第7章 用語
以下では、本仕様書についての解釈に紛れが生じないよう、用いられている用語の定義を示した。ここで示す定義はあくまで本仕様書における定義であり、用語によっては、本仕様書以外では別の意味で用いられていることもある。
あ
IaaS【あいあーす】……Infrastructure as a serviceの略。住民記録システム等の稼動に必要な仮想サーバ、機材やネットワーク等のインフラを、「総合行政ネットワーク(LGWAN)」やインターネット上のサービスとして提供する形態のこと。自治体クラウドを含むクラウドコンピューティングの利用形態は、「SaaS(software as a service)」、「PaaS(platform as a service)」、「IaaS(infrastructure as a service)」の3つに分類できる。
ICカード【あいしーかーど】……個人番号カード等、情報(データ)の記録や演算をするために集積回路 (integrated circuit ) を組み込んだカードのこと。
ID【あいでぃー】……システムの利用時に個人を特定するための番号や文字列等のこと。
「操作者ID」も参照のこと。
あいまい検索【あいまいけんさく】……検索条件が完全に一致しないものの、対象を一定のルールに基づき抽出する検索方法のこと。
アクセス……ソフトウェアやシステム、アプリケーションに格納されている情報へ到達(接続)すること。また、通信回線やネットワークを介して別のコンピュータや機器の操作、格納されている情報を取得、閲覧、編集できるようにすること。
アクセスログ……住民記録システムや端末、ソフトウェアに対して、人間や外部のシステムからの操作や要求等を一定の形式で時系列に記録したもの。
宛名番号【あてなばんごう】……市区町村内において業務ごとに個人、法人を一意に識別するために付番した番号のこと。「個人番号」、「住記個人番号」と呼ばれることもあるが、番号法に基づく「個人番号」(いわゆるマイナンバー)と混同されかねないため、本仕様書上は「宛名番号」と呼ぶ。
アラート……論理的には成立するが特に注意を要する入力等について、注意喚起の表示を経た上で、当該入力等を確定できるもののこと。論理的に成立し得ない入力その他の抑止すべき入力等について、抑止すべき原因が解消されるまで、当該入力等を確定(本登録)できないエラーとは区別される。
い
EUC【いーゆーしー】……End user computingの略。非定型業務(印鑑登録システム標準仕様で当該機能が提供されていない業務)に対して利活用できる機能。
印鑑登録システムが保有するデータの二次利用を可能とするデータの抽出・分析・加工及びこれらのファイルやリストへの出力等の機能を有する。
移動端末設備……利用者の電気通信設備であって、移動する無線局の無線設備であるものをいう。電気通信事業法第12条の2第4項第2号ロを参照。
イベント……印鑑登録システムを構成するサーバ内で発生する事態のこと。
イベントログ……印鑑登録システムのシステムイベント(住民記録システムを構成するサーバ内で何らかの事態が発生した場合のシステム管理者等へのメッセージ通知)の履歴、情報を記録したもの。
システムイベントに関わる日時、システムイベントの内容及び関わるデータの中身等が記録される。
印鑑登録証【いんかんとうろくしょう】……事務処理要領では、「市町村長は、印鑑を登録した場合には、印鑑登録証を交付することとなっている。印鑑登録証については、印鑑の登録を受けている者を識別するための磁気又は集積回路を付したカード(※1)をもって調製された「印鑑登録者識別カード」を交付することができると規定されている。
また、事務処理要領第6の1から3までの規定及び第7の6の規定に基づき、個人番号カード又は住民基本台帳カードを印鑑登録証等として利用することが認められている。
印鑑登録証等の種類とその概要を下表に示す。
え
エラー……論理的に成立し得ない入力その他の抑止すべき入力等について、抑止すべき原因が解消されるまで、当該入力等を確定(本登録)できないもののこと。論理的には成立するが特に注意を要する入力等について、注意喚起の表示を経た上で、当該入力等を確定できるアラートとは区別される。
エラーは、当該内容で本登録することを抑止することが目的であり、本仕様書においては、その実装方法として、エラーメッセージを表示し、次の画面に進めないようにすることも、エラーメッセージの表示によらず、そもそも入力不可とすることで対応することも差し支えないこととしている。また、仮登録段階でエラーメッセージを表示して抑止することも、本登録段階でエラーメッセージを表示して抑止することも、いずれもエラーの実装方法として許容している。
エラーコード……プログラムの起動又は実行が不可能である場合、その内容や原因を表示するためのコード。
お
OS【おーえす】……Operating systemの略。基本ソフトウェアともいわれ、コンピュータを作動させるために不可欠なシステムの入出力や同時並行処理等を管理する複数のプログラムの集合体こと。制御プログラム、言語プロセッサ、ユーティリティーから構成される、基本的な操作環境を提供するソフトウェアの総称。
か
外字【がいじ】……各ベンダが提供する文字セット等において、標準では収録されておらず、市区町村が個別に追加した文字のこと。
JIS等の標準規格にない文字をベンダがパッケージ標準に追加している場合も「外字」と呼ぶことがあるが、パッケージ標準にある場合は、当該文字セット等において標準で収録されているため、本仕様書上は「外字」としては取り扱わない。
改製【かいせい】……印鑑登録システムにおける改製については、合併等に伴い、システム更改され、最新の異動履歴のみが新たな印鑑登録データとして登録されることを指す。なお、このような場合においても最新の履歴以外を移記することも許容される。
可視台帳【かしだいちょう】……印影を紙に押下した紙原本のことを指す。
カスタマイズ……市区町村の業務に合わせて、ベンダがパッケージの機能への追加・変更・削除を行うこと。
方書【かたがき】……市区町村、大字や小字、地番に続く、アパートやマンション、寮等の住所情報のこと。
仮登録【かりとうろく】……「仮登録状態」とは、異動情報がシステムに入力され、その内容がいったんシステム上に保存されているが、未審査又は審査中のため決裁に至っておらず、印鑑登録原票にまだ記載されていない状態のこと。異動処理が確定されておらず、異動履歴とならない状態であり、システム上は保存されていることから、単なる入力途中の状態とは区別され、また、印鑑登録原票にまだ記載されていないことから、本登録とも区別される。
「本登録」も参照のこと。
管理【かんり】……データの設定・保持・修正ができること。
き
記載【きさい】……職権で行うものであり、印鑑登録原票が作成されることを指す。なお、本仕様書においては、事務処理要領第2の5における登録も内包される。
旧氏【きゅううじ】……その者が過去に称していた氏であって、その者に係る戸籍又は除かれた戸籍に記載又は記録がされているもののこと(令第30条の13)。
行政区【ぎょうせいく】……地方自治法第252条の20第1項の規定に基づき、指定都市が、市長の権限に属する事務を分掌させるために、条例で設けている区のこと。
業務階層【ぎょうむかいそう】……業務要件及び業務フローの検討においては、業務の体系的な整理を進めることを目的として、ビジネスプロセスを示す業務階層を、階層1(業務レベル)、階層2(事務レベル)、階層3(活動レベル)の3つの階層に分解して考える。
く
クラウド……市区町村が情報システムを外部のデータセンターで保有・管理し、通信回線を経由して利用すること。
け
検索【けんさく】……個人や世帯等を選択するため、画面から検索用項目を画面入力して、マッチするものを探す操作のこと。
「照会」も参照のこと。
こ
更改【こうかい】……既存システムを再構築すること。バージョンアップともいう。
個人番号カード【こじんばんごうかーど】……氏名、住所、生年月日、性別、個人番号等が記載され、本人の写真が表示され、かつ、これらの事項等が電磁的方法により記録されたカードのこと。いわゆるマイナンバーカード。なお、「マイナンバーカードの呼称について」(平成28年2月5日付け内閣府大臣官房番号制度担当室・総務省自治行政局住民制度課事務連絡)では、国民に広く周知される媒体における個人番号カードに係る表記については、原則として「マイナンバーカード」を使用することとしている。
さ
参照【さんしょう】……データが入力されたテーブルへ必要なデータを問い合わせる操作。
し
CSV【しーえすぶい】……Comma-separated valuesの略。テキストデータにおいて各項目のデータをカンマで区切ったファイル形式のこと。
支援措置対象者【しえんそちたいしょうしゃ】……配偶者からの暴力(DV)、ストーカー行為等、児童虐待及びこれらに準ずる行為の被害者で、市区町村に対して住民基本台帳事務におけるDV等支援措置を申し出た者。支援措置対象者の相手方からの「住民基本台帳の一部の写しの閲覧」、「住民票(除票を含む。)の写し等の交付」、「戸籍の附票(除票を含む。)の写しの交付」の請求・申出があっても、これを制限する(拒否する)措置が講じられる。
市区町村【しくちょうそん】……市町村及び特別区のこと。指定都市の総合区や行政区については、本仕様書では、法令で指定都市の区及び総合区が市と、区長及び総合区長が市長と見なされる場合は、法令と同様の扱いとしている。
システムログ……システムが記録する動作履歴であり、OSの稼働中に発生したイベント等を時系列で記録したもの。
自動【じどう】……入力、登録、区別、判断、確定等の処理時に、取り込んだ情報を職員の手を介さず処理できる機能のこと。
氏名のカタカナ表記【しめいのかたかなひょうき】……外国人住民のうち非漢字圏の外国人住民(漢字圏の外国人住民のうち本国における公的な身分証明書において氏名に漢字が使用されない者を含むものとする。)の住民票の備考欄に記載がされている氏名のカタカナ表記のこと。
照会【しょうかい】……既に特定した個人や世帯等の詳細な情報について、データベースに問い合わせる操作のこと。
「検索」も参照のこと。
照会中【しょうかいちゅう】……異動情報がシステムに入力され、文書による照会を行うために審査(決裁)を経てその内容がいったんシステム上に保存されているが、照会中のため登録状態に至っておらず、印鑑登録原票にまだ記載されていない状態のこと。仮登録とは区別される。
除票【じょひょう】……消除された印鑑登録原票のこと。
シリアル番号【しりあるばんごう】……電子証明書において一意に識別するための番号のこと。
す
スケジューラ……ある処理を、条件が成立したタイミング(特定時刻の到来・他の処理の終了等)で自動的に実行させる仕組み。
せ
生体認証【せいたいにんしょう】……あらかじめ登録された指紋・掌紋、虹彩、眼球、顔、声紋等、固有の身体的又は行動的情報と照合して認証すること。
性別【せいべつ】……法第7条第3号の「男女の別」のこと。
制御【せいぎょ】……データの演算処理を行う以外の処理をコントロールするのこと。メモリやディスプレイ・画面媒体との入出力やデータの入出力、キーボードやマウスからの操作、ディスプレイやプリンタへの出力を正常に作動させる目的のための操作。
世帯番号【せたいばんごう】……各市区町村がシステムで独自に世帯を管理するために付番する番号のこと。同一の世帯に属する住民には同一の世帯番号が振られ、異なる世帯に属する住民には異なる世帯番号が振られる。
そ
操作権限【そうさけんげん】……操作者等を単位とした利用権限を設定する際の方針のこと。
操作者ID【そうさしゃあいでぃー】……住民記録システム利用者の特定に用いられる一意の識別子(利用者、登録者を識別するユーザ名やアカウント名)。
また、当該利用者に対するシステム利用を管理・制約するための識別子でもある。
なお、「個人番号カードアプリケーション搭載システム」では、 ID・パスワード方式によるオペレーター認証時の識別子のこと。
操作ログ【そうさろぐ】……印鑑登録システムの利用状況や利用者操作の履歴、情報を記録したもの。
操作が行われた日時と、行われた操作の内容や操作に関わるデータの中身等が記録される。
た
ダイアログ……入力したワードやメッセージを確認するために操作時に一時的に開かれる小さいウィンドウのこと。ダイアログボックスの略。
単純連番【たんじゅんれんばん】……システムが取り扱う各種番号(宛名番号や世帯番号等)に付番する際、順番に当該番号に1を加える操作(インクリメント)により、機械的に(単純に)新たな番号を付番すること。又は、既に付番された当該番号のこと。
ち
チェックディジット……数字列の誤りを検出するために付加される検査用の数字のこと。
つ
通称【つうしょう】……外国人住民の氏名以外の呼称であって、国内における社会生活上通用していることその他の事由により居住関係の公証のために住民票に記載することが認められるもの(令第30条の26第1項)。なお、通称名/併記名の区分は旧外登法時代の名残であり、現行法ではないため、本仕様書においてはこれらの用語を用いない。在留カード等にローマ字氏名と漢字氏名が併記されている場合であれば、いずれも氏名として住民票の氏名欄に記載するものである。
通信ログ【つうしんろぐ】……印鑑登録システムの通信状況や通信の履歴、情報を記録したもの。
通信が行われた日時、行われた通信の内容や通信に関わるデータの中身等が記録される。
て
データベースサーバ……データベースソフトウェアを稼働させるサーバのこと。
な
内字【ないじ】……各ベンダが提供する文字セット等において、標準で収録されている文字のこと。
JIS等の標準規格にない文字をベンダがパッケージ標準に追加している場合も、パッケージ標準にある場合は、当該文字セット等において標準で収録されているため、本仕様書上は「内字」として扱う。
「外字」も参照のこと。
に
二要素認証【にようそにんしょう】……正規の利用者を認証する手段のうち、知識、所有、生体のうち2つの異なる属性を併用する認証方法(2つ以上を併用する認証は、多要素認証という。)。
具体的な認証方式としては、パスワードとUSBトークン、指紋と暗証番号等、2つの異なる原理の認証手段を組み合わせて用いることで、精度と安全性を高める等がある。
「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」では、「情報システム全体の強靭性の向上」として、「マイナンバー利用事務系においては、原則として、他の領域との通信をできないようにした上で、端末からの情報持ち出し不可設定や端末への多要素認証の導入等により、住民情報の流出を防ぐ。」とある。
認証ログ【にんしょうろぐ】……印鑑登録システムにおける利用者認証の履歴、処理内容を記録したもの。
認証が行われた日時と、行われた認証の内容や認証に関わるデータの中身等が記録される。
は
バージョン……製品等の改訂、更新を識別するための番号や符号のこと。通常、番号(数字)が大きいほど新しい製品であることを意味する。
ハードコピー……画面表示された情報を(画像データ等の形式で)そのまま記録すること。
バッチ処理【ばっちしょり】……一括処理を行う処理方式のこと。複数の手順からなる処理において、あらかじめ一連の手順を登録しておき、自動的に連続処理を行う処理方式等、複数のパターンがある。
パラメータ……システムの挙動に影響を与える、各種静的・動的な設定のこと。
ひ
非機能要件【ひきのうようけん】……情報システムやソフトウェアの開発時に定義される要件のうち、機能面以外の要件全般をいう。システムの性能や機能の信頼性、拡張性、運用性、セキュリティ等に関する要件のこと。
ふ
フォント……JIS規格(JIS X 0213等)のようにコンピュータ(情報システム)に表示や印字される文字セット等の図形について、同じ特徴・様式で一揃いの文字の形状をデザインしたもの。また、コンピュータ等で文字を表示・印刷できるように、文字形状をデータとして表したもの。
本仕様書は、文字セット・文字コード・文字符号化方式については規定しているが、特定のフォントを用いることは規定していないため、本仕様書で規定する文字セットが扱えるフォントであれば、IPAmj明朝フォントと異なるフォントを用いることも差し支えない。
へ
ベンダ……ハードウェアやソフトウェア等の製品やサービスに責任を持つ事業者のこと。
ほ
本登録【ほんとうろく】……異動情報がシステムに入力され、決裁を経てその内容がシステム上に保存されており、印鑑登録原票に記載されている状態。異動処理が確定され、異動履歴となる。「仮登録」も参照のこと。
み
ミドルウェア……現在の自治体の基幹業務システムのパッケージ製品の多くはオープンシステムである。そして、セキュリティが高く、管理もし易いこと等から「Web(ウェブ)サーバ」、「APサーバ(アプリケーションサーバ)」、「DBサーバ(データベースサーバ)」から構成される「Web三層構造」が採用されている。
「ミドルウェア」とは、これらの「Web三層構造」の各層で用いられるアプリケーションとOSの中間的な処理を行うソフトウェアのことをいう。
め
メーカー……ハードウェアやソフトウェア等の製品やサービスに責任を持つ事業者のこと。
も
文字溢れ【もじあふれ】……入力した文字がテキストエリアに表示できる文字数を上回ったときに、対象エリアからはみ出している状態のこと。
ゆ
ユニーク……重複がなく、一意であること。
り
利用権限【りようけんげん】……システムの利用において業務区分、職位等に基づき付与された権限のこと。
ろ
ログ……印鑑登録システムの利用状況やデータ通信等の履歴、情報の記録を取ること。またその記録そのものを指す。
操作やデータの送受信が行われた日時と、行われた操作の内容や送受信されたデータの中身等が記録される。
データ通信の履歴等については、自治体クラウド等によりデータセンターを利用している場合、データセンター事業者によって情報が記録されている。このような場合、SLAとセットでログの運用・管理を実施する等が求められる。
「アクセスログ」、「イベントログ」、「操作ログ」、「通信ログ」、「認証ログ」も参照のこと。
ログイン……コンピュータやネットワーク、オンライン処理で業務を行う際に、操作者の識別情報を入力し、あらかじめ登録された情報との照会を行い、利用を開始すること。