4 異動

4.0.1 異動者

【実装必須機能】

戸籍の附票の異動処理においては、当該異動処理の対象者の戸籍の附票が既に存在する場合については、対象者を戸籍の附票データから選択できること。その際、基本検索により個人又は戸籍の附票単位で検索できるものとし、戸籍の附票を検索して対象者を選択する場合は、戸籍の附票の全部(当該戸籍の附票の全員を異動者とすることをいう。)又は一部(当該戸籍の附票の一部を異動者とすることをいう。)を選択できること(対象者の選択から全部又は一部を自動判断することを含む。)。一部を選択する場合には、1人又は複数人の対象者を選択できること。

戸籍の附票の異動処理において、当該異動処理の対象者の戸籍の附票が存在しない場合については、異動者の情報を入力できること。

指定都市においては、異動者を操作者の属する行政区に戸籍の附票を置く者に限定することができること。

【考え方・理由】

戸籍の附票の異動については個人が単位であることから、個人単位で異動者を選択できること。また、戸籍の附票の全部や一部についても選択できることも必要である。

新規に戸籍の附票を作成する場合等、対象者の戸籍の附票が存在しない場合については、戸籍情報システムにおける戸籍の情報を確認しながら異動者の情報入力等を実施することを想定している。この場合において戸籍情報システムにおける異動処理と戸籍附票システムにおける異動処理は別に行われる必要があるものの、戸籍の異動者の情報等を戸籍附票システム内に自動入力する機能や容易に転記できる機能等を備えることを妨げるものではない。

4.0.2 異動日・処理日

【実装必須機能】

異動処理においては、異動日及び処理日を入力できること。

異動日は、デフォルトとしては空欄とすること。

異動日は、処理当日以前の日のみを入力できること。

処理日は、処理当日が自動入力されること。

【実装不可機能】

処理当日以外を処理日として入力できること。

【考え方・理由】

住民記録システムに準ずる。

4.0.3 審査・決裁

【実装必須機能】

異動処理の仮登録及び本登録を行えること。

異動入力した内容は仮登録として、審査(決裁)により本登録とする。

仮登録の情報では、取消、修正等ができ、異動処理、証明発行、住基ネット回線を通じた連携については、抑止されること。

仮登録一覧は、画面に表示され、異動者を選択できること。また、常時又は戸籍附票システム終了前に仮登録の者が存在することを表示できること。

また、仮登録一覧は、全部又は一部(選択異動者及び入力支所等を単位とした一部)ごとに表示、本登録できること。ただし、全部本登録については、件数に上限を掛けることができることとする。

【仮登録】

  • 異動情報がシステムに入力され、その内容がいったんシステム上に保存されているが、未審査又は審査中であり、法上、戸籍の附票にまだ記載されていない状態(異動情報をシステムに入力し、一時保存している状態)

  • 異動処理が確定されておらず、異動履歴とならない状態

  • 戸籍の附票の写し発行時には、戸籍附票システムや他業務システム、又は、証明書のコンビニ交付において、仮登録前及び仮登録中のデータに基づく証明書は発行できないようにする。

【本登録】

  • 異動情報がシステムに入力され、審査(決裁)を経てその内容がシステム上に保存されており、法上、戸籍の附票に記載されている状態

  • 異動処理が確定され、異動履歴となる状態

  • 確定情報となるため、証明書、住基ネット回線を通じた連携等に反映される。

【考え方・理由】

住民記録システムと同様、仮登録の情報については取消・修正が可能である。

ただし、仮登録の情報は取消・修正できることとしているが、戸籍情報システムにおいては取消事由(例:重婚や不適齢婚等)が含まれる届出を誤って受理した場合には当該届出の情報を取り消すことができないとされているため、戸籍情報システムとシステム構成を共有している場合において、戸籍情報システムにて取り消すことができない場合には戸籍附票システムにおいても同様の扱いとする。

住民票の写し等と比べ、記載事項が限られることや証明書の交付数が相対的に少ないことから、誤記のおそれが少ないため、審査(決裁)機能を設けなくともよいとの意見もあったが、責任者の審査(決裁)がないまま登録することは自治体による公証制度である以上想定されず、一定のプロセスや組織としての意思決定が必要であることから、審査(決裁)機能は実装必須機能とする。

なお、審査(決裁)を実施する方法について本仕様書では規定しないが、仮登録の内容が妥当であるか確認するプロセスを経ること、また記録することで、「職員が単独で登録を完了する」ことが発生しない運用とすることが肝要である。

4.0.4 入力確認・修正

【実装必須機能】

更新前(仮登録)には、20.0.1(様式・帳票全般)に定める確認用帳票を画面確認又は印刷でき、入力内容を修正できること。

【考え方・理由】

住民記録システムと同様、審査・決裁機能を設けたことに伴い、当該機能を設ける。

入力内容の確認はペーパーレスで行うことを原則とする。ただし、繁忙期や非常時等、紙での照合が必要となる場面もあることを想定し、基本はペーパーレス対応を推奨するが、紙での出力機能も備えることとした。

4.0.5 一括入力

【実装必須機能】

同一のシステム利用者が、同一の戸籍の附票に記録されている複数人に同一の内容を入力する場合、対象を選択後、一括で入力できること。

異動日と異動履歴は自動的に適用されること。

当該機能は、一般市区町村においては、標準オプション機能とする。

【考え方・理由】

同一の戸籍の附票に記録されている複数人に同一の内容を入力する場合、一括入力することができることにより、入力作業を省力化する。

なお、権限、情報セキュリティ等の観点から、履歴は、システム利用者(操作者ID単位)ごとに保持することとする(2.1 (検索機能)参照)。

4.1 職権

法第18条に規定する職権による戸籍の附票の記載等に関する機能について記載する。

4.1.1 戸籍届出等に基づく戸籍の附票の職権記載等

【実装必須機能】

戸籍届出等に基づき、戸籍届出等による記載、消除又は修正として、職権記載、職権消除及び職権修正の処理が行えること。

なお、戸籍法第24条第2項、同条第3項、第113条、第114条又は第116条の規定によって戸籍の記載が訂正された場合も、同様に職権記載、職権消除及び職権修正の処理が行えること。

【考え方・理由】

戸籍の附票の記載、消除又は記載の修正は、職権で行うものとする(法第18条)。

戸籍の附票は戸籍を単位に作成されているため、戸籍の異動に伴い戸籍の附票についても職権で記載、消除及び修正を行うことが考えられるため。

戸籍の附票においては消除となった者(戸籍の附票の除票を含む。)に関しての修正は許容しないため、戸籍情報システムにおいて除籍者について訂正がなされた場合は備考のその他欄に戸籍において訂正がなされた旨を記載すること(記載方法については20.0.6を参照のこと。)。

また、戸籍の附票においては戸籍における訂正概念が存在しないため、戸籍法第24条第2項、第113条、第114条又は第116条の規定によって戸籍の記載が訂正された場合には、職権記載、職権消除及び職権修正の処理が行えるものとしている。

4.1.2 在外選挙人名簿及び在外投票人名簿登録市区町村の異動

【実装必須機能】

市区町村の選挙管理委員会からの法第17条の2第2項の通知や本籍地市区町村からの通知に基づき、在外選挙人名簿登録情報及び在外投票人名簿登録情報について職権記載等できること。

また、戸籍の附票への国内住所地の追加等に伴い、在外選挙人名簿登録情報又は在外投票人名簿登録情報の変更があった場合には、その旨を在外選挙人名簿登録市区町村又は在外投票人名簿登録市区町村に通知するための在外選挙人名簿及び在外投票人名簿登録者の戸籍又は戸籍の附票の変更通知書(20.2.2参照)を出力できること。

国民投票日の翌日に、当該国民投票のために登録された在外投票人名簿情報を戸籍の附票から削除することができること。

【標準オプション機能】

在外選挙人名簿及び在外投票人名簿に登録されている者の一覧について出力できること。

【考え方・理由】

在外選挙人名簿又は在外投票人名簿への登録、移転、抹消等が発生した場合には、登録情報についての記載等が必要である。また、公職選挙法第30条の13第1項及び日本国憲法の改正手続に関する法律第43条第1項に基づき、在外選挙人名簿登録市区町村又は在外投票人名簿登録市区町村に通知するための通知書を作成する機能も必要である。なお、戸籍附票システムから出力する通知書については、国内住所地の追加等の戸籍の附票に起因する異動が発生した場合を想定している。

法第17条の2第1項の規定に基づく通知を受けて、戸籍の附票には、在外投票人名簿に登録された旨を記載しなければならないこととされている。しかし、国民投票の終了後、戸籍の附票において在外投票人である旨等の記載を保持し続ける必要性は乏しいことから、投票日翌日に各市区町村で職権消除することが適当であると判断した。なお、本取扱いについては、国民投票が実際に行われることとなった場合に、総務省から各市区町村長宛てにその趣旨を通知することとする。

在外選挙人名簿及び在外投票人名簿に登録されている者の一覧は、国内に住所を戻した際の通知の発行管理等に使用する市区町村も存在することから、標準オプション機能とした。

4.1.3 CSから受信した戸籍の附票記載事項通知及び本籍転属通知の取込

【実装必須機能】

CSから戸籍の附票記載事項通知(法第19条第1項)及び本籍転属通知(法第19条第3項)を受信した場合、職員の手を介することなく自動で通知を取り込むことができること。その際、通知の内容や自動で処理されない文字化け、オーバーフロー等の対応を職員が確認し、修正できること。

また、受信した通知に対する戸籍の附票記載事項通知取込エラー一覧表及び本籍転属通知取込エラー一覧表を作成できること。

CSから受信した戸籍の附票記載事項通知及び本籍転属通知については「戸籍附票システム改造仕様書」に従い連携されるため、これを適切に処理できること。

なお、受信し、反映されたデータの修正が必要な場合には、適宜修正を行えること。

【考え方・理由】

戸籍の附票記載事項通知に加え、デジタル手続法の施行に伴い戸籍照合通知(法第19条第2項)及び本籍転属通知についても電文としてCSから連携されるため、取込機能は必須。

職員の手を介することなく自動で取り込めるとは、CSから戸籍の附票記載事項通知又は本籍転属通知を受信した後、取込処理ボタン等を押すことにより、通知を1件ずつ処理するのではなく、取り込んだ通知の情報を一括して仮登録する機能を想定している。

また、戸籍の附票記載事項通知及び本籍転属通知において、「戸籍附票システム改造仕様書」に従い、住基ネット統一文字及び行政事務標準文字図形名にて連携されるため、適切に処理できるよう留意する必要がある。

4.1.4 誤記修正

【実装必須機能】

誤記があった場合、職権修正として、修正ができること。

異動事由は、「誤記修正」とすること。

誤記があった異動の異動履歴は上書き修正せず、誤記修正の異動履歴とともに、異動履歴データとして保持すること。

【実装不可機能】

異動履歴を残さない上書き修正ができること。

【考え方・理由】

住民記録システムに準ずる。

4.2 異動の取消し

4.2.1 異動の取消し

【実装必須機能】

4.1.3(CSから受信した戸籍の附票記載事項通知及び本籍転属通知の取込)に規定する異動処理の取消しができること。そのため、取消しの対象となる異動処理を異動履歴データから選択できること。その際、4.0.1(異動者)の例により、全部又は一部の区分により、対象者を選択できること。

異動の取消し機能は、最新履歴を削除する機能ではなく、履歴を上積みして、元の状態に復元できる機能とすること。復元した後、データ項目を追加する必要がある場合にあっては、その他職権修正により対応する。

具体的には、住民記録システムからCSを通じて連携される、戸籍に記載されている者の増減を伴わない記載事項の修正を実施する機能(異動の取消し(修正))を備えること。

取消処理については、それ自体を1つの異動処理として取り扱うこととし、「4 異動」を適用するほか、取り消された異動処理及び取消処理を、ともに異動履歴データとして保持すること。

【考え方・理由】

住民記録システムからCSを通じて連携される異動の取消し(増・減・修正)については、戸籍附票システムにおいては全て異動の取消し(修正)に集約することができることから、異動の取消し(修正)の機能を設けることとした。

なお、4.1.1(戸籍届出等に基づく戸籍の附票の職権記載等)のとおり、戸籍法第24条第2項、第113条、第114条又は第116条の規定によって戸籍の記載が訂正された場合には、異動の取消しを行うのではなく、職権記載、職権消除及び職権修正の処理が行えるものとしている。