ガバメントクラウド移行計画
ガバメントクラウドの利用に当たり、地方公共団体はガバメントクラウド移行計画を策定し、移行計画書を作成する必要がある。移行計画の策定は、現行システムの調査・分析を行う「現行システム確認」、ガバメントクラウドに移行するシステムの移行時期や移行のパターンの計画等を行う「システム移行計画」、「システム移行計画」で策定した内容がガバメントクラウドへの移行要件を充足しているかを評価する「RFI結果分析及び移行計画の評価と詳細化」の3つのフェーズで構成される。
なお、標準準拠システムへの移行と併せてガバメントクラウドへ移行する場合においては、標準化手順書に記載の移行計画と別に計画を策定する必要はなく、一つの計画として進めることが想定される。
また、本項ではガバメントクラウドで利用するCSPの選定を行う。CSP選定については利用方式によって判断できる主体が異なることが想定されるため、ASPや運用管理補助者と協議しながら進めていただきたい。
図 4-1にガバメントクラウド移行計画に盛り込むべき作業の全体像を示すとともに、移行計画書作成までの各フェーズでの検討事項を示す。
図 4‑1 ガバメントクラウド移行計画の作業全体像
また、図 4-2及び図 4-3にガバメントクラウド移行のモデルスケジュール(複数年度又は単年度)を示す。ガバメントクラウドの移行計画策定に当たって、時間軸の参考とされたい。
(複数年度移行パターン)
(単年度移行パターン)
4.1. 現行システム確認
本項では、ガバメントクラウドへの移行を検討するシステムを選定し、当該システムの調査・分析を行う。地方公共団体が、本項で実施するべき作業項目の詳細を表8-1に後述する。
また、標準化手順書「第2章3.(1)②現行システムの概要調査」において、確認済の項目については、本項で再度確認する必要はない。
4.2. システム移行計画
本項では、「4.1. 現行システム確認」で選定したガバメントクラウド移行対象システムをガバメントクラウドへ移行するために整理すべき事項について移行計画書に取りまとめる。入札・契約方式によっては「4.2.(3) RFIの実施」を省略するパターンもあるが、RFIを実施しない場合であっても、後述の表8-2 を参考にして、移行計画に必要な情報を既存システムのASPと精査すること。また、移行計画書の作成と並行して、ガバメントクラウドに移行した場合の費用を試算する。
ガバメントクラウド移行による標準化対応の判断
標準化手順書「第2章3.(1)④移行計画作成」を参照し、経費試算シートを作成した上で、ガバメントクラウドを利用するか、ガバメントクラウド以外を利用して標準化対応をするか検討すること。
ASPへの協力依頼
クラウド環境の構築を含む設計・開発調達に向けては、ASPを中心に幅広く協力依頼を行うことが必須となるが、特にオンプレミス環境で稼働する業務システムの運用・保守を行ってきたASPは、必ずしもクラウドサービスの取扱いに明るいわけではないことも想定される。そのため、ASPに対しては、利用予定のクラウドサービスの導入実績、上級クラウド認定資格の取得状況等を確認し、当該事業者においてガバメントクラウドへの移行に必要な要員の確保が明らかに見込めないといった場合においては、クラウドサービス導入支援の実績を有する新規ASPへの積極的な働きかけや情報提供依頼を行うことが必要である。また、提案の際には、ガバメントクラウドの要件をよく確認した上で、クラウドサービスであることを活かしたコストメリットの高い提案をするよう依頼することが考えられる。
またCSPの選定に当たっては複数のCSPを利用するマルチクラウド構成となる場合がある。データ移行やデータ連携においては利用するCSPの知識や経験が豊富なASPに協力を依頼することを強く推奨する。
RFIの実施(Aパターンのみ)
地方公共団体は移行計画を策定する上で、情報提供依頼(RFI)を行うための資料を作成し、ASPに情報提供を依頼する。
RFIについては、標準化手順書「第2章3.(2)⑥RFIの実施」に記載されている。RFIを実施する場合に情報提供を依頼する項目は、後述の表 8‑2を参考とすること。
4.3. RFI結果分析及び移行計画の評価と詳細化
本項では、「4.2.システム移行計画」で実施したRFIの結果を分析し、作成した移行計画書の内容が移行計画書としての内容を網羅しているか評価、詳細化する。また、運用面、コスト面等から移行計画を評価し、移行対象に選定したシステムをガバメントクラウドに移行するか否かを決定する。本項で行う作業を表4-1に表 4‑1示す。
| No | 項目 | 単位 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| ① | 計画網羅性 | 業務システムごと | 移行計画チェックシートをもとに移行計画書が必要事項を網羅しているか評価する | 別添「移行計画チェックシート」を参照 |
| ② | 運用改善 | 業務システムごと | 職員の運用負荷が現行よりも低減されるような運用設計となっているか | 以下の取組等により職員の運用負荷低減を見込むことができる
|
| ③ | コスト確認 | 業務システムごと | コストメリットがあるかを評価する | 表 8-1の⑨及び「4.2システム移行計画(1)」で作成した経費試算シートを参照すること |
| ④ | ガバメントクラウド移行決定 | 業務システムごと | 最終的にガバメントクラウドへ移行するか否かを判断する |
表4-1表 4‑1中の作業項目①、③、④については、作業に取りかかる前に以下の点に留意されたい。
①計画網羅性
本項では、地方公共団体は「4.2.システム移行計画」で作成した移行計画書が検討すべき項目を網羅できているかを別添の「移行計画チェックシート」を用いて評価する。
③コスト確認
本項では、移行対象システムの「4.1. 現行システム確認」で確認した現行の運用コストと、「4.2. システム移行計画」で作成した経費試算シートのランニングコストを参考としてガバメントクラウドに移行する場合のコストメリットを確認する。
④ガバメントクラウド移行決定
「4.2. システム移行計画」で策定したシステム移行計画及びRFIの結果、「4.3. ③コスト確認」を基に、ガバメントクラウドに移行するか、最終的な判断を行う。