ITガバナンス
ITガバナンスの全体像
標準ガイドラインにおいて、ITガバナンスとは、政府全体を統括するデジタル庁並びに各府省を統括するデジタル統括責任者及び副デジタル統括責任者を中心とした体制において、サービス・業務改革並びにこれらに伴う政府情報システムの整備及び管理に係る個々のプロジェクトを、全体的かつ適正に管理するための仕組みを組織に組み込み、機能させることによって、政府情報システムに係る課題解決のみならず、各組織の政策目的を実現し、個々のプロジェクトをマネジメントするだけでは出し得ない価値(便益の実現、リスクの適正化、資源の適正化)を生み出していくためのものである。
このため、この編においては、ITガバナンスに係る組織体制、中長期計画、人材確保・育成、予算及び執行、情報システムの管理、システム監査等を規定する。また、ITガバナンスは、ITマネジメントがより適正になされるためのものであることから、図 2‑1のとおり、ITガバナンスとITマネジメントが包括的かつ一体的に行われるように、標準ガイドラインを規定している。
組織体制
サービス・業務改革並びにこれらに伴う政府情報システムの整備及び管理に関する組織体制は、次のとおりとする。
政府全体管理
全体像
各府省のITガバナンスを含めた政府全体のITガバナンス体制は、図2‑2及び図2‑3のとおりであり、組織体制のそれぞれの機関がITガバナンスを機能させるための諸活動を行う。
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図 2‑2 政府全体管理体制
関連機関等
標準ガイドラインに関連する主な機関等の具体的な役割は、次のとおりである。なお、子細については、関連する文書で別途定めている。
デジタル庁
デジタル庁は、政府情報システムの統括及び監理を行うとともに、サービス・業務改革並びにこれらに伴う政府情報システムの整備及び管理について、次の事務を担う。
(1) 社会のニーズを捉え、概念検証(PoC)等を用いて機動的に新たな政府情報システムの企画及び立案を行い、体制を確立すること。
(2) 政府情報システムについて、整備・管理の基本的な方針の策定及び改定に関すること。
(3) 標準ガイドライン群の策定及び改定に関すること。
(4) 各府省の中長期計画の策定又は改定並びにフォローアップの総合調整及び取りまとめに関すること。
(5) デジタル庁システム及びデジタル庁・各府省共同プロジェクト型システムの指定に関すること。
(6) デジタル庁システムの整備及び運用、デジタル庁・各府省共同プロジェクト型システムの整備に関すること。
(7) デジタル人材の確保・育成方針の策定、デジタル庁民間人材の一元的な採用・管理及び業務環境整備に関すること。
(8) 情報システム統一研修に関すること。
(9) 予算の要求に関すること。
(10) 予算の執行に関すること。
(11) デジタル庁によるレビューに関すること。
(12) プロジェクト検証委員会の設置に関すること。
会議体
デジタル社会推進会議
デジタル庁設置法第14条に基づきデジタル庁に置かれるデジタル社会推進会議は、デジタル社会の形成のための施策を推進する。
デジタル社会推進会議幹事会
デジタル社会推進会議の下に、デジタル監及びデジタル社会推進会議の幹事を構成員とする幹事会を置く。デジタル社会推進会議幹事会は、次の事務を担う。
(1) デジタル社会形成基本法に基づく重点計画に記載された具体的施策の検証・評価に関すること。
(2) デジタル化推進のための政府の統一方針に係る調整等に関すること。
(3) 標準ガイドライン及び標準ガイドライン附属文書の策定又は改定の決定に関すること。
デジタル社会構想会議
デジタル庁において、デジタル大臣が指名する有識者によって構成される「デジタル社会推進構想会議」を開催する。デジタル社会構想会議は、次の事務を担う。
(1) デジタル社会形成基本法に基づく重点計画等についての調査審議に関すること。
府省体制
各府省におけるサービス・業務改革並びにこれらに伴う政府情報システムの整備及び管理に関する組織体制については、次のとおりとする。
なお、デジタル庁においても、デジタル庁が所管するシステムについて同様の管理を行うものとする。
府省内全体管理
各府省は、ITガバナンスを機能させるため、サービス・業務改革並びにこれらに伴う政府情報システムの整備及び管理について、次のとおり全体管理を行うものとする。
デジタル庁が政府情報システムの統括及び監理を行う中で、各府省は、PMOがITガバナンスの中核として役割を果たすことができるよう、人事担当部門、会計担当部門、広報担当部門、情報セキュリティ担当部門等官房各機能と連携・協力し、訓令等により府省内手続を明文化するとともに、府省内に周知の上、定着させるものとする。
体制等
各府省に、ITガバナンスを機能させるため、デジタル統括責任者、副デジタル統括責任者及びPMOを置く。
デジタル統括責任者
デジタル統括責任者は、次に掲げる事務を行うものとする。
(1) PMOの事務を統括すること。
(2) 重要な意思決定を行うため、合議制機関を招集し、又は招集を依頼すること。ただし、合議制機関を設けない場合はこの限りでない。
(3) プロジェクトの立ち上げ又は重要な変更に際し、その目的・手段の妥当性及び費用対効果を確認し、その承認を行い、並びに各プロジェクト推進責任者及び当該プロジェクトに関する情報システム責任者を指名すること。費用対効果については、経済性、効率性、有効性等の観点から十分に検討されていることを確認すること。また、政府情報システムを安定的に運用できるように、信頼性、継続性等の観点からも十分に検討されていることを確認すること。
(4) サービス・業務改革並びにこれらに伴う政府情報システムの整備及び管理に関し、府省内及び他府省との高度な調整を行い、又はその調整を支援すること。
(5) 政府情報システムで取り扱うデータに関して、データの標準化、一元化及び品質の維持・向上を推進するため、府省内に対する指示・調整・支援を行うこと。
(6) データマネジメント推進のためにデータガバナンスを強化し、またオープンデータ化等でデータの利活用を推進すること。
副デジタル統括責任者
副デジタル統括責任者は、次の事務を行う。
(1) a) に掲げるデジタル統括責任者の職務を補佐すること。
(2) サービス・業務改革並びにこれらに伴う政府情報システムの整備及び管理に関する重要事項について、企画立案に関する事務及び関係事務を総括整理すること。
(3) デジタル庁併任とし、デジタル庁と自府省のPMOとの密接な連携を図ること。
デジタル統括アドバイザー
各府省は、デジタル統括アドバイザーを設置することができる。デジタル統括アドバイザーは、デジタル統括責任者、副デジタル統括責任者、PMO及びPJMOに対する技術的・専門的観点からの必要な支援・助言等を行い、PMOと協力し、各府省におけるITガバナンスの強化の支援・助言等を行うものとする。
PMO体制
各府省は、PMOの機能に係る事務及びデジタル統括責任者の事務を遂行するための体制を整備するとともに、PMOに「第2編第5章5.スキル認定と人材管理」に掲げるスキル認定を受けた者が配置されるよう、府省内を調整するものとする。
また、各府省は、専門性の高い事業者を調達し、PMO体制に加えることができる。その際、業務範囲、情報管理に関する条件事項等、各府省の実情に応じて、明確にしておくものとする。
PMOの機能
PMOは、PJMOと連携・協力し、各府省の状況を踏まえ、次に掲げる機能を担うものとする。ただし、他府省に機能を一元化し、自府省において当該機能を担わない場合は、この限りではない。この場合において、PMOは、当該機能を担っている他府省のPMOと連携・協力するものとする。
また、PMOは、次に掲げる機能を効率的に行い、作業の不作為や遅延を防止するため、年間活動計画を作成し、府省内に周知するものとする。
計画管理
PMOは、各種計画及び府省内における各プロジェクト計画と整合性をもって、中長期計画を適正に推進するため、次の機能を担う。
(1) プロジェクトの立ち上げ又は重要な変更に際し、その目的・手段の妥当性及び費用対効果を確認し、その承認を行うこと並びにそれらの手順化
(2) 中長期計画に関する企画立案及び総合調整並びにそれらの手順化
(3) 中長期計画の進捗状況の定期的な把握及び進捗状況が順調と認められない場合におけるPJMOに対する必要な支援並びにそれらの手順化
(4) 中長期計画策定後のKPIの把握及び成果が順調と認められない場合のPJMOに対する必要な支援並びにそれらの手順化
プロジェクト推進責任者等
PMOは、府省内の各プロジェクト推進責任者等を管理するため、主に人事担当部門と連携・協力し、各プロジェクト推進責任者及び情報システム責任者名簿の作成及び更新並びにそれらの手順化を推進する機能を担う。
デジタル人材管理
PMOは、府省内におけるデジタル人材の育成と管理について、重点分野に人材が配分され、順調に育成されるよう、主に人事担当部門と連携・協力し、次の機能を担う。
(1) デジタル人材確保・育成計画に係る企画立案及び総合調整並びにそれらの手順化
(2) デジタル関連の機構・定員要求の状況の把握及びその手順化
(3) デジタル関連の実員配置、人材交流の状況の把握及びその手順化
(4) デジタル人材の育成に係る企画立案及びその手順化
(5) デジタル人材のスキル認定及び認定人材の配置状況の把握並びにそれらの手順化
予算管理
PMOは、府省内における政府情報システムに係る予算について、把握・管理するとともに、適正な内容となるよう、主に会計担当部門と連携・協力し、次の機能を担う。
(1) 政府情報システムに係る本予算及び補正予算の内容についてデジタル庁への連携及び調整
(2) 政府情報システムに係る本予算及び補正予算における要求状況の把握、予算額の調整及び内容の適正化
(3) デジタル庁に一括計上された予算について、各府省への予算の移替えに関するデジタル庁との調整
執行管理
PMOは、府省内における政府情報システムに係る予算の執行について、適正な執行内容となるよう、主に会計担当部門と連携・協力し、次の機能を担う。
(1) 政府情報システムに係る整備及び管理に関する事業の実施計画(以下「執行計画」という。)の作成に関する調整
(2) 政府情報システムに係るデジタル庁から配分された予算の執行状況の把握、各執行内容の適正化及びデジタル庁への報告・調整
(3) 工程レビューの対象プロジェクトの指定、工程レビューの管理及び実施並びにそれらの手順化
(4) 政府情報システムに係る運用・保守の実績状況を把握し、実績状況が適正と認められない場合におけるPJMOに対する必要な支援及びその手順化
データマネジメントの推進
PMOは、府省内において、データガバナンスを強化し、データ品質の維持・向上とデータ利活用を推進するために、関係各部局と連携・協力し、次の機能を担う。
(1) データマネジメント状況の把握とPJMOに対する支援・指導
(2) データ流通を促すオープンデータの取組推進
情報資産管理
PMOは、府省内において、政府情報システムに係る情報資産の状態及び所在を明らかにし、迅速な課題対応等が可能となるよう、主に会計担当部門及び情報セキュリティ担当部門と連携・協力し、次の機能を担う。
(1) 政府情報システムにおける基本情報、情報システム責任者等、システム構成(ハードウェア、ソフトウェア、クラウドサービス、ネットワーク、データセンター)、取扱情報等の情報資産の定期的な棚卸し等の管理及びその手順化
(2) 情報資産の再利用に関する総合調整及びその手順化
PJMO支援
PMOは、PJMOが行うサービス・業務改革並びにこれらに伴う政府情報システムの整備及び管理に関して、デジタル庁システムが保有する共通機能との連携・活用、データマネジメント及びオープンデータの取組を推進するとともに、プロジェクトのリスクの適正化を図り、成功に導くため、PJMOに対する必要な支援及びその手順化に関する機能を担う。
ドメイン管理
PMOは、府省内で保有するWebサイト等のドメインに関し、ドメイン保有状況の把握、ドメイン移行等の推進ができるよう、主に広報担当部門及び会計担当部門と連携・協力し、ドメイン管理簿の整備及びその手順化に関する機能を担う。
システム監査管理
PMOは、府省内における政府情報システムに係るシステム監査を効率的に実施するために主に会計担当部門及び情報セキュリティ担当部門と連携・調整し、システム監査計画に係る企画立案及びその手順化に関する機能を担う。
政府情報システムに係る文書管理
PMOは、府省内におけるITガバナンス及びITマネジメントに係る文書の作成、更新、周知、定着等を行う機能を担う。
デジタル人材の業務環境整備
PMOは、デジタル人材が、その能力を最大限発揮できるよう適切に役割分担を定め、担当するプロジェクト等が目指す成果について認識共有を図るものとする。また、PMOは、把握した情報を広くデジタル人材に共有するとともに、高度デジタル人材がデジタル統括責任者、副デジタル統括責任者、業務部門の責任者、制度所管部門の責任者等と直接議論できる場を設ける、専門的・技術的な知識を要する内容についても適切に相互理解が図れるよう高度デジタル人材とPJMOの橋渡しを行うなど、デジタル人材の業務環境を整備する機能を担う。
連絡調整窓口
PMOは、サービス・業務改革並びにこれらに伴う政府情報システムの整備及び管理に関し、デジタル庁との連絡調整に関する窓口機能を担う。
非常時対応
PMOは、感染症の拡大、大規模災害の発生等の非常時に対応するためのシステム開発・改修について、予算管理や執行管理等を適切に支援する機能を担う。
合議制機関
各府省は、政府の全体方針に沿って、府省内におけるデジタル・ガバメントを推進し、かつ、府省内の基本的な方針又は計画の策定等、組織としての意思決定を行い、及びこれらの状況を把握し、評価するため、適宜合議制機関を開催し、又はデジタル統括責任者若しくはより上位の者がこれらの行為を行うものとする。
プロジェクト管理
プロジェクトには、対象となるプロジェクトを統括し、推進するため、PJMOを組成するものとする(「第3編第2章1.3) 体制準備」参照)。PJMOは、次の者から構成されるものとする。
プロジェクト推進責任者
PJMOに、プロジェクト推進責任者を置くものとし、サービス・業務改革並びにこれらに伴う政府情報システムの整備及び管理に関する事項についての企画立案に関する事務を総括するものとする。プロジェクト推進責任者は、デジタル統括責任者が指名するものとする。
プロジェクト推進管理者
PJMOに、プロジェクトの管理等の観点から、プロジェクト推進責任者を補佐するため、プロジェクト推進管理者を置くものとする。プロジェクト推進管理者は、プロジェクト推進責任者が指名するものとする。
PJMO体制
PJMO体制は、プロジェクトの成否に影響を与える重要なものであることから、図 2‑3のように、プロジェクト推進責任者、プロジェクト推進管理者のみならず、制度所管部門、業務実施部門及び情報システム部門の管理者・担当職員等、構成される者を明らかにするものとする。その際、プロジェクトを通して把握した問題点等に基づいて制度及び業務の見直しを行うなど、プロジェクトを成功させる上で制度所管部門及び業務実施部門がプロジェクトに主体的に参画することが不可欠であるため、情報システム部門のみによるPJMOの組成は行わないものとする。ただし、情報システム部門が制度所管部門及び業務実施部門の役割を全て兼ねているときはこの限りではない。また、利用者視点でのサービス・業務改革を実現するためには関連する組織間の役割分担を見直すことも必要であり、プロジェクトを推進するにあたってこのような見直しを行える実効的な体制を確立するものとする。
なお、PJMOは、特にPJMOに含める構成員が設計・開発、運用・保守などの実質的作業を伴う業務について外部の事業者だけによらずに主体的に行う場合(以下「職員主体開発」という。)、「第2編 第5章 人材の確保・育成」の各事項(ただし、「3.情報システム統一研修等」を除く。)を踏まえ、PMO及び必要に応じ人事担当部門と連携・協力し、主体的に行う業務を十分に遂行するのに必要なデジタル関連の実員配置の計画(以下「要員計画」という。)を策定し、人的資源の適正化を行うことにより実効的な体制を確立するものとする。職員主体開発を選択した場合は、その内容及び範囲に応じて、本ガイドラインにおいて事業者が行うことと記載した部分を、PJMOが行うことと読み替えるものとする。
情報システム部門
政府情報システムを適正に管理するため、情報システム部門に、次に掲げる者を置くものとする。
情報システム責任者
情報システム部門の責任者として、情報システム責任者を置く。情報システム責任者は、命を受け、プロジェクトにおける情報化に関する事務を担うものとする。情報システム責任者は、デジタル統括責任者が指名するものとし、プロジェクト推進責任者及び情報システムセキュリティ責任者が兼務することができるものとする。
情報システム管理者
情報システム責任者を補佐するものとして、情報システム管理者を置く。情報システム管理者は、情報システム責任者が指名するものとし、プロジェクト推進管理者及び情報システムセキュリティ管理者が兼務することができるものとする。
組織の在り方
各府省は、PMOを中心に、各府省の組織使命、体制、予算、人材及び文化が多様であることを踏まえつつ、ITガバナンスを強化し、機能させる観点から、組織の在り方を恒常的に改善するものとする。
その改善に当たっては、府省が所管する政府情報システムの数、規模等に基づき、どの組織が、どの範囲で、どの程度、政府情報システムを整備又は管理するのかについて、それぞれの実情等を踏まえ、権限の分散と集中化及び意思決定、連絡調整等組織の連携系統の検討等について創意工夫し、効率的な組織を目指すものとする。
なお、各情報システム部門を整理・統合した組織が一括して一元的に管理すること、又は各種分野に係る取組について、他府省と合同で行うことを妨げるものではない。
中長期計画
各府省は、次のとおり、デジタル社会の形成に向けた個別の情報システムに係る業務改革(BPR)・経費削減等の方針や投資等の取組を具体化した5か年を基本とする中長期計画の策定等を行うものとする。
中長期計画の策定
中長期計画の案の作成
PMOは、デジタル庁が示す中長期計画の策定要領を踏まえ、デジタル統括責任者及び副デジタル統括責任者の指導の下、各プロジェクトの目標・手段の妥当性及び費用対効果を吟味するとともに、地方公共団体、独立行政法人又は民間法人等との円滑な連携を意識しつつ、中長期計画の案を作成するものとする。
中長期計画の調整
デジタル庁は、各府省から提出された中長期計画の案について、「情報システムの整備及び管理の基本的な方針」(令和3年12月24日デジタル大臣決定)等を具体化するものとなっているかという観点から各府省と必要な調整を行う。
中長期計画の決定
各府省は、2)の調整を経た中長期計画の案を、合議制機関等に諮った上で、府省内にて決定するものとする。
中長期計画に係る施策の実施
PMOは、中長期計画に係る施策の実施に当たって、その実施状況を常時把握するとともに、PJMOに対する支援等必要な措置を講ずるものとする。
中長期計画のフォローアップ
PMOは、随時、中長期計画に係る施策の実施状況について、中長期計画に定めた方法により把握と評価を行うものとする。
また、デジタル庁は、上記把握と評価の結果について適宜報告を求める。
中長期計画の改定
各府省は、中長期計画のフォローアップ、デジタル庁の助言・指導等、新たな課題の発生その他の要因を踏まえ、適宜中長期計画の見直し・拡充を行う。その際の手順については、原則として、「1.中長期計画の策定」の手順と同様の取扱いとする。
政府情報システムの分類
政府情報システムの分類については、「情報システムの整備及び管理の基本的な方針」による。
人材の確保・育成
政府情報システムを整備するプロジェクトを適切に遂行し、かつ、運用管理ができる政府デジタル人材及び高度デジタル人材は高度かつ専門的な技能と経験を有すべきである。また、当該政府情報システムを効果的に活用して政策目的を達成するためには、広く職員のITリテラシーの向上が不可欠である。この認識の下、各府省は、主体的にプロジェクトを推進し、また、政府情報システムを効果的に活用することができるよう、政府デジタル人材及び高度デジタル人材の確保・育成及び一般職員に対する研修等に努めるものとする。
なお、PJMOは、特にPJMOが職員主体開発を行う場合、構成員が行う業務内容に応じた政府デジタル人材及び高度デジタル人材の確保・育成を計画的に行うものとする。
デジタル人材の確保・育成の留意事項
各府省は、デジタル人材の確保・育成等を行う場合には次の(1)から(5)までに掲げる点に留意するものとする。
- 政府デジタル人材及び高度デジタル人材の育成は、短期的かつ散発的な対策では解決困難である。このため、例えば、プロジェクトの核となる職員が、それらのライフサイクルの適切な節目までそのポストに留まるよう、人事ローテーションの工夫を検討する等、中長期的な視点に立って、計画的に政府デジタル人材及び高度デジタル人材の確保・育成を推進すること。
(2) 政府情報システムを整備し、運用するに当たって、政府デジタル人材及び高度デジタル人材の育成は、単に政府情報システムに関する専門的・技術的な知識・能力だけでなく、業務分析、サービス・業務改革の企画立案、プロジェクト管理、調達事務等の能力の取得が重要であること。
(3) 全ての分野において十分な技能や経験を持つ人材を確保・育成することは、現実的に極めて困難であることから、各人が不足する技能や経験をそれぞれで補い合いながら、個別の職務に当たらせるような工夫が必要であること。
(4) 国際的な要請に対応する分野(例えば、条約の遵守やISO規格への準拠、国家間の相互運用)、国際的な情報共有や情報セキュリティ等の連携による対応の重要性が増している分野については、国際的な対応が可能な人材の確保・育成も視野に入れること。
(5) サービス・業務の実施には、行政のデジタル化の推進とともに様々な業務において、情報システムを活用してのデータ収集等のライフサイクル管理、データ分析等の活用ができることが不可欠であることや、情報セキュリティについて様々な問題が生じている現状からすれば、政府デジタル人材及び高度デジタル人材に限らず、一般職員においても業務で取り扱う情報資産を理解した上で情報システムを安全かつ効果的に利用して業務の効率化を図るためにITリテラシーの向上にも努めることが重要であること。
各府省デジタル人材確保・育成計画の実行
各府省は、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」及び「情報システムの整備及び管理の基本的な方針」に基づき策定した「デジタル人材確保・育成計画」により、人材を確保・育成するものとする。
情報システム統一研修等
デジタル庁は、政府の全体方針・計画等を広く普及させるとともに、政府における政府デジタル人材及び高度デジタル人材の集合的かつ効率的な育成及び一般職員のITリテラシーの向上に資するため、情報システム統一研修の実施及び研修施設等の提供を行うものとする。
情報システム統一研修
研修実施計画の策定
デジタル庁は、政府デジタル人材及び高度デジタル人材の各府省における計画的な育成及び一般職員のITリテラシーの向上のため、毎年度、研修実施計画を策定するものとする。
なお、この策定に当たっては、政府の全体方針、各府省のニーズ、受講者のアンケート結果等を踏まえるものとする。
研修実施計画の提示
デジタル庁は、各府省の職員が積極的に研修に参加できるよう、次の(1)から(3)までに掲げる事項を含む研修実施計画を、前年度末までに、各府省へ提示するものとする。
(1) 研修プログラム、概要及び修了要件
(2) 募集対象者及び定員
(3) 実施日程及び時間
研修の実施・評価
デジタル庁は、研修実施計画に基づき研修を実施するとともに、受講状況を勘案し、適宜、追加募集を行うものとする。
また、デジタル庁は、情報システム統一研修における参加者からの評価や要求事項、活用状況のみならず、求められる人材像の変化、技術動向等を踏まえ、研修の実施内容を評価し、翌年度の研修に反映するものとする。
研修への施設の貸出し
デジタル庁は、情報システム統一研修の一環として、多数の職員が利用する特定の政府情報システムの利用者に対する教育を目的として、研修施設の利用に関する要領を作成するとともに、各府省に対し、当該施設の空き状況に応じて貸出しを行うものとする。
各府省における研修等の受講の推進
各府省は、業務の実施にITリテラシーが必要不可欠であることを踏まえ、全職員に対して、情報システムに関する研修等の受講を促進し、さらに、職員が自ら進んで自己研さんできる環境の整備に努めるものとする。
特に、政府情報システムの要件定義、設計・開発、運用、保守に携わる職員についてこれらの一連の流れに関する経験が浅い場合には、当該職員に対して、情報システム統一研修への積極的な参加を促すとともに、情報システム関係の技能取得等のための様々な機会を提供するものとする。
スキル認定と人材管理
各府省は、政府デジタル人材及び高度デジタル人材を適正に管理しつつ、その能力の把握に努め、「政府デジタル人材のスキル認定の基本的な考え方」及び「政府デジタル人材のスキル認定の基準」に基づき、自府省における政府デジタル人材に係るスキル認定を行うものとする。
人事・人材交流
各府省は、政府デジタル人材及び高度デジタル人材を育成するため、効果的かつ総合的にデジタルの知識と経験が取得できるよう、特にデジタル分野に適性のある職員を中核に、情報システム部門と業務実施部門との間、基盤系の政府情報システムの部門と業務系の政府情報システムの部門との間、官民間、各府省とデジタル庁との間等において、積極的かつ計画的に人事及び人材交流を推進するものとする。
内部人材の活用
各府省は、あるPJMOにおける職員の育成状況やプロジェクトの性格等を踏まえると、当該PJMOに属する職員のみではプロジェクトの遂行能力が不足していると認められる場合には、当該PJMOに対し、PMO及び必要に応じ人事担当部門が連携・協力し、サービス・業務改革並びに政府情報システムの整備又は管理に関する経験が豊富な職員が多く在籍する他のPJMO等から必要な指導及び援助がなされるよう努めるものとする。
外部人材の登用
各府省は、内部職員の育成状況及びプロジェクトの特性等を踏まえ、必要に応じて、高度デジタル人材を登用し、当該プロジェクトに参画させるよう努めるものとする。
予算及び執行
予算ガバナンスの基礎
PMOが担う情報システム予算に対するガバナンスにおいて、必要な要素は以下のとおり。
各システムの機能、各システムに紐付く業務の把握
情報システムが対象としている業務内容とそのシステム化対象範囲を正確に把握しておくこと。
業務によっては、法令等に基づき期限を定められているものがあるため、いつまでに整備をしなければいけないのか、スケジュールを把握すること。
システムのコストの正確な把握
PMOは、毎年度の各システムの整備経費、運用等経費の予算額、執行実績額を調達単位ごとに把握すること。
直近年度だけでなく、過去の執行実績や将来の投資予定額についても把握しておくこと。
予算・会計制度に基づく効率的なシステム投資の検討・運営
配分された予算の調整はPMOの役割であるため、予算と執行金額の差額を正しく把握するとともに、国の予算・会計制度(繰越し・国庫債務負担行為等)で活用できるものがあるか検討すること。
安定的な予算確保等の観点から、システム整備やシステム更改が過度に一時期に集中しないように、スケジュールを調整すること。
国庫債務負担行為を活用する場合には、むやみに後年度に歳出化額の先送りをすることのないようにすること。
運用等経費についても、ハードウェアのリース期間やソフトウェアのサポート期間の終了といった要因による増減時期を把握しておくこと。
予算要求日程、予算編成日程を念頭に置き、必要な資料の作成、見積りの取得・精査等の作業について、PJMO等と連携し進めておくこと。
最新のアーキテクチャの動向に関する情報の入手・活用
デジタル分野は常に新たな発想に基づく技術や仕組みが生み出されている分野であるため、常に最新の情報を把握するとともに、デジタル庁から提供される情報も含め、予算や調達への活用に努めること。
各システムの問題点、改善ポイントの整理
運用期間中に発生した問題点や、そのシステムが元々内包している課題など、改善すべきポイントを把握しておくこと。
情報システム経費の要求案作成前作業
PMOは、デジタル庁と次年度予算の概算要求額について調整する前に、以下の作業を行う。
当然増減額の整理
以下の経費(当然増減等)について、調整前に把握する。
(1) 平年度化増:年度途中に運用開始した場合や組織を新設した場合など、12か月分の予算を計上していない場合、次年度予算では12か月分に増額させる必要がある。調達前であれば、前年度予算を12か月分に増額したものが予算の上限値となるので、調達完了により金額が確定した時点で概算要求(予定)額に反映させる。
(2) 国庫債務負担行為の歳出化額:契約済みの既往年度国庫債務負担行為に係る歳出化額を整理する。当年度の新規国庫債務負担行為に係るもので、予算執行前であれば、当年度予算で設定された次年度分の年割額を整理する。
(3) システムの廃止:システムの廃止が決まっている場合、廃止時期に合わせて減額の整理をする。
特殊要因になると思われるものの整理
法律の施行等、他動的な要因で多額の所要経費の増加が見込まれる義務的性格の強い経費であって、特定の年度においてその実施経費が一時的に増加し、所要の期間経過後は当然減になるもの等が見込まれる場合は、該当する可能性のあるシステム(過去から特殊要因として認められているものが中心)に関する情報をあらかじめ収集し、早期に経費の見積りを取得させるなど、PJMOに対して調整を行う。
その他増額が見込まれるものの整理
毎年度のシステム投資額を可能な限り平準化する観点から、システム新規整備経費や更改経費など増額が見込まれる経費は、概算要求(予定)額に反映できるよう早期にその金額を把握し、精査する。
また、整備の優先順位について検討を行う。
他システムへの影響調査
データ連携など、システム整備に当たっては他システムの整備・改修状況との整合を取る必要があるため、PJMOからの状況の聴取だけでなく、自らの担当するシステムについては、PMO内での調整を図ること。また、他府省のシステムとの連携の必要がある場合には、デジタル庁及び他府省のPMOとの間で情報を共有し、調整を図る。
一括計上対象情報システム経費の概算要求作業(デジタル庁との概算要求額の調整)
PMOはデジタル庁からの指示・連絡に基づき、一括計上対象情報システム経費の次年度予算額に係る概算要求額(調整前)についてデジタル庁に登録する。
デジタル庁は、一括計上対象情報システム経費の予算全体額について、後年度負担額を含め、各府省における優先順位やレビュー結果、政府全体の方針等を踏まえ、概算要求基準に基づき調整し、概算要求額を決定する。
一括計上対象の情報システム予算に係る概算要求作業についてはデジタル庁が行い、PMOはデジタル庁からの指示・連絡に基づき、PJMO等と連携して資料作成等の作業を行う。
一括計上以外の情報システム予算に係る概算要求作業については、各府省が行う。PMOは、概算要求額についてデジタル庁に報告する。
予算編成過程
PMOは、システムの分類に応じて、PJMO等と連携して財政当局へ説明・調整を行う。
PMOは、デジタル庁からの指示・連絡に基づき、担当するシステムの概算決定額等についてデジタル庁へ報告する。
予算執行
デジタル庁から各府省に対する予算の移替えなど、一括計上対象システムの予算執行に関する手続については、以下のとおりとする。
執行計画案の作成及び府省内での調整
PMOは、デジタル庁の指示・連絡に基づきPJMOより提出された執行計画案を取りまとめる。
PMOは、執行計画案の内容を精査し、調整を行った上でデジタル庁に提出する。
執行計画の調整及び策定
デジタル庁は、PMOから提出された執行計画案について、調整を行い、執行計画を決定し、予算執行時期を踏まえ、適切な時期に予算の配分を行う。
PMOは、予算の配分に関し、デジタル庁と所要の調整を行う。
執行計画の変更
PMOは、配分を受けた予算について、執行計画外の事業へ充当してはならない。PMOは、執行計画の変更を行う場合には、デジタル庁に協議する。
PMOは、配分を受けた予算についてPJMOから報告される執行実績を把握し、デジタル庁へ報告を行う。
デジタル庁は、PMOからの執行計画の変更の協議、執行実績の報告を踏まえ、執行計画の変更を行い、予算の再配分を行う。
繰越し
各府省に配分した後の予算について繰越しを行う場合には、各府省にて繰越しの手続を行う。繰越しの手続を行った後、繰り越した金額についてデジタル庁に報告する。
決算額の報告
各府省に配分した予算については、各府省にて決算を行う。PMOは、各年度の出納整理期間終了後に各システムの決算額を各府省会計担当部門と調整の上で取りまとめ、デジタル庁に報告する。なお、一括計上対象外のシステムについても決算額を報告する。
PMOによる調達内容の適正化
PMOは、政府情報システムに係る調達内容を確認し、適正な予算執行となるよう、会計担当部門と連携・協力し、府省内における政府情報システムに係る調達適正化手順を定めるとともに、当該手順に基づき、調達内容を適正化するものとする。
また、PMOは、社会的重要度の高いプロジェクト、過去にシステム障害が多発したプロジェクト等、PMOが指定したプロジェクトについて、PJMOに対し、「第3編第2章4.2) プロジェクトの工程レビュー」に基づき、第一次工程レビューを実施し、指摘、助言又は指導を行うものとする。
PMOは、情報システム部門から、政府情報システムの運用及び保守の稼働 実績を把握するよう、手順を定めるものとする。当該手順に基づき把握した稼働実績に対し、運用又は保守経費が過大な支出となっているおそれがある場合には、当該状況を是正するため、情報システム部門を指導等するものとする。
デジタル庁設置法第4条第2項第18号の適用除外
デジタル庁設置法第4条第2項第18号において次のように記載されている。
十八 国の行政機関が行う情報システム(国の安全等に関するものその他の政令で定めるものを除く。以下この号において同じ。)の整備及び管理に関する事業を、次に定めるところにより、実施すること。
イ 国の行政機関が行う情報システムの整備及び管理に関する事業に必要な予算を、第15号の方針及び情報システム整備計画に基づき、一括して要求し、確保すること。
ロ 国の行政機関が行う情報システムの整備及び管理に関する事業の実施に関する計画を定めること。
ハ 国の行政機関が行う情報システムの整備及び管理に関する事業について、第15号の方針及び情報システム整備計画に基づき当該事業の全部若しくは一部を自ら執行し、又は関係行政機関に、予算を配分するとともに、同号の方針及び情報システム整備計画並びにロの計画その他必要な事項を通知することにより、当該通知の内容に基づき当該事業の全部若しくは一部を当該事業に係る支出負担行為の実施計画に関する書類の作製を含め執行させること。
また、「デジタル庁設置法第四条第二項第十八号の情報システムを定める政令」(令和3年政令第194号)において次のように記載されている。
デジタル庁設置法第四条第二項第十八号の政令で定める情報システムは、次に掲げるものとする。
一 次に掲げる事務又は業務の用に供する情報システムであって、当該事務又は業務の性質上、デジタル庁が当該情報システムの整備及び管理に関する事業を実施することにより当該事務又は業務の適正な遂行に著しい支障を及ぼすおそれがあるものとして内閣総理大臣が関係行政機関の長と協議して定めるもの
イ 国の安全の確保に関する事務又は業務
ロ 外国政府との交渉及び協力並びに国際連合その他の国際機関及び国際会議その他国際協調の枠組み(以下この号において「国際機関等」という。)への参加並びに国際機関等との協力に関する事務又は業務
ハ 公共の安全と秩序の維持に関する事務又は業務
二 イからハまでに掲げる事務又は業務に準ずる事務又は業務
二 会計検査院の検査の用に供する情報システムであって、デジタル庁が当該情報システムの整備及び管理に関する事業を実施することにより当該検査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものとして内閣総理大臣が会計検査院長と協議して定めるもの
三 国の行政機関の行う情報システムの整備及び管理に関する事業に必要な費用の全部に特定の税その他の収入の額(これに相当する額を含む。)が充てられる場合における当該情報システム
各府省は、所管の情報システムについて、政令に沿ってデジタル庁設置法第4条第2項第18号に記載する事務の除外を申し出る場合には、以下の手続を行うこととする。
(1) 政令に定める内容に該当すると判断した情報システムについて、その理由とともにデジタル庁に申し出る。
(2) デジタル庁は、上記申出も踏まえ、政令に定める内容に該当すると認める情報システムについて、デジタル庁の主任の大臣たる内閣総理大臣名の公文で当該情報システムを所管する関係行政機関の長へ協議する。
(3) 各府省は、上記協議に対し「異存がない」旨を関係行政機関の長名の公文で回答する。これをもって当該情報システムは政令に定める情報システムとして指定される。
(4) 政令に定める情報システムとして指定された情報システムが、事情変更等により政令に定める内容に該当しなくなったならば、上記手続に準じ、内閣総理大臣が関係行政機関の長と協議して、政令に定める情報システムの指定を解除する手続を取らねばならない。
情報システムの管理
各府省は、その整備又は管理を行う政府情報システムについて、その状況を適時に把握し、政策立案等にその情報を活用するとともに、より適切な管理等を実施するため、次のとおり取り組むものとする。
情報システムID
各府省の政府情報システム及び別紙2に定めるその他経費について、デジタル庁が別途定める手続に基づき、デジタル庁が情報システムIDを付番する。
情報システム台帳の整備
PMOは、適切に情報資産管理を行うため、別紙3「調達仕様書に盛り込むべき情報資産管理標準シートの提出等に関する作業内容」を参照し、政府情報システムに関する基本情報、担当組織、システム構成、取扱い情報等を掲載する情報システム台帳を整備し、適切に維持・管理する。
システム監査の計画・管理
各府省は、プロジェクトの目標を達成するため、その整備又は管理を行う政府情報システムに存するリスクとその対応状況を客観的に評価し、問題点の指摘及び改善案の提示を行うシステム監査を実施するものとする。
システム監査計画の策定
各府省は、計画的にシステム監査を行うため、システム監査計画書を作成するものとする。なお、自府省の情報セキュリティポリシーに基づき実施される情報セキュリティ監査の計画との間で必要な調整を行い、効果的かつ効率的なシステム監査となるよう計画を策定するものとする。
システム監査計画の案の作成
PMOは、次の(1)から(6)までに掲げる事項について3か年分の計画を記載したシステム監査計画書の案を作成するものとする。
(1) 監査対象
(2) 監査範囲
(3) 監査目的
(4) 評価内容
(5) 重点監査事項
(6) 実施時期
システム監査計画の確定
PMOは、システム監査計画書の案について、合議制機関等に諮った上で、これを確定するものとする。
システム監査実施状況の確認
PMOは、システム監査計画書に基づき、「第3編第10章 システム監査」に従って、監査体制を構築してシステム監査を実施し、実施状況を適宜確認するものとする。
システム監査結果の報告
監査責任者は、監査結果を合議制機関等に報告するものとする。なお、PMOが報告することを妨げるものではない。
システム監査計画の見直し
PMOは、毎年度、監査対象の追加等のシステム監査計画書の見直し(次の3か年分の計画の作成)を行うものとする。なお、その確定は、「1.2)システム監査計画の確定」の手続と同様の取扱いとする。
プロジェクトの検証
各府省は、プロジェクトの推進において、深刻な問題があると認められた場合には、その立て直し、又は再発を防止する。そのためのプロジェクトの検証はデジタル庁が行うものとする。
深刻な問題があるプロジェクトの基準
デジタル庁は、次の区分に該当すると認められるプロジェクトであって、根本的な対策を迅速に行うことが困難であると認められる場合には、プロジェクト検証委員会を設置し、その検証を行うか否かを判断するものとする。
(1) 中長期計画のフォローアップ、デジタル庁によるレビュー、工程レビュー又はシステム監査等において、このままの進め方ではプロジェクトの目標が全く達成できないと判断されたもの
(2) 政府情報システムの運用又は業務運営の開始後、政府情報システム又はサービス・業務に重大な問題が発生し、このままではプロジェクトの目標が全く達成できないものと判断されたもの
プロジェクト検証委員会の設置
デジタル庁は、プロジェクト検証委員会の設置相当と判断された場合には、プロジェクト検証委員会を設置するものとする。
プロジェクト検証委員会には、情報システムの整備及び管理に関する実務経験、又は紛争解決に関する知見を有した有識者から構成されるものとする。その他子細については、デジタル庁が定めるものとする。
検証結果の公表
プロジェクト検証委員会は、情報セキュリティに影響が及ぶ機微な情報を除き、検証結果をデジタル庁のWebサイトに公表するものとする。
検証結果への対応
PMO又はPJMOは、検証結果を踏まえ、必要な対応を措置するものとする。また、デジタル庁は、当該プロジェクトが深刻な問題に至った原因を繰り返さないよう、標準ガイドライン群に当該実例を組み入れるものとする。
