本手順書の全体像

ガバメントクラウドへの移行に当たっては、「ガバメントクラウド移行計画」、「予算要求・調達」、「ガバメントクラウド利用開始」、「ガバメントクラウド利用中」及び「ガバメントクラウド利用終了」の5つのフェーズに沿った各作業が想定される(図 2‑1参照)。本手順書では、このうち「ガバメントクラウド利用開始」までの3つのフェーズと「ガバメントクラウド利用終了」のフェーズを中心に、それぞれの作業項目の詳細を後述する。既にガバメントクラウドへの移行を進めてきた地方公共団体も、自身の状況を確認するために併せて参照されたい。

本手順書では、「4.ガバメントクラウド移行計画」から「7.ガバメントクラウド利用終了」までで各作業の概要を解説し、「8.その他留意事項」で各作業の詳細な説明を記載している。地方公共団体は、まず4章から7章までを確認いただき、必要に応じて8章の内容も参照いただきたい。

また、ガバメントクラウドへの移行に当たっては、本手順書に記載した各作業のみならず、標準準拠システムへの移行(標準化対応)も並行して行うことが想定されるため、標準化対応と併せて早期にガバメントクラウド移行に向けた準備を開始することが望ましい。標準化手順書「第2章1.作業の全体像」も併せて確認した上で、検討すること。

また、地方公共団体の情報システムは多種多様であることから、早期に置かれた状況を把握し、現行システムの概要調査を実施すること等を経て、それぞれの地方公共団体の実情に応じた移行計画を作成し、ガバメントクラウドへの移行を進めることが重要となる。各作業項目への取り組みに当たっては、次の点にご留意いただきたい。

  1. 作業の順番・省略・委託について

図 2-1の作業項目4.1.から6.5.までは、地方公共団体側で想定される作業を順番に並べた一例である。それぞれの作業項目番号は本手順書の章節の番号となっており、本手順書ではこの順番での作業を想定しているが、各地方公共団体の情報システムの状況等に応じての作業手順の省略、順番の変更を妨げるものではない。

なお、図2-1の各作業を同時にまた円滑に進めるため、一部作業を事業者に委託することも考えられる。

また、一部、事業者に委託可能な作業の事例を、「8.(8)事業者に委託可能と考えられる作業の事例」に示す。

  1. 段階的な移行計画・運用設計

標準化対応中の環境は、ガバメントクラウド上で稼働するシステムと地方公共団体ごとの環境で稼働するシステムが併存するハイブリッド環境や段階的な移行となることによるシステムの併存運用期間が発生する可能性があるため、綿密な移行計画の策定やシステムの運用設計に留意する必要がある。特に複数のシステムを同時期にガバメントクラウドへ移行することを想定した横断的な全体移行計画の策定に加えて、システム移行後のパッチ適用やシステム監視等の管理や運用保守の変化を確認・調整することも重要である。

  1. 移行方式に応じた作業項目

システムの移行方式は、各地方公共団体において、アプリケーション開発事業者(Application Service Provider、以下「ASP」という。)の切り替えの有無に応じて表2-1に示すA又はBの2パターンに分類されることが想定される。パターンの検討に当たっては、ガバメントクラウドにおけるパッケージソフトの標準仕様対応への有無、提供可能時期等、ASPへ情報収集を行う必要がある。なおBパターンにおいては、図 2-1の作業項目の一部を省略することも考えられる。

表 2-1 システム移行に係る地方公共団体の類型

パターン 概要
Aパターン ASPの切り替えにより、標準化基準に適合するパッケージソフトを利用するパターン
Bパターン

ASPを切り替えず、標準化基準に適合するパッケージソフトにバージョンアップするパターン

※Bパターンの場合、以下の作業は省略することが考えられる。

・「4.2. システム移行計画」のRFIの実施

・「5.3. ガバメントクラウド運用管理補助者及び回線運用管理補助者等の調達手続き」のRFPの実施

・「5.4. 事業者選定及び契約手続き」のRFPの評価と事業者の選定