジェクト管理要領が出来上がりました。この内容に沿って、プロジェクトを実施する具体的な方法については、第3章(予算及び執行)から第9章(運用及び保守)で詳述します。このプロジェクトを実施する過程では、プロジェクトの進行状況や達成度合いについてモニタリングを行うことが重要になります。
特にPMOが指定したプロジェクトについては、工程レビューの仕組みが準備されています。プロジェクトが目標に向かって正しく進んでいるかをPJMO自身でチェックした上で、PMO等の第三者の視点でも確認しましょう。
また、どのプロジェクトにおいても、PJMO自身による定期的なモニタリングが必要です。様々な理由から、プロジェクトが目標どおりの成果を達成できないこともあるでしょう。今後も改善できる可能性が少なければ、予算がついているという理由だけでプロジェクトを延命するのではなく、早期にプロジェクトを終結させることも重要です。プロジェクトが生み出している成果について、定期的に確認を行いましょう。
プロジェクトをモニタリングし・検証する
【標準ガイドライン関連箇所:第3編第2章第4節3)】
プロジェクト実施中は、業務実施部門の職員や事業者との調整、PJMO内での調整や問題対応、関係者間の仕様調整等、様々な出来事で日々忙殺されがちです。そのような状況の中ででも、プロジェクト全体が意図した方向に進んでいるか、包括的な視点で確認することが必要です。
プロジェクトを船に例えましょう。船を進ませるために、船長、船員は様々な業務をしています。ただ、その結果として船が今どこにいるのか、航路からずれていないか、目的地に近づいているかを確認する必要があります。
それが、モニタリングです。モニタリングはPJMO自身によって定期的に行われるプロセスです。モニタリングを行うことで、プロジェクトの状況を包括的に把握しましょう。
ポイント
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報告内容に「問題なし」が続くとモニタリングの実施間隔が伸びたり実施を取りやめたりしてしまうことがあるが、問題が発生していなくても、あらかじめ定めた内容を継続してモニタリングすることが重要。
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問題を把握したときは、定量的に事実を共有し、改善に向けて迅速に行動に移す。あらかじめ基準と対応手順を定めておけば、問題が発生したときに迅速に対応できる。
目標、経費、進捗、品質等を中心にモニタリングする
モニタリングでは、主として目標、経費、進捗、品質等を確認します。もちろん、プロジェクトの特性によってモニタリングする項目も変わります。モニタリング対象項目をあらかじめ定めておくとともに、それらの項目を継続的に確認しやすいように測定方法を決めておいてください。
モニタリングの内容例
- プロジェクトの目標の達成度合い 利用者へのサービス向上や業務効率向上等の観点から、プロジェクト計画書で定義した目標に対して、モニタリング実施時点での達成度合いを確認する。
→設計・開発等の段階においては、システムの機能等が目標を達成するために必要十分であるかを確認する。
→運用段階においては、実際のサービス・業務において目標が達成できていることを確認する。
- 事例2-10
開発途中の機能追加による目標の形骸化
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経費の計画と実績 プロジェクト計画書の中で定めた年度単位での予算額計画に対して、実績での経費を確認する。経費については、PJMOが直接的に執行した経費だけでなく、業務実施部門等で移行や運用支援のために必要になる経費等を含めて、プロジェクトに関連して支出した経費の全体像を把握するようにする。
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作業進捗の計画と実績 システム開発等の作業について、計画したスケジュールに対する実際の進捗状況を把握する。
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品質の管理基準に対する実績 プロジェクト管理要領に定めた品質基準に従って、システム開発や運用等の各プロセスが実施されていることを確認する。
モニタリングは適時に実施する
モニタリングの実施頻度は、四半期に1度とすることや、半期に1度とすることを例示として挙げますが、プロジェクトの状況に応じて柔軟に設定してください。
モニタリングと監査をうまく組み合わせる
プロジェクトのモニタリングと、第10章で後述する監査とが同一と誤解されることがありますが、そうではありません。モニタリングと監査は別のものです。モニタリングは血圧測定のような自分自身による日々の健康チェックで、監査は専門的な医師が行う人間ドックのようなものです。モニタリングは実施頻度を定めて継続して行い、監査は数年に1回等のタイミングで計画的に利用するという二本立てで、プロジェクトの健康を保持しましょう。
また、モニタリングやシステム監査の結果を、後続プロジェクトでも活用しましょう。過去に気づいたこと、指摘を受けたことを、今後は同じ誤りをしないように教訓としてためていき実際の案件で活かしていくことが、長期的にはとても重要なことです。
プロジェクトは状況に応じて停止・改善する
関係者と合意したプロジェクト計画どおりにプロジェクトが進行できないときは、正常な状態に戻すための活動を進めることになります。このような状況になったときは、PJMOであるあなたは、客観的な資料を揃えて、関係者に正確な実情を共有してください。
資料を確認したPMO等が抜本的な見直しや、場合によってはプロジェクトの停止を判断し、更に深刻な事態に発展することを防ぎます。
- 事例2-11
抜本的な改善のために新たな体制を構築