別紙2

〇〇省  生成AIシステム利活用ルール(ひな形Ver2.0)

令和〇年〇月〇日

  1. ルールの目的

本ルールは、〇〇省職員による生成AIの適正な利活用を促進するため、「行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン」等を踏まえ、〇〇省職員が、生成AIシステムを利用する際に遵守・留意すべき事項等を定めるものである。

  1. 生成AIシステムの利活用に係るルール

生成AIシステムを利活用する際は、以下の(1)利活用前のルール、(2)利活用中のルールを遵守すること。

(1)利活用前のルール

  • 生成AIの利活用は、様々な便益が期待される一方、要機密情報の流出やハルシネーション(生成AIが事実と異なる情報を出力すること)等のリスクがあることを理解すること(生成AIによる便益とリスクについては、「行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン」の「5 生成AIによる便益とリスクを理解した利活用推進」を参照。)。

  • 生成AIシステムの企画者又は提供者(政府職員又は国民が利活用する生成AIシステムを運営する政府職員。以下同じ。)から説明された利用方法、セキュリティ上の留意点、生成AIの出力についての精度及びリスクの程度を理解すること。(例:利活用できる生成AIシステムの環境、利用条件、ルール、相談先、情報セキュリティインシデント(JIS Q 27000:2019における情報セキュリティインシデントをいう)・生成AIシステム特有のリスクケース発生時対応等を利活用前に理解しておく。)。

  • 生成AIシステムへの入力結果及び出力結果は、必要に応じて生成AIシステムの提供者に提供する必要がある旨事前に了解すること(例:PJMO(プロジェクト推進組織のこと。ProJect Management Office の略字)からの求めに応じて、アクセス可能な状態であれば入力データ又はプロンプト・出力結果・データ提供の手段・形式等を提出する。)。

  • 不特定多数の利用者に対して提供され、かつ定型約款や規約等への同意のみで利用可能となるクラウドサービス型の生成AIシステムを業務で利活用する場合には、原則として、要機密情報を取り扱わないこと(例外として、要機密情報を取扱う場合○○省情報セキュリティポリシーに基づき、情報セキュリティ責任者の許可が必要。)。要機密情報を取り扱わない場合であっても、不特定多数の利用者に対して提供され、かつ定型約款や規約等への同意のみで利用可能となるクラウドサービス型の生成AIシステムを業務で利活用する場合には、○○省情報セキュリティポリシーに基づき、利活用の許可を得ること。また、要機密情報を取り扱わない場合であっても、例えば、国外にサーバ装置を設置している場合は、現地の法令が適用され、現地の政府等による検閲や接収を受ける可能性があることに留意すること。

※「DeepSeek等の生成AIの業務利用に関する注意喚起(事務連絡)」についても併せて確認されたい。

(2)利活用中のルール

  1. 入力データ又はプロンプトにおけるルール
  • 生成AIシステムの利用目的の範囲内で、要機密情報や個人情報の入力の可否を含む利用方法を遵守し、当該生成AIシステムを適切に利活用すること(例:生成AIシステムの提供者から説明された利用方法や必要に応じてマニュアルと照らしつつ生成AIシステムを活用する。生成AIシステムの提供者から説明された利用目的範囲外の利活用や禁止されている場合には要機密情報の入力をしない。)。

  • 生成AIシステムに個人情報を含むプロンプトを入力する場合には、事前に当該生成AIシステムへの入力の可否を確認の上、当該個人情報の利用目的のための必要最小限の利活用又は提供であることを十分に確認すること(例:○○省のプライバシーポリシーや生成AIシステムの提供者が定める利活用ルールを確認し、問題がないかを判断した上で利活用、判断がつかない場合は個人情報を含まないプロンプトとする。)。

  • 行政機関等が、生成AIシステムに保有個人情報を含むプロンプトを入力し、当該保有個人情報が当該プロンプトに対する応答結果の出力以外の目的で取り扱われる場合、当該行政機関等は「個人情報保護法」(平成15年法律第57号)の規定に違反することとなる可能性がある。そのため、このようなプロンプトの入力を行う場合には、当該生成AIシステムを提供する事業者が、当該保有個人情報を機械学習に利活用しないこと等を十分に確認すること。

  • 正確性が求められる場面では特に、正確かつ最新のデータ入力を行うこと(例:不正確な回答につながってしまうため、生成AIに入力する前に、前提が誤っている等の不正確な情報となっていないかを利用者自身でチェックする。)。

  • プロンプトの入力において、知的財産権等の侵害等リスクを低減させるよう対策を取ること(表1参照)。既存の著作物への依拠性がないことを説明できるよう、生成に用いたプロンプト等、AI生成物の生成過程を確認可能な状態にしておくよう努めること。

※知的財産権等のリスクに対する対策例の詳細に関しては、「コンテンツ制作のための生成AI利活用ガイドブック」(令和6年7月5日経済産業省)や「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(令和6年7月31日文化庁著作権課)を確認されたい。

  1. AI生成物利活用におけるルール
  • 生成AIの出力結果に基づいて行われた判断も説明責任の対象に含まれることに留意すること(例:利用者自身がAI生成物について説明できることを確かめた上で業務利活用する。必要に応じてAI生成物を言い換えて、自身で説明できる表現にする。)。

  • 責任を持って生成AIシステムの出力結果の業務への利用判断を行うこと(例:入力データ又はプロンプト、要機密情報を入力、参照又は学習した場合の出力結果の機密性、出力結果に含まれるバイアス、音声文字起こしの固有名詞等の誤り等に留意して、業務に活用して問題ないかを利用者が判断する。判断に迷う場合は利活用しないこととする。)。

  • 正確性や根拠・事実関係を必要な範囲内でリスクに応じて確認すること。

  • 安全性・公平性・客観性・中立性等に問題がないことを確認し、問題のある表現は必ず修正又は削除すること(例:差別用語や倫理に反する表現が含まれていないこと、第三者の権利を侵害していないこと、第三者の生命・身体・財産等に危害や悪影響を及ぼすことがないこと等を確認する。)。

  • 生成AIを活用して職務上作成した文書の取扱いについては、「公文書管理法」(平成21年法律第66号)等を踏まえて、適切に管理すること。なお、チャット等の入出力結果についても、組織的に共有を行った場合には行政文書となり得る。

  • 生成AIシステム特有のリスクケースのうち特に重大なものを検知した場合に、迅速にAI統括責任者(CAIO)(xxx@xxx.go.jp)に報告をすること(例:生成AIが人種・性別・文化等に関する偏見や差別を含む社会的に大きな問題となり得る出力を行った。)。

  • AI生成物については著作物性が認められるとは限らないため、著作物として保護が必要な成果物等の作成に生成AIを利用することは慎重に検討すること。

  • AI生成物(やそれを編集・加工したもの)を利用する上では、既存の著作物の著作権を侵害するものでないこと(特に、既存の著作物と類似したものとなっていないこと等)やその他知的財産権等を侵害するものでないかどうかを必ず確認すること。その上で、可能な確認措置(インターネット検索等)を行っていることを適切に説明できるようにしておくことが望ましい。AI生成物(やそれを編集・加工したもの)に知的財産権等に係るリスクがある場合には、利用(インターネットでの配信、複製物の譲渡等)を避ける、権利者から許諾を得る、類似しないように作成し直した上で利用すること(表2参照)。
  1. 問い合わせ先

本ルールに関する問い合わせ先は、〇〇省○○担当(yyy@yy.go.jp)とする。

なお、各種生成AIシステムについては、各種生成AIシステム提供者の窓口担当(※生成AIシステムの利活用に係る個別ルールが設けられている場合には、当該ルールに準拠すること)に問い合わせること。

以上

デジタル社会推進標準ガイドラインDS-920

行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン

2026年(令和8年)6月12日

デジタル社会推進会議幹事会決定

改定履歴

1 はじめに 1

1.1 背景 1

1.2 本ガイドラインの位置付け 2

1.3 用語 2

2 本ガイドラインの目的及び適用対象 5

2.1 本ガイドラインの目的 5

2.2 対象範囲 5

2.2.1 本ガイドラインが対象とする情報システム 5

2.2.2 本ガイドラインが対象とする生成AI 6

2.2.3 本ガイドラインの対象者 7

3 政府における生成AIの利活用方針 9

3.1 政府における生成AIの利活用方針 9

3.2 高リスクな生成AI利活用の考え方 10

4 AIの利活用促進とAIガバナンスの強化及び推進のための体制構築 13

4.1 政府全体のAIの利活用促進とAIガバナンスのための体制構築 13

4.1.1 先進的AI利活用アドバイザリーボードの開催・AI相談窓口の運用等 13

4.1.2 デジタル庁の統括監理におけるチェック 14

4.2 各府省庁におけるAIガバナンス体制の整備 14

4.2.1 各府省庁におけるAI統括責任者(CAIO)の設置 14

4.2.2 先進的AI利活用アドバイザリーボードへの報告 15

5 生成AIによる便益とリスクを理解した利活用推進 17

5.1 生成AIの便益 17

5.2 生成AIによるリスク 17

6 政府における生成AIの調達・利活用に係るルール 19

6.1 政府における生成AIの調達・利活用に係る対応事項の全体像 19

6.1.1 各種法令・ガイドライン等を踏まえた対応事項 19

6.1.2 本ガイドラインに基づく対応事項 23

6.2 政府における生成AIシステムのAI統括責任者(CAIO)の対応事項 25

6.2.1 各府省庁内向けルールの整備 25

6.2.2 各府省庁内におけるAIガバナンスの確保 25

6.3 政府における生成AIシステムの企画者の対応事項 26

6.3.1 生成AIシステムの企画時の対応事項 26

6.3.2 生成AIシステムの調達時の対応事項 28

6.3.3 生成AIシステムの構築・リリース前の準備時の対応事項 30

6.4 政府における生成AIシステムの開発者の対応事項 31

6.5 政府における生成AIシステムの提供者の対応事項 32

6.6 政府における生成AIシステムの利用者の対応事項 34

6.7 生成AIシステム特有のリスクケースへの対応 34

7 今後の進め方 37

附則 38

目次