第3章 機能・帳票要件

本章の構成は、以下のとおりである。

表3-1 機能・帳票要件の構成

構成 内容
1.機能・帳票要件

機能・帳票要件における考え方及び事業ごとに必要となる機能要件・帳票要件を定義する。

※帳票要件は出力対象帳票のみ定義

2.帳票詳細要件

機能・帳票要件で示した帳票について、システム印字項目等を定義する。

また、帳票詳細要件で定義した帳票のレイアウトを示す。

1.機能・帳票要件

機能・帳票要件の具体的な要件は以下の事業について「(別紙2-1)機能・帳票要件」でまとめている。

  1. 健康管理共通

  2. 【成人保健】対象者管理

  3. 【成人保健】検診情報管理

  4. 【成人保健】精密検査情報管理

  5. 【成人保健】訪問・相談・教育

  6. 【母子保健】妊産婦管理

  7. 【母子保健】乳幼児管理

  8. 【母子保健】教育・相談・訪問・フォロー

  9. 【母子保健】養育医療管理

  10. 【予防接種】対象者管理

  11. 【予防接種】接種情報管理

  12. 統計・報告

各事業の機能・帳票要件における考え方や留意事項は以下のとおりである。

(1)標準仕様書作成における前提(関係府省での推進要件)

(2)「○○台帳」の記載について

(3)管理項目の定義について

(4)管理項目の考え方について

(5)履歴管理について

(6)一覧管理機能について

(7)EUC機能の要件について

(8)基幹系他システム連携機能について

(9)エラー/アラート(チェック条件)の考え方について

(10)操作権限管理について

(11)アクセスログ管理について

(12)バッチ処理について

(13)外部帳票と内部帳票について

(14)パラメータの考え方について

(1)標準仕様書作成における前提(関係府省での推進要件)                  

関係府省で推進している以下の内容を加味した機能・帳票要件とする。

表3-2 標準仕様作成における前提

観点 内容
番号法 地方自治体が中間サーバへ登録するためのデータ標準レイアウト
デジタル3原則に基づくBPRを推進する観点 オンライン申請実現にむけたマイナポータル(ぴったりサービス)との接続
支援措置対象者に係る抑止情報の利用
公的給付支給等口座の登録制度
AI、RPA等の最新技術の活用
国集計

地域保健・健康増進事業報告

こどもの福祉と保健に関する状況報告

各業務要件

【成人保健】

・健(検)診結果の様式標準化

※健診機関が地方自治体へ提出する自治体検診結果用フォーマット

・自治体検診DX対応

【母子保健】

・すこやか親子21

・母子保健情報連携対応

【予防接種】

・予防接種事務のデジタル化

(2)「○○台帳」の記載について                  

機能・帳票要件に記載されている「○○台帳」の具体的なイメージは、健康管理システム標準仕様書上では、以下のとおり定める。

表3-3 ○○台帳の記載について

内容健康管理システム標準仕様書での記載
個人の詳細情報を確認する画面、帳票○○台帳
複数人の詳細情報等を確認する画面、帳票○○一覧

ただし、国によって定められた帳票名(省令様式など)については、上記の限りではなく、定められた帳票名を用いる。

(3)管理項目の定義について                  

該当する機能で管理すべき項目として「管理項目」をまとめている。「管理」とはデータの設定・保持・修正ができることをいい、参照又は表示のみを目的とした項目は管理項目として定めないこととしている。そのため、参照・表示のみを目的とした項目については、参照要件又は表示要件として記載している。

図3-1 管理項目の該当例と非該当例

具体的な管理項目については、「(別紙2-2)管理項目」にまとめているが、各管理項目の詳細仕様(データ型・桁数・コード等)については、データ要件・連携要件標準仕様書における基本データリストにて定義されている。

また「(14)パラメータの考え方について」で後述するように、パラメータにて市区町村拡張事業を追加することを可能としている。上記に対応するため以下グループを設けている。これらについては、同一レイアウトで複数作成することを可能とする。(最大30グループとする)

・成人保健_独自施策情報(一次)

・成人保健_独自施策情報(精検)

・母子保健_独自施策情報(母)

・母子保健_独自施策情報(子)

なお、母子保健においては「乳幼児健診結果(その他健診)」「乳幼児健診結果(その他歯科健診)」グループが存在する。当グループも同一レイアウト複数作成可能(最大30グループ)であり、具体的な事業名が指定されたグループが存在しない標準化範囲となる母子保健健康診査事業については、当グループを使用する。健康診査以外の事業や情報は「母子保健_独自施策情報(子)」を使用する。

【例】

事業・管理項目管理グループ
6か月児健診結果乳幼児健診結果(その他健診)
6か月児アンケート母子保健_独自施策情報(子)
6か月児健診に伴う精密健診乳幼児精密健診結果
2歳児歯科健診乳幼児健診結果(その他歯科健診)
3歳児健診健診結果3歳児健診結果
3歳児健診アンケート3歳児健診アンケート

同じく「(14)パラメータの考え方について」で後述するように、パラメータにて市区町村拡張運用に対応するため、市区町村拡張項目を追加することを可能としている。上記に対応するため追加が必要なグループにおいて、以下の独自施策項目(繰り返し項目)を定めている。

・独自施策半角項目(繰り返し:100)

・独自施策日付項目(繰り返し:50)

・独自施策全角項目(繰り返し:50)

・独自施策コード項目(繰り返し:100) 選択肢項目の管理を想定

なお「(別紙2-2)管理項目」の中にはコード管理する項目が存在する。基本データリストに基づくデータ入出力に際しては、コード値の追加変更は不可となる。そのため、コード値の追加変更が必要な場合は、独自施策項目を使用して別の管理項目として追加する、入出力時にコード変換する等データ要件・連携要件の標準仕様の範囲で適宜判断・対応することとする。

(4)管理項目の考え方について                  

健康管理分野においては、第1章>2.対象>(2)対象分野>標準化システムアーキテクチャとの関係性で示したことを踏まえ、管理項目として定義する標準項目については、以下エビデンスで定義されている項目に準じることを原則とし、地方自治体が独自に管理する必要がある項目については、独自施策項目を活用することとする。

表3-4 管理項目の考え方

分野 記載方針
全般 法律政令省令等で定義される項目
全般 ぴったりサービスの該当手続きで定義される項目
全般 データ標準レイアウト関連様式で定義される項目
全般 地域保健・健康増進事業報告における集計対象項目
全般 健康管理システム標準仕様書【第4.1版】 (別紙3)帳票詳細要件で定義される項目
成人保健

・自治体検診に係る PHR への対応を踏まえた標準様式で定義される項目

・歯周病検診マニュアル2023

母子保健

・標準的な電子的記録様式

・成育医療等基本方針に基づく評価指標等に係る問診項目

・エジンバラ産後うつ病問診票

・育児支援チェックリスト

・赤ちゃんへの気持ち質問票

・こどもの福祉と保健に関する状況報告における集計対象項目

母子保健

(養育医療のみ)

医療情報基盤・診療報酬審査支払機構から提供される医療給付データで定義される項目

(5)履歴管理について                  

履歴管理は、機能要件としては定めておらず、管理項目に準拠する整理としている。すなわち管理項目に「履歴番号」がある事業は、履歴管理を想定した事業となる。

(6)一覧管理機能について                

機能・帳票要件における一覧管理機能について、機能の考え方及び記載方針を次のとおり整理している。

表3-5 一覧管理機能の考え方と記載方針

観点 考え方 記載方針
一覧の抽出条件 地方自治体により抽出したい条件が様々であるため、標準仕様書として全ての条件を網羅するとした場合、抽出条件は地方自治体の実態を勘案すると大半の抽出条件が標準オプションとして定義することが考えられる。また、運用する中で必要と考えられる抽出条件が状況により変化することが考えられる。 EUC機能にて「抽出条件は各事業の管理項目を任意に指定できること」と定義していることを考慮し、一覧の抽出条件は詳細な定義を現時点では行わないこととする。
一覧の表示項目

必要な表示項目は地方自治体により様々であり、更に該当機能を使用する場面により変化する(例参照)ため、全てを網羅するとした場合、一覧に関する要件に膨大な項目を列挙することとなる。

例)各種検診結果一覧で、関連する住記情報等をどの範囲まで表示させるか、といった観点まで全て明確に定義することは困難である。

各事業で保持している項目は全て表示させることが可能であることを前提として、それ以外の項目表示についてはベンダの創意工夫次第とする。
(ただし、事務運用上、明記をしないと支障が出ると認められるものは明記する。)
一覧の実装方法 一覧機能の実現方法としては、一覧画面での表示や一覧帳票・CSV等のデータでの出力等様々考えられるが、運用に応じた適切な方法により一覧形式での確認ができれば運用に大きな支障は発生しないと思われる。また、「一定の件数以下であれば画面表示、それを超えればCSV等出力」といった実装方法の明確な線引きは、業務や対象機能、地方自治体規模等により様々と考えられる。

「一覧で確認できること」として統一記載を行う。

必ずしもシステム画面にて一覧で確認できることは必須要件とせず、実装方法はベンダ毎に異なっても良いといった考え方とする。

ただし、事務運用上、明記をしないと支障が出ると認められるものは明記する。

また、上記3つの観点を踏まえて、EUC機能の要件について、一覧管理機能とEUC機能の関連性を整理している。

(7)EUC機能の要件について               

一覧管理機能とEUC機能は一部機能が重複する部分があるが、運用上最低限必要となる業務固有の一覧確認要件は「○○を一覧で確認できること」と明記した上で、一覧管理機能で対応することとし、その他の要件については、EUC機能での対応という形で整理している。

図3-2 機能・帳票要件におけるEUC機能の記載例

(8)基幹系他システム連携機能について          

基幹系業務の他システム連携機能において、健康管理システム用宛名情報/国保情報等の情報については、健康管理システム内での保持・不保持のいずれであっても機能の影響はないと考えられるため、いずれの方式(主に下図パタン)での実装も可能として定義している。

図3-3 基幹系他システムとの連携イメージ

(9)エラー/アラート(チェック条件)の考え方について  

機能・帳票要件に定める各機能において、不正な状態で情報が管理されると事務運用に影響が発生するため、適宜データの矛盾をチェックする必要がある。主な矛盾の分類としては次のとおりである。

表3-6 矛盾の分類

分類 内容
物理的矛盾 項目の属性(英字、数字、日本語等)や項目長(桁数、バイト数)等で定義されている内容と合致しないもの
論理的矛盾 存在しない日付(4/31等)や数値等項目間の大小関係が逆転している等、一般的に矛盾していると言えるもの

法制度等により規定されている条件を満たしていないものや業務プロセスが成立しない状態となっているもの

【該当例】

 ・健(検)診結果データ登録時、受診日時点で住民ではない

 ・接種結果データ登録時、接種日時点で住民ではない

 ・予防接種法に定められた同一ワクチンの接種間隔に反している

これらの矛盾に対して、エラー又はアラートのチェックを行い、不正なデータの登録を抑止することや操作者(入力者)への注意喚起を行う必要がある。エラー・アラートのチェック観点は、次のとおりである。

表3-7 エラー・アラートのチェック観点

チェック チェック観点 チェックの事例と理由
エラー 物理的矛盾や論理的矛盾のいずれにもエラーとしてチェックする場合があり、システムからのアウトプットである帳票や集計、データ等の出力を正しく行うために業務システムにてチェックを行い、不正なデータが作成されないように抑止する。

健(検)診結果登録時、受診済みにもかかわらず、受診日が入力されていない。

⇒受診日が入力されていないと集計等が正しく出力されないため未入力の場合はエラーとする必要がある。

アラート 物理的矛盾では空白や未設定を許容する場合であったり、論理的矛盾では法制度や当該制度の運用上、通常は入力されるべき項目が入力されていない場合や、やむを得ない事情等による例外規定がある場合であったり、操作者(入力者)に本来あるべき状態でないことを気付かせるために注意喚起する。

健(検)診結果登録時、受診日時点で住民ではない。
接種結果登録時、接種日時点で住民ではない。

⇒被災者等を考慮した場合、必ずしも住登者とは限らない。しかし、入力ミスの可能性もあるため、アラートで注意喚起を促す必要がある。

生物学的性別と性自認の差異により、乳がん検診について、生物学上男性が受診希望するケース。

⇒男性・女性に特徴的な検診等について、性別による登録不可エラーとしない必要がある。

本仕様書におけるエラー・アラート(チェック条件)において主に留意すべき事項は、次のとおりである。

  1. 国の指針で定められた条件を満たすための、必要最低限のエラー・アラートは機能・帳票要件に定める。

  2. エラーチェックは「不正データを作成しない」という観点からデータ入力時にチェックすることを基本とするが、必要な情報を用いて帳票やデータ等を出力するまでに整備されれば影響がないケースも考えられるため、必ずしも入力時にチェックすることを求めるものではないこととする。

  3. エラーチェックの内容は必ずしもメッセージによる表示に限定するものではなく、データの入力内容が一定条件を満たすまでデータ保存を不可にする、といった方法等でも問題ないこと。

  4. 文字列/数値といったデータの属性やデータの項目長に対するチェックは、データ要件で定められるデータ形式に準拠することとし、矛盾するものはエラーチェックとする。

  5. 検索条件未入力のチェックや入出力ファイルの格納先(フォルダ)パスの存在確認チェック、画面終了時のデータ未保存チェック等は、画面要件に含まれるものであるため、本仕様書におけるエラー・アラートの要件としては定めないこと。

  6. アラートについては、制度改正等により従前まで必要とされていたチェックが不要となる場合や、地方自治体の運用により必要とするチェックの設定が異なる等も想定されることから、アラートの設定は切り替え可能(アラートを表示しない設定も含む)とすることを考慮する必要がある。

  7. エラーについては、システム内部管理項目や帳票への印字項目・集計項目などのアウトプットとして必要となる項目を除き、エラーの設定は切り替え可能(エラーを表示しない設定も含む)とすることを考慮する必要がある。

(10)操作権限管理について                

操作権限管理は地方自治体で利用する事務処理システムとして共通した要件とすることが基本であることから、デジタル庁が整理した要件を基本とする。加えて、健康管理システムに必要と整理されたものは固有の要件として追加する必要がある。これらの考え方を踏まえて、以下のとおり定める。

表3-8 操作権限管理(実装必須機能)

機能
システムの利用者及び管理者に対して、個人単位でID及びパスワード、利用者名称、所属部署名称、操作権限(異動処理や表示・閲覧等の権限)、利用範囲及び期間が管理できること。
職員のシステム利用権限管理ができ、利用者とパスワードを登録し利用権限レベルが設定できること。
操作者IDとパスワードにより認証ができ、パスワードは利用者による変更、システム管理者による初期化ができること。

アクセス権限の付与は、利用者単位で設定できること。

<健康管理システム固有の要件>

 所属部署(課・係等)単位でも設定できること。

<健康管理システム固有の要件>

利用者及び所属部署(課・係等)単位に、利用できる操作(登録修正・削除・参照・印刷・ファイル出力)を設定できること。

IDパスワードによる認証に加え、ICカードや静脈認証等の生体認証を用いた二要素認証に対応すること。
複数回の認証の失敗に対して、アカウントロック状態にできること。
他の職員が異動処理を行っている間は、同一住民の情報について、閲覧以外の作業ができないよう、排他制御ができること。
アクセス権限の設定はシステム管理者により設定できること。
アクセス権限の付与も含めたユーザ情報の登録・変更・削除はスケジューラ―に設定する等、事前に準備ができること。
事務分掌による利用者ごとの表示・閲覧項目及び実施処理の制御ができること。
操作権限管理については、個別及び一括での各種制御やメンテナンスができること。

なお、認証に係る機能については、標準準拠システムで実装するか、認証基盤等で実装するかを問わない。

表3-9 操作権限管理(標準オプション機能)

機能

<健康管理システム固有の要件>

管理が本庁と他に分かれる場合は、「本庁部署・利用者」と「他部署・利用者」で更新・参照の権限を設定できること。(例:指定都市における本庁と区役所等)

<健康管理システム固有の要件>

本庁以外の部署・利用者のアクセス権限については、地方自治体の執行体制に応じて、住民がどこでも手続きが行えるように管理場所(所管)以外でも更新できるようにするほか、管理場所(所管)は更新できるが他部署(他の管轄や区役所等)は参照のみ・更新不可に設定できるようにもすること。指定都市における区役所の配下にある支所・出張所等も同様に権限設定が選択できるようにすること。

認証に当たっては、シングル・サイン・オンが使用できること。

(11)アクセスログ管理について              

アクセスログ管理は地方自治体で利用する事務処理システムとして共通した要件とすることが基本であることから、住民記録システム標準仕様書の「10.2 アクセスログ管理」に準拠することを基本とする。加えて、住民記録システム標準仕様書において住民記録システム固有の機能や表現が記載されている部分については、健康管理システムに固有の要件として置き換える必要がある。これらの考え方を踏まえて、以下のとおり定める。

表3-10 アクセスログ管理(実装必須機能)

実装必須機能 住民記録システム標準仕様書での記載有無
個人情報や機密情報の漏えいを防ぐために、システムの利用者及び管理者に対してログを管理(取得・検索・抽出・参照・ファイル出力を指す。以下、標準オプション機能においても同様)できること。(IaaS事業者がログについての責任を負っている場合等、パッケージベンダ自身がログを提供できない場合は、IaaS事業者と協議する等により、何らかの形で本機能が地方自治体に提供されるようにすること) あり(一部変更)
ログイン認証ログを管理できること。 あり(一部変更)
操作ログを管理できること。 あり(一部変更)
イベントログ、通信ログ、印刷ログ、エラーログ等を管理できること。(健康管理システムが動作するOS、運用管理ツール、DB等におけるログでよい) あり(一部変更)
他システム連携により取得した住民記録情報、住民税情報、国民健康保険情報、後期高齢者医療情報、生活保護情報に対する参照ログを管理できること。参照ログには参照した日時、職員、端末、宛名(対象者や保護者等を識別できる宛名番号等の情報)等を含むこととし、分析できるように画面上で操作、又は表計算ソフト等へ取り込めるようにすること。 なし

取得した各種ログは、地方自治体が定める期間保管でき、書き込み禁止等の改ざん防止措置をとること。

例)保管期間は、イベントログは直近1年間、操作ログは5年間とする等

あり(一部変更)

表3-11 アクセスログ管理(標準オプション機能)

標準オプション機能住民記録システム標準仕様書での記載有無
他システム連携により取得した介護保険情報に対する参照ログを管理できること。参照ログには参照した日時、職員、端末、宛名(対象者や保護者等を識別できる宛名番号等の情報)を含むこととし、分析できるように画面上で操作、又は表計算ソフト等へ取り込めるようにすること。なし

(12)バッチ処理について                 

一括処理の実行方法は、手動による実行の他に設定による自動実行があるが、地方自治体で利用する事務処理システムとして共通した要件とすることが基本であることから、デジタル庁が整理した要件を基本とする。加えて、健康管理システムに必要と整理されたものは固有の要件として追加する必要がある。これらの考え方を踏まえて、以下のとおり定める。

表3-12 一括処理(標準オプション機能)

機能
バッチ処理の実行(起動)方法として、直接起動だけでなく、年月日及び時分、毎日、毎週○曜日、毎月XX日、毎月末を指定した方法(スケジュール管理による起動)が提供されること。

バッチ処理の実行時は、前回処理時に設定したパラメータが参照されること。

前回設定のパラメータは、一部修正ができること。

修正パラメータ個所については、修正した旨が判別し易くなっていること。

全てのバッチ処理の実行結果(処理内容や処理結果、処理時間、処理端末名称、正常又は異常の旨、異常終了した際はOSやミドルウェア等から出力されるエラーコード等)が出力されること。
バッチの実行結果から一連の作業で最終的な提出物をXLSX形式等で作成する場合等には、自動実行する仕組みを用意すること。

(13)外部帳票と内部帳票について             

帳票要件として定義する帳票は外部帳票を基本とする。担当主管課内の決裁用等の内部帳票は機能要件におけるEUC機能等を活用することとする。なお、外部帳票と内部帳票の定義は次のとおりである。

表3-13 外部帳票と内部帳票の考え方

帳票種類 帳票種類の考え方
外部帳票

・住民や事業者等の外部に向けた帳票をいう。

・標準仕様として定義可能な帳票に限り、標準仕様としてシステムから出力すべき帳票として定義し、システムからの印字項目等を定める。

・地域特性に応じ、地方自治体により創意工夫を実施している帳票に関しては、標準仕様としては定めず、パラメータ・EUC機能での対応を原則として定義する。

内部帳票

・事務運用に併せて必要となる担当主管課内で使用する確認用リスト等の帳票をいう。

・標準仕様としてはシステムから出力すべき帳票の種類及びシステムから印字する項目は定めず、パラメータ・EUC機能での対応を原則として定義する。

(14)パラメータの考え方について             

健康管理分野における前提事項に基づき、標準化システムアーキテクチャとの関係性を整理している。

<地域特性運用(市区町村拡張事業)とシステムアーキテクチャとの関係性>

表3-14 地域特性運用(市区町村拡張事業)を実現する上での機能帳票要件

地域特性運用 代表的な事例

システムアーキテクチャ

(実現する上での機能・帳票要件IDの該当箇所)太字

市区町村拡張事業

・地方自治体における拡張事業の実施

<成人保健>

前立腺がん検診、喉頭・咽頭がん検診、甲状腺がん検診、エキノコックス検診 等

<母子保健>

新生児マススクリーニング検査、5~11か月児の各健診

、1歳、2歳児健診、バースデイ歯科健診 等

<予防接種>

おたふくかぜワクチン、小児インフルエンザワクチン、A型肝炎ワクチン、髄膜炎菌ワクチン 等

機能ID 0190052

事業の情報を管理(登録、修正、削除、照会)できること。

※1 当機能にて成人保健、母子保健における市区町村拡張事業の追加、予防接種における任意接種や風しん抗体検査の追加ができること

※2 同じ業務でも複数の事業を実施している場合には、複数の事業が管理できること(例:栄養教室・禁煙教室・歯科教室)

※3 対象となる年齢および性別を管理できること

※4 対象となる年齢の基準日は任意に設定できること

※5 対象となる受診歴の間隔を任意に設定できること

※6 当機能にて追加した事業は、該当する分野(成人保健・母子保健・予防接種)の中において、既に登録されている事業と同様の取り扱いができること。

※1の要件で市区町村拡張事業を管理することを可能とし、※6で追加した市区町村拡張事業についても既存の事業と同様の取り扱いができるよう定めている。

<地域特性運用(市区町村拡張運用)とシステムアーキテクチャとの関係性>

表3-15 地域特性運用(市区町村拡張運用)を実現する上での機能帳票要件

地域特性運用 代表的な事例

システムアーキテクチャ

(実現する上での機能・帳票要件IDの該当箇所)太字

市区町村拡張運用

(対象年齢の拡張)

・国で定められた対象年齢の引き下げや引き上げ運用の実施

機能ID 0190054

市区町村拡張運用における以下の対応ができること。

※1 指針に示された事業の対象年齢の拡張

※2 対象年齢の基準日は任意に設定できること

※3 指針に示された事業の節目年齢の変更

※4 指針に示された事業項目以外の事業項目の追加

※5 市区町村拡張事業の事業項目の追加

   追加した検査項目について他の管理項目と同様に取り扱われること

※6 妊婦健診の単独助成(健診回数上乗せ)

※7 対象となる受診歴の間隔を任意に設定できること

市区町村拡張運用

(市区町村拡張項目)

指針以外の事業項目

・医学研究、大学研究等を目的として、国で定められた検査項目以外の検査の実施

・各種問診票における自治体独自の問診項目の実施

機能ID 0190054

市区町村拡張運用における以下の対応ができること。

※1 指針に示された事業の対象年齢の拡張

※2 対象年齢の基準日は任意に設定できること

※3 指針に示された事業の節目年齢の変更

※4 指針に示された事業項目以外の事業項目の追加

※5 市区町村拡張事業の事業項目の追加

   追加した検査項目について他の管理項目と同様に取り扱われること

※6 妊婦健診の単独助成(健診回数上乗せ)

※7 対象となる受診歴の間隔を任意に設定できること

<対象年齢の拡張> ※1~3、7にて、指針に示された事業の対象年齢においても、市区町村の運用に沿って変更可能としている。

<指針以外の検査項目> ※4~6にて、指針に示された事業以外の項目の追加や、市区町村拡張事業の事業項目の追加、妊婦健診回数上乗せを、市区町村の運用に沿って対応可能としている。

<地域特性運用(帳票様式)とシステムアーキテクチャとの関係性>

表3-16 地域特性運用(帳票様式)を実現する上での機能帳票要件

地域特性運用 代表的な事例

システムアーキテクチャ

(実現する上での機能・帳票要件IDの該当箇所)太字

帳票様式

国から省令様式や参考様式が示されている帳票がほぼ無いため、地方自治体それぞれで、効果的な印字内容を検討しレイアウトを作成している。

代表的な帳票例)

成人:受診券、結果通知、受診勧奨、

母子:乳幼児健診受診票、訪問指導票

予防:予診票、接種の記録

機能ID 0190126

帳票レイアウト、帳票詳細要件に定められた帳票以外は、以下の対応が可能であること。

なおシステムからは印字用データを出力し、※1~※8をシステム外機能を活用して実装することも可とする

※1 帳票の追加削除がユーザ操作でできること

※2 帳票レイアウトはユーザ操作で設定できること

※3 印字する管理項目はユーザ操作で設定できること

※4 印字位置はユーザ操作で設定できること

※5 設定した帳票レイアウト等は保存できること

※6 カスタマバーコードが出力できること

※7 宛名番号をバーコードで出力できること

※8 連番を出力できること

図3-4 地域特性運用(帳票様式)を実現する機能のイメージ

<当要件(機能ID 0190126)が適用される範囲>

帳票要件(別紙3、別紙4)が定められていない帳票に対して当要件にて対応するものとし、帳票要件が定められた帳票については、当要件による自由な編集は不可とする。なお、変更の必要が生じた場合は、国の指針や手引きに基づき変更等を行うものとする。

<市区町村拡張事業と、市区町村拡張項目の対応イメージ>

図3-5 市区町村拡張事業と、市区町村拡張項目の対応イメージ

<対象年齢拡張の対応イメージ>

表3-17 機能ID 0190054における対象年齢拡張要件をパラメータ対応する際のイメージ

機能要件 パラメータ対応のイメージ 具体的な対応例
※1 指針に示された事業の対象年齢の拡張

年齢範囲(自)=X ~ 年齢範囲(至) =Y

X、Yは、任意に設定が可能

X=40、Y=空白(40歳以上)

↓

パラメータにより「30歳以上」に変更

X=30、Y=空白

※2 対象年齢の基準日は任意に設定できること

年齢計算基準日 = X

Xは、任意に設定が可能

初期値「年度末日」

↓

パラメータにより「受診日時点」に変更

※3 指針に示された事業の節目年齢の変更

節目年齢 = X、Y、Z

X、Y、Zは、任意に設定が可能

初期値「40歳、45歳、50歳、55歳、60歳、65歳、70歳」

↓

パラメータにより「75歳、80歳」を追加

「40歳、45歳、50歳、55歳、60歳、65歳、70歳、75歳、80歳」

※7 対象となる受診歴の間隔を任意に設定できること

受診間隔 = X

Xは、任意に設定が可能

例1)

初期値「偶数年齢」

↓

パラメータにより「奇数年齢」に変更

例2)
初期値「2年に1度」

↓

パラメータにより「1年に1度」に変更

2.帳票詳細要件

帳票詳細要件では、原則として前項「1.機能・帳票要件」の「(13)外部帳票と内部帳票について」にて示した外部帳票を対象とし、機能・帳票要件で定義した帳票におけるシステムからの印字項目等を「(別紙3)帳票詳細要件」でまとめている。システムからの印字項目(以下「システム印字項目」という。)とは、業務システムにて対象情報を編集し印字する項目のことをいい、固定文言等の帳票レイアウトに直接設定されている項目は含まない。  また、帳票詳細要件として定義した帳票の様式(レイアウト)は、「(別紙4)帳票レイアウト」にまとめている。

帳票詳細要件及び帳票レイアウトの考え方や留意事項は以下のとおりである。

  1. 帳票詳細要件には、機能・帳票要件にて定義した帳票(主に外部帳票)のシステム印字項目等をまとめている。内部帳票は基本的にEUC機能等を活用し作成することとするため、帳票詳細要件及び帳票レイアウトは定めない。

  2. 帳票詳細要件に定義されたシステム印字項目は項目単位の類型に従うこととし、編集条件等は定義すべき内容のみを記載している。

  3. 帳票における第1章>3.本仕様書の内容>(1)標準化範囲内の類型(実装類型)の取扱いは次のとおりである。

・帳票自体の出力における実装類型は、「1.機能・帳票要件」のとおりである。

・帳票詳細要件のシステム印字項目で項目単位における類型の取扱いは次のとおりである。

表3-18 帳票詳細要件における類型の取扱い

システム印字項目の類型項目の取扱い
実装必須システムからの印字ができるように実装する必要がある。
標準オプションシステムからの印字は実装してもしなくてもよい。
実装不可システムからの印字は実装不可とし、帳票レイアウト上の項目も原則設けないこととする。
  1. システム印字項目の編集方法は、次のとおりである。なお、項目固有に編集方法を定義する場合は、帳票詳細要件の「印字編集条件など」で示す。

表3-19 システム印字項目の編集方法

帳票項目

表示条件など

への記載内容

表記の例 補足
日付 和暦表記/西暦表記 「令和3年4月1日から令和4年3月31日まで」は日付のみ印字 例えば“から”や“まで”等の日付以外の関連する文字は、帳票レイアウト側での埋め込み(プログラムから印字しないこと)を想定しているため、未記載としている。
カナ項目 全角表記 全角表記
届出の有無などの選択肢

打ち出し形式

(例1)有(例2)無

有・無

該・非

男・女

選択肢のいずれかの文字を印字することとした。○を印字する仕様は、手書きの延長の考え方であることと、印刷時の印字ずれ等を考慮し、不可とした。
住所(宛名) 住所+改行+方書 住記の標準仕様書に合わせて、宛名部分の住所については、住所と方書の間は改行としている。なお、一部帳票では郵便番号を住所に付加して表示しているが、帳票詳細要件にその旨を記載している。
住所(宛名以外 住所+全角スペース+方書
  1. 窓空宛名部分の場所や大きさ、窓空宛名を含む帳票に対応した封筒レイアウトは、全庁的に統一したほうがよいため、住民記録システム標準仕様書に準拠する。

  2. システムから印字する各項目の文字数は、デジタル庁で定めるデータ要件のデータ項目の桁数が最大となるが、印字枠の範囲に収まるように文字サイズを縮小や改行をして印字すること。データ要件の桁数が印字枠に収まりきらないなど、やむを得ず印字文字数を減らす場合は超過対象者のリストを出力できること。