共通機能標準仕様書について

標準化法における位置づけ

本仕様書は、地方公共団体情報システムの標準化に関する法律(令和3年法律第40号。以下「標準化法」という。)第7条第1項に基づき定める「共通する基準」のうち、同法第5条第2項第3号ニ(イからハまでに掲げるもののほか、各地方公共団体情報システムに共通する基準)について規定するものである。

標準仕様書の対象範囲の考え方

** **標準準拠システム(標準化基準(標準化法第6条第1項及び第7条第1項に規定する標準化基準をいう。以下同じ。)に適合する基幹業務システムをいう。以下同じ。)における共通機能には、大きく次の3つの機能群に分類できる。

(1) システム共通機能群:標準準拠システムに必要な機能のうち、複数の標準準拠システムに共通する機能要件を実現するための機能群をいう。

(2) 統合運用管理機能群:標準準拠システムに必要な機能のうち、運用監視、ジョブ管理、バックアップ・リカバリ、データ暗号化、アンチウイルス、自動デプロイ、コスト最適化支援等の非機能要件を実現するための機能群をいう。

(3) インフラ機能群:標準準拠システムに必要な機能のうち、コンピュート、ストレージ、データベース等のインフラ要件を実現するための機能群をいう。

(1)システム共通機能群のうち、基幹業務システムと疎結合で提供することが可能と考えられる機能は、基幹業務システムを提供する事業者とは異なる事業者が提供する可能性があることから、本仕様書の対象とした。それ以外の機能については、業務との結びつきや標準化の実現性等を考慮し、基幹業務システムを提供する事業者と同じ事業者が提供した方が効率的であると考えられることから、本仕様書の対象外とする。

また、(2)統合運用管理機能群や(3)インフラ機能群については、ガバメントクラウドのマネージドサービス等を活用することが考えられることから、本仕様書の対象外とする。

本仕様書の対象外とした機能については、本仕様書の対象となった共通機能や各標準準拠システムと疎結合の形で実装することや、本仕様書の対象とされた共通機能と疎結合の形で構築することが可能である。

なお、本仕様書が対象とする共通機能は、国が提供するのではなく、事業者が本仕様書に従って構築し、地方公共団体がそれを利用する形を想定している。また、本仕様書は市区町村及び都道府県を対象としているが、不要となる共通機能の利用を求めるものではない。本仕様書に規定された共通機能を実装する場合において本仕様書に準拠する必要があることに留意すること。

標準仕様書の具体的な対象範囲

本仕様書が対象とする具体的な対象範囲は、次に掲げる機能とする。

(1) 申請管理機能(申請者が地方公共団体に対し申請手続等を行うマイナポータルと標準準拠システムの間を連携する機能)

① 標準準拠システムとの連携方法

② マイナポータルとの連携方法

(2) 庁内データ連携機能(標準準拠システムが、他の標準準拠システムにデータを送信又は他の標準準拠システムからデータを受信することを効率的かつ円滑に行う機能)

① RESTによる公開用API方式

② ファイル連携方式

(3) 住登外者宛名番号管理機能(庁内で管理する住登外者(住民記録システム以外の標準準拠システムにおいて住民とは別に管理しておく必要がある者をいう。以下同じ。)を一意に特定するための住登外者宛名番号を付番・管理する機能)

① 標準準拠システム間の連携に用いる住登外者宛名番号

② 標準準拠システムにおいて住登外者宛名番号を割り当てるために連携する情報及び連携方法

(4) 団体内統合宛名機能(団体内統合宛名番号を付番し、中間サーバーと連携する機能)

① 中間サーバーとの連携に用いる団体内統合宛名番号

② 中間サーバーと標準準拠システムとの連携方法

(5) EUC機能(職員自身が表計算ソフト等を用いて情報を活用するために基幹業務システムのデータを抽出、分析、加工、出力する機能)

① EUCにおけるデータソース

(6) 統合収納管理機能・統合滞納管理機能(基幹業務システムにおける各賦課業務のうち2業務以上と連携し、共通的に収納管理、滞納管理を行う機能)

① 統合収納管理機能・統合滞納管理機能を採用する場合の考え方

② 標準準拠システムとの連携方法

標準準拠システムと本仕様書が対象とする共通機能の関係性

本仕様書が対象とする共通機能は、標準準拠システムに必要な機能のうち、複数の標準準拠システムに共通する機能要件を規定したものであり、標準準拠システムと疎結合の形で別システムとして機能配置することを想定するものである。

ただし、庁内データ連携(RESTによる公開用API方式、ファイル連携方式)については、本仕様書で規定した内容に従い、各標準準拠システムが機能配置することを想定した機能である。

また、本仕様書が対象とする共通機能を、一又は複数の標準準拠システムと一体のパッケージとして提供する場合については、機能配置等の実装方式は本仕様書に適合する必要はなく、パッケージベンダの責任において提供することとしてもよい。

ただし、一体のパッケージとして提供されていない他ベンダの標準準拠システムと連携する場合等の共通機能については、本仕様書に適合する必要がある。

標準準拠システム以外のシステムと本仕様書が対象とする共通機能の関係性

標準準拠システム以外のシステムが本仕様書が対象とする共通機能を利用することは妨げない。

その場合、標準準拠システム以外のシステムは、本仕様書が対象とする共通機能と疎結合の形で別システムとして機能配置することを想定するものである。

なお、標準準拠システム以外のシステムが共通機能を利用するにあたり、従うべき規定等がある場合には、「2. 共通機能の要件の標準について」の各機能説明において「標準準拠システム以外のシステムとの関係」として記載しているため、留意すること。

標準化基準の作成方針

共通機能の標準仕様書の作成方針は、次のとおりとする。

(1) 標準準拠システムにおける、本仕様書が対象とする共通機能のインターフェース部分のカスタマイズを発生させないようにするため、本仕様書が対象とする共通機能と標準準拠システムとのインターフェースについて標準仕様を作成する。

(2) 本仕様書が対象とする共通機能におけるマイナポータルや中間サーバー等の外部システムとのインターフェースについては、外部システムのインターフェース仕様に従う。

(3) 本仕様書が対象とする共通機能については、最低限の機能について標準仕様を作成することとし、本仕様書が対象とする共通機能に新たに機能を追加することや、本仕様書が対象とする共通機能と疎結合の形で新たに機能を作ることを妨げない。

 共通機能は、標準準拠システム以外のシステムが利用することが想定され、柔軟性が必要であることから、(3)のとおりの方針としている。

したがって、本仕様書においては、機能要件を【類型1:実装必須機能】【類型2:実装不可機能】【類型3:標準オプション機能】の3類型に分類する。標準オプション機能については、3類型に分類されていない機能(本仕様書に規定していない機能)と同様に実装は任意であるが、標準準拠システムと連携が必要な機能について規定する。

実装する場合、「地方公共団体情報システムデータ要件・連携要件標準仕様書」に規定する機能別連携仕様に従うこと。

ただし、基幹業務システムの標準仕様書において実装不可機能と規定されている機能は、共通機能として実装することはできない。

表 1‑1 標準化対象機能の類型

類型 説明
類型1 実装必須機能 実装が必須となる機能。システムへの実装方法は問わない
類型2 実装不可機能 実装が不可となる機能
類型3 標準オプション機能 実装が任意となる機能。ただし、連携要件に従う必要がある

(4) 共通機能の標準仕様書で規定する機能に係る機能要件等の標準を実現するために最低限必要と考えられるデータ項目を項目定義書として定義する。項目定義書は、標準仕様書で規定する機能以外の機能を実装する場合や、その他システム制御、システム運用に必要なデータ項目を対象としておらず、実装のレイアウトを定義するものではない。共通機能で作成する番号等について、標準仕様書で規定する必要があることから、項目定義書で示すものである。そのため、共通機能として項目定義書を規定するものは、以下の機能である。

  1. 申請管理機能

  2. 住登外者宛名番号管理機能

  3. 団体内統合宛名機能

  4. 統合収納管理機能

  5. 統合滞納管理機能

共通機能は、3類型に分類されていない機能(本仕様書に規定していない機能)について、任意で実装することを可能としており、項目定義書で規定するデータ項目だけで機能が充足されるものではないものの、独自施策システム等との連携に利用することも想定されることから、「地方公共団体情報システムデータ要件・連携要件標準仕様書」に規定された基本データリストと同様に、項目定義書のレイアウトで任意のタイミングで出力できる必要がある。

(5) 地方公共団体において標準準拠システムと連携する独自施策システム等を一意に特定し、管理するためにIDを付番することとする。当該IDを独自施策システム等IDとし、3桁の半角文字列とする。独自施策システム等IDは庁内データ連携における連携先システムの特定等のために利用する。なお、独自施策システム等と標準準拠システムが「地方公共団体情報システムデータ要件・連携要件標準仕様書」の独自施策システム等連携仕様における経過措置に基づき連携を行う場合は、当該IDの付番を不要とする。

地方公共団体における共通機能の所管

共通機能は、業務横断的に利用される機能であるため、その利用にあたっては、必要に応じて部署間で調整したうえで、適切な権限委任等の対応が必要となる。

また、構築や保守等を適切に行うため、特に、新しく規定された共通機能については、各地方公共団体における業務所管を明らかにするよう留意する必要がある。