経緯・背景

行政手続のデジタル完結の推進について、個人や法人等から行政への情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律(平成14年法律第151号。以下「デジタル手続法」という。)第3条第8号に規定する申請等(以下「申請等」という。)についてはデジタル化が推進されてきたところであるが、同法第3条第9号に規定する処分通知等(以下「処分通知等」という。)のデジタル化率は依然として低水準で推移しており、このことが行政手続のデジタル完結の課題となっている[^1]。課題を解決することで、行政手続のデジタル完結を推進し、個人や法人等の利便性を向上させるとともに、行政運営の効率化を図ることができる。

こうした中、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」(令和4年6月7日閣議決定)(以下「重点計画」という。)では、処分通知等のデジタル化に係る検討を進めることとし、「トラストを確保したDX推進サブワーキンググループ報告書」(令和4年7月29日)では、「行政手続等の棚卸調査」(令和3年度調査)の実態分析を踏まえ、処分通知等の文書発出をより円滑にオンラインで行うことが可能となるよう検討を進めるべきであると示された。

これを受け、デジタル庁において、処分通知等のデジタル化に係る「デジタル改革に向けたマルチステークホルダーモデル(MSM)」を運用し、参加者一同から「処分通知等のデジタル化に向けた提言書」(令和4年12月9日)の提出を受けた。

これらの報告書や提言書をもとに、処分通知等のデジタル化に係る共通課題への対応について基本的な考え方(以下「本基本的な考え方」という。)を整理した。本基本的な考え方が、デジタル手続法第3条第2号に規定する行政機関等(以下「行政機関等」という。)が処分通知等のデジタル化を図る上での課題解決に向けた参考資料となることを期待する。本基本的な考え方は、基本的にデジタル手続法第7条第1項に基づき処分通知等をデジタル化する場合を想定しているが、同項に基づかず処分通知等をデジタル化する場合についても本基本的な考え方を参考とされたい。

また、実務例に照らし、これまで行政機関等から問合せが多かったものについては「「処分通知等のデジタル化に係る基本的な考え方」Q&A」として整理する。