第3章 機能・帳票要件

本章の構成は、以下のとおりである。

表3-1 機能・帳票要件の構成

1.機能・帳票要件

機能・帳票要件は以下の通り、別紙に示す。

生活保護の機能・帳票要件別紙2-Aのとおり
レセプト管理の機能・帳票要件別紙2-Bのとおり

各事務の機能・帳票要件における考え方や留意事項は以下のとおりである。

  1. 管理項目について

  2. 「~等」の表記について

  3. 一覧管理機能について

  4. EUC機能の要件について

  5. 基幹系他システム連携機能について

  6. 外部帳票と内部帳票について

  7. エラー・アラートのチェック条件について

  8. 操作権限管理について

  9. アクセスログ管理について

(10)一括処理時の自動化について

  1. 管理項目について

該当する機能で管理すべき項目として「管理項目」をまとめている。「管理」とはデータの設定・保持・修正ができることをいい、参照又は表示のみを目的とした項目は管理項目として定めないこととしている。そのため、参照・表示のみを目的とした項目については、参照要件又は表示要件として記載している。

図3-1 管理項目の該当例と非該当例

なお、障害者福祉等の他システムからの連携で取得した情報のうち、生活保護システム側で保持・修正を行う場合は管理項目と定めている。

例)他法活用点検に必要な他法情報を他システムから取得するが、取得した情報を生活保護システム内で保持して適宜修正等を行うこともあるため、他法情報管理・確認結果の登録の管理項目となる。

  1. 「~等」の表記について

機能・帳票要件の記載で「~等」と表現しているものがある。「~等」は性質別に考え方を次のとおり整理している。

表3-2 「~等」の表記と考え方

  1. 一覧管理機能について

機能・帳票要件における一覧管理機能について、機能の考え方及び記載方針を次のとおり整理している。

表3-3 一覧管理機能の考え方と記載方針

ただし、事務運用上、明記をしないと支障が出ると認められるものは明記する。

また、上記3つの観点を踏まえて、「(4)EUC機能の要件について」で、一覧管理機能とEUC機能の関連性を整理している。

  1. EUC機能の要件について

一覧管理機能とEUC機能は一部機能が重複する部分があるが、運用上最低限必要となる業務固有の一覧確認要件は「○○について一覧で確認できること」と明記した上で一覧管理機能での対応とすることとし、その他の要件については、EUC機能での対応という形で整理している。なお、業務固有の一覧確認要件については、一覧画面での表示、一覧帳票の出力、EUC機能実装等、実装方法は問わない。

図3-2 機能・帳票要件におけるEUC機能の記載例

  1. 基幹系他システム連携機能について

基幹系業務との他システム連携機能において、生活保護用宛名情報/他法活用に係る障害者情報等の情報については、生活保護システム内での保持・不保持のいずれであっても機能上の影響はないと考えられるため、いずれの方式(主に下図パターン)での実装も可能として定義している。

図3-3 基幹系他システムとの連携イメージ

  1. 外部帳票と内部帳票について

帳票要件として定義する帳票は外部帳票を基本とする。担当主管課内の決裁用等の内部帳票は機能要件におけるEUC機能等を活用することとする。なお、外部帳票と内部帳票の定義は次のとおりである。

表3-4 外部帳票と内部帳票の考え方

  1. エラー・アラートのチェック条件について

機能・帳票要件に定める各機能において、不正な状態で情報が管理されると事務運用に影響が発生するため、適宜データの矛盾をチェックする必要がある。主な矛盾の分類としては次のとおりである。

表3-5 矛盾の分類

これらの矛盾に対して、エラー又はアラートのチェックを行い、不正なデータの登録を抑止することや操作者(入力者)への注意喚起を行う必要がある。エラー・アラートのチェック観点は、次のとおりである。

表3-6 エラー・アラートのチェック観点

本仕様書におけるエラー・アラートのチェック条件において主に留意すべき事項は、次のとおりである。

  1. エラー・アラートは機能・帳票要件に定める。

  2. エラーチェックは「不正データを作成しない」という観点からデータ入力時にチェックすることを基本とするが、必要な情報を用いて帳票やデータ等を出力するまでに整備されれば影響がないケースも考えられるため、必ずしも入力時にチェックすることを求めるものではないこととする。

  3. エラーチェックの内容は必ずしもメッセージによる表示に限定するものではなく、データの入力内容が一定条件を満たすまでデータ保存を不可にする、といった方法等でも問題ないこととする。

  4. 文字列/数値といったデータの属性やデータの項目長に対するチェックは、データ要件で定められるデータ形式に準拠することとし、矛盾するものはエラーチェックとする。

  5. 検索条件未入力のチェックや入出力ファイルの格納先(フォルダ)パスの存在確認チェック等は、画面要件に含まれるものであるため、本仕様書におけるエラー・アラートの要件としては定めないこととする。

  6. 制度改正等により、従前までエラー・アラートとしていたチェックが不要となる場合や地方自治体の運用により必要とするチェックの設定が異なる等も想定されることから、エラー・アラートの設定は切り替え可能(エラー・アラートを表示しない設定も含む)とするべきかを考慮して実装する必要がある。

  7. エラーについては、システム内部管理項目や帳票への印字項目・集計項目などのアウトプットとして必要となる項目を除き、エラーの設定は切り替え可能(エラーを表示しない設定も含む)とすることを考慮する必要がある。

  1. 操作権限管理について

操作権限管理は地方自治体で利用する事務処理システムとして共通した要件とすることが基本であることから、住民記録システム標準仕様書の「10.3 操作権限管理」に準拠することを基本とする。加えて、住民記録システム標準仕様書において住民記録システム固有の機能や表現が記載されている部分については、生活保護システムに固有の要件として置き換える必要がある。これらの考え方を踏まえて、以下のとおり定める。

表3-7 操作権限管理(実装必須機能)

表3-8 操作権限管理(標準オプション機能)

標準オプション機能住民記録システム標準仕様書での記載有無
管理が本庁と他に分かれる場合は、本庁部署・利用者と他部署・利用者で更新・参照の権限を設定できること。(例:政令指定都市における本庁と区役所、複数福祉事務所のある自治体の本庁と福祉事務所等。)なし
本庁以外の部署・利用者のアクセス権限については、自治体の執行体制に応じて、住民がどこでも手続きが行えるように管理場所(所管)以外でも更新できるようにするほか、管理場所(所管)は更新できるが他部署(他の管轄や区役所、福祉事務所等)は参照のみ・更新不可に設定できるようにもすること。政令指定都市における区役所の配下にある支所・出張所等も同様に権限設定が選択できるようにすること。なし
認証に当たっては、シングル・サイン・オンが使用できること。あり
  1. アクセスログ管理について

アクセスログ管理は地方自治体で利用する事務処理システムとして共通した要件とすることが基本であることから、住民記録システム標準仕様書の「10.2 アクセスログ管理」に準拠することを基本とする。加えて、住民記録システム標準仕様書において住民記録システム固有の機能や表現が記載されている部分については、生活保護システムに固有の要件として置き換える必要がある。これらの考え方を踏まえて、以下のとおり定める。

表3-9 アクセスログ管理(実装必須機能)

表3-10 アクセスログ管理(標準オプション機能)

(10)一括処理時の自動化について

一括処理の実行方法は、手動による実行の他に設定による自動実行があるが、地方自治体で利用する事務処理システムとして共通した要件とすることが基本であることから、住民記録システム標準仕様書の「9.1 バッチ処理」に準拠することを基本とする。加えて、住民記録システム標準仕様書において住民記録システム固有の機能や表現が記載されている部分については、生活保護システムに固有の要件として置き換える必要がある。これらの考え方を踏まえて、以下のとおり定める。

表3-11 一括処理(標準オプション機能)

2.帳票詳細要件

帳票詳細要件では、機能・帳票要件にて、実装必須又は標準オプションとした帳票について、印字項目等を定義し「(別紙4-A及び4-B)帳票詳細要件」でまとめている。なお、可能な限り印字編集条件を記載するようにしている。また、帳票詳細要件として定義した帳票の様式(レイアウト)を「(別紙5-A及び5-B)帳票レイアウト」でまとめている。なお、システム印字項目とは、業務システムにて対象情報により編集し印字する項目のことをいい、固定文言等の帳票レイアウトに直接設定されている項目は含まない。

帳票詳細要件及び帳票レイアウトの考え方や留意事項は以下のとおりである。

  1. 「XX一覧表」といった内部管理・確認用の各種一覧の帳票については、機能要件として「XX情報を一覧で確認できること。」としEUC機能等を活用し作成することとするため、帳票詳細要件及び帳票レイアウトは定めない。

  2. 帳票詳細要件に定義されたシステム印字項目は項目単位の類型に従うこととし、編集条件等は定義が必要な内容のみを記載している。

  3. 帳票レイアウトは、法令・通知等で示されている様式を基に定義している。この帳票レイアウトをもとにシステム印字項目・帳票詳細要件で定めた項目の確実、かつ、効率的な実装を行うものであるが、各項目間の位置関係など、帳票レイアウトと大幅な差異がなければ、幅等の完全準拠を要求するものではない。 その例として、項目の追加や順番の変更はできないが、項目の表示・非表示の制御(システム印字項目・帳票詳細要件で項目の表示・非表示を定義している項目に限る。)や長さ・太さ・色の変更、プレプリントの設定、項目の表示・非表示に伴うレイアウトにおける行数の変更、印字枠・表示枠の大きさ設定を可能とする。

  4. 帳票における「第1章4(1)標準化範囲内の類型」(実装類型)の取扱いは次のとおりである。

・帳票自体の出力における実装類型は、「1.機能・帳票要件」のとおりである。

・帳票詳細要件のシステム印字項目で項目単位における類型の取扱いは次のとおりである。

表3-12 帳票詳細要件における類型の取扱い

  1. システム印字項目の編集方法は、帳票詳細要件の「印字編集条件など」で示す。 また、各システム印字項目の印字編集条件に、制度改正に伴う該当区分の追加または変更がある場合は追加・変更を行うことを可能とする。 二次元コードの規格を指定する場合は、「ISO(ISO/IEC18004」又は「JIS(JIS X 0510)」に限ることとする。 主な「印字編集条件など」の類型は次のとおりである。 なお、システム印字項目について、帳票レイアウトや出力状況に応じて短縮して表記することも可能である。(例:「生年月日」等について、元号をアルファベットで表記する「R○.○.○」のように短縮して表記することも可能である。)

表3-13 「印字編集条件など」の類型

  1. 窓空宛名部分の場所や大きさ、窓空宛名を含む帳票に対応した封筒レイアウトは、全庁的に統一したほうがよいため、住民記録システム標準仕様書に準拠する。

  2. 帳票に印字する文字フォントは、データ要件・連携要件標準仕様書(総論)に準拠する。

  3. システムから印字する各項目の文字数は、デジタル庁で定めるデータ要件のデータ項目の桁数が最大となる。機能・帳票要件に個別に定める場合を除き、印字枠に収まらない文字数の場合は、印字枠に収まるように文字サイズを縮小や改行をして印字すること。

  4. 帳票へ印字する文字のサイズ及び文字数については、市区町村毎に外国人の氏名等の表記方法や取扱いに差異があることから、特段の定めはしないこととするが、いずれにしても文字溢れ(文字切れ)が生じるケースがあることから、文字溢れ(文字切れ)が生じた場合の挙動を統一することを目的に、本仕様書にて以下のとおり示すこととする。

    • 帳票出力時に、文字数が多くやむを得ず文字溢れ(文字切れ)が生じる場合や、未登録外字が含まれる場合はアラートを表示して注意喚起するとともに、「文字溢れ(文字切れ)エラーリスト」を出力して、文字溢れ(文字切れ)や未登録外字の情報を確認できるようにする。

    • 文字溢れ(文字切れ)した項目は、印字可能な文字数まで印字、若しくは空欄出力とすることをパラメータ設定で選択可能とする。

  5. 帳票レイアウト上で表記している青文字・青線のオブジェクト(システム印字項目ではないもの)は、標準オプション項目を示している。