9 バッチ

9.1 他システムとの連携を除くバッチ処理

【実装必須機能】

バッチ処理の実行(起動)方法として、直接起動だけでなく、年月日及び時分、毎日、毎週○曜日、毎月XX日、毎月末を指定した方法(スケジュール管理による起動)が提供されること。スケジュール管理にソフトウェア製品を利用する場合は名称、メーカー、バージョン等について、発注者からの要求があった場合、提示すること。

また、バッチ処理の実行時は、前回処理時に設定したパラメータが参照されること。

なお、前回設定のパラメータは、一部修正ができること。

修正箇所については、修正した旨が判別し易くなっていること。

全てのバッチ処理の実行結果(処理内容、処理結果、処理時間、処理端末名、正常又は異常の旨、異常終了した際はOSやミドルウェア等から出力されるエラーコード等)が出力されること。また、異常終了した場合の警告を住民記録システム内又は自治体が別途利用する他の通報システムに連携できること。

また、例えば6.1で記載した統計についてバッチの実行結果から一連の作業で最終的な提出物をXLSX形式等で作成する場合等には、自動実行する仕組みを用意すること。

このほか、9.2(抑止対象者)以降に特に留意すべき処理について記載しており、これらの処理についてはバッチ処理を可能とすること。

【考え方・理由】

本項目におけるバッチ処理は 住民記録システムにおける日次・月次データ処理等、他システムへの連携を伴わない処理を想定したものであり、他システムとの連携を伴う処理については「データ要件・連携要件標準仕様書」に従うこととする。

バッチ処理の実行方法には、直接起動方法のほか、ジョブスケジューラーから実行される「同期実行」、イベント駆動型である「非同期実行」がある。

住民記録システムにおいては、他システム間連携等のイベント発生による実行(非同期実行)は一般的に用いられないことから、バッチ処理が「同期実行」できることが必要となる。

また、バッチ処理で異常が発生した場合はリカバリが必要となることから、リカバリを効率化するための実行結果の出力は必須である。

製品によっては、システムによりXLSX形式で作成可能なものや、CSVだけ作成し、あとはオペレーションで行うものもあるため、機能要件を合わせるために記載。

なお、ベンダは、構築環境等によらず提供製品についての情報を顧客である市区町村に開示、説明する義務があり、市区町村側もミドルウェアの情報に限らず把握しておく必要がある。

修正パラメータ箇所は判別しやすい必要があるが、アクセシビリティの観点から、色での識別等の方法は規定しない。

9.2 抑止対象者

【実装必須機能】

抑止対象者一覧を作成できること。また、抑止の種類等による抽出、項目による並べ替えができること。

指定都市においては、一覧表は行政区単位で分割できること。

【標準オプション機能】

一覧表を支所単位で分割できること。

【考え方・理由】

中核市市長会ひな形に付記

抑止対象者は、設定した後、抑止状態のままになることを防止するため、一定期間後にメンテナンスを行うための一覧を作成し確認する。

指定都市においては、作業の効率化の観点から、一覧について行政区単位で分割できることとする。また、支所等の単位での分割も実施する場合があるとの意見があったことから、標準オプション機能とした。

9.3 除票用データベースへの移行

【実装必須機能】

5年を経過した除票について、住民記録システムデータベースから除票用データベースへ移行し、同時に住民記録システムデータベースから削除できること。

1年に1回以上、市区町村ごとに繁忙期を避けて、5年を経過した除票について、バッチ処理により、除票用データベースへの移行作業を行うこと。

【考え方・理由】

デジタル手続法による法の一部改正に基づき、令の一部が改正され、住民票の除票の保存期間が5年から150年に延長された。

1.1.5(除票)に記載のとおり、5年を経過した除票について、1年に1回、市区町村ごとに繁忙期を避けて、バッチ処理により、住民記録システムデータベースから除票用データベースへの移行作業を行うものとする。

9.4 成年被後見人

【実装必須機能】

成年被後見人の転出があった場合、転入通知受領後、転入地市区町村へ発送する通知書を作成できること。

【実装不可機能】

成年被後見人について、一覧表を作成できること。

【考え方・理由】

中核市市長会ひな形に付記(一覧表はEUC対応)

成年被後見人の設定に関する機能は、主には印鑑登録事務と関係すると考えられるが、住民基本台帳事務においても、例えば、成年被後見人が単独で住民異動届を提出しようとした場合に、成年被後見人であるかどうかを確認できる必要がある。成年被後見人となった通知は住所地のみに送付されるため、市区町村間で連携されていないと転入地市区町村が了知できず、当該成年被後見人の当初の住所地の市区町村が他の市区町村に通知する必要がある。なお、運用上、成年被後見人の設定がなされた際に住所地に通知された書類等も合わせて転入地市区町村に連携されている。中核市市長会ひな形に記載されており、一定の数があると考えられるため、本仕様書にも盛り込む。

なお、異動処理と連動した対象者の一覧表作成については、EUC機能により対応する。

9.5 住民基本台帳の一部の写し(閲覧用)

【実装必須機能】

抽出条件を指定(例:支援措置対象者を除く、ランダム順位)した住民基本台帳の一部の写し(閲覧用)の作成ができること。

リストについては、PDF又はCSV形式のテキストファイルで出力ができること。

【考え方・理由】

中核市市長会ひな形に付記

住民基本台帳の一部の写し(閲覧用)は、PDFによる閲覧や特別な閲覧システムに移すためのCSVデータで作成することが想定される。

9.6 無作為抽出・条件指定抽出

【実装必須機能】

性別、生年月日、地区、抽出人数、日本人・外国人の別を指定して住民を無作為抽出することができること。

対象者の宛名シールを出力することができること。

【考え方・理由】

構成員・準構成員に意見照会を実施した結果、他課からのニーズが高い等の理由から、当該機能が必要との意見が多数であったため、住民記録システム以外で担うべきシステムがない場合があることも踏まえ、実装必須機能とする。

9.7 住所一括変更

【実装必須機能】

区画整理・住居表示等対象者を抽出し、データ更新の一括処理ができ、その後、当該情報を住基ネットや他業務システムに連携できること。対象者に事前又は事後の通知を出力できること。

以下について対応できること。

・現住所については、世帯番号と変更前後の住所が入力されたCSVデータにより、住民記録データの一括更新ができる。

・本籍については、宛名番号と変更前後の本籍が入力されたCSVデータにより、住民記録データの一括更新ができる。

・仮処理と本処理ができる。処理結果を確認するための一覧を作成できる。

・抽出時点の対象者と、本処理時点での対象者及び変更前のデータが相違する者(転出予定者を含む。)については、一括更新から除外して構わない。

・一括更新した者について、住基ネットへ本人確認情報、戸籍の附票記載事項通知情報、送付先情報の自動送信ができる。電子証明書の所有有無の考慮は不要。CSの更新事由は「軽微な修正」とすること。

【標準オプション機能】

以下について対応できること。

・一括更新した者について、出入国在留管理庁への市町村通知を自動送信できること。

【実装不可機能】

住居表示、土地の名称、地番変更等が行われる区域の住民登録者について、「氏名、住所、生年月日、本籍、筆頭者、世帯主か否か」を抽出し、一覧表を作成できること。

該当区域内における基準日から実施日までの異動処理について、「異動前/異動後の氏名、住所、方書、異動事由」を抽出し、確認用の一覧表を作成できること。

郵便局や金融機関等の他機関へのデータを提供できること。

【考え方・理由】

中核市市長会ひな形に付記

区画整理・住居表示対象者を抽出し、データ更新の一括処理ができ、その後、当該情報を住基ネットや他業務システムに連携できるとの機能については、構成員・準構成員に意見照会を実施した結果、住民票(原票)上の住所が変更になるため住民記録システムにおいて対応すべきである等の理由から、当該機能が必要との意見が多数であったため、実装必須機能とする。

また、対象者に事前又は事後の通知を出力する機能については、専用のパッケージはなく、既に多くのベンダが対応している等の理由から、事前又は事後の通知のいずれかが必要であるとの意見が多数であったため、事前又は事後で通知文はほぼ変わらないことも踏まえ、ともに実装必須機能とする。

地図会社とのデータの授受については、市区町村から、当該者の現住所が分かる世帯情報を地図会社(測量会社)へデータ提供し、地図会社が新住所(住居表示後の住所)を追記し、市区町村へ納品することで、この変更前後のデータを使って、住所一括変更を処理する運用を行う市区町村もあるが、本仕様書としてはこの機能は不要である。

9.8 経過滞在者

【実装不可機能】

出生・国籍喪失による経過滞在者情報の一覧表を作成できること。

【考え方・理由】

EUCで対応可能であり、当該機能を利用せずに対応している市区町村もあることから、本仕様書に記載する機能としては不要。