第2章 データ要件の標準について
2.1 データ要件の標準について
データ要件の標準は、(a)基本データリスト、(b)文字要件及び(c)データモデルで構成される。
標準準拠システムは、基本データリストに規定される全てのデータ項目を、当該データ項目に対応する属性(データ型及び桁数)及び(b)文字要件に従って、基本データリストに規定するグループを単位にして、任意のタイミングで入出力(外部ファイル)することができるようにしなければならない。
(c)データモデルは、データベースの実装を規定する標準仕様としてではなく、基本データリストのグループ間の関連を俯瞰して捉えられるようにするため論理レベルで整理したものであり、参考資料として位置づける。
2.2 基本データリスト
(1) 作成方針
基本データリストとは、標準化法における標準化対象事務ごとに、当該事務に係る機能標準化基準を実現するために必要なデータ項目及び属性(以下「データ項目等」という。)に係る標準を規定するものであり、(a)本体、(b)コード一覧及び(c)グループ構成表で構成される。
基本データリストを作成又は更新する際には、次の点を遵守する。
① 基本データリストのデータ項目は、機能標準化基準において当該データ項目を利用することとしている機能ID等と必ずリンクさせる。
② 機能標準化基準の「管理項目」において規定されているデータ項目は、標準準拠システムの実装において必ず保持すべきデータ項目であり、基本データリストにおいて必ず規定する。
③ 多様な主体との連携を行いやすくするため、デジタル庁が定める「政府相互運用性フレームワーク(GIF:Government Interoperability Framework)」やアドレス・ベース・レジストリなど、国際標準や国が定める各種標準と整合性を確保する。
(2) 各カラムの説明
(a) 本体
- データ項目ID
データ項目毎に一意に付与するIDであり、3桁の業務IDと5桁の項目コードを合わせた、合計8桁のIDである。
一度、付与したデータ項目IDは変更しない。
機能標準化基準が変更されること等に伴い、データ項目を削除することとなった場合、当該データ項目のデータ項目IDは欠番とする。
新たにデータ項目を規定する場合、付与済みの項目コードの末番の次の番号から順に、新たなデータ項目IDを付与することとする。
- データ項目
データ項目の名称である。
グループの中でデータ項目の名称を一意に定められない場合には、「●●」_「△△」のように_で繋ぎ、記載を詳細化することで、名称を一意に定めることとする。
なお、「児童生徒_宛名番号」や「保護者_宛名番号」のように、基本データリストで規定する他のデータ項目(この場合は「宛名番号」)を含むデータ項目において、「宛名番号」が意味することは同一となる。
- グループ_名称
標準化対象事務に従事する者にとって理解しやすく、意味のあるデータ項目のまとまりである「グループ」の名称である。
各標準化対象事務においてグループ名は一意に定めることとする。
「グループ」は、ファイルベースでデータ出力を行う際の「ファイル」の単位に該当する。
- グループ_主キー
グループの主キーとなるデータ項目のレコードに、「○」を記載している。
- グループ_外部キー
他グループと関連付けるための外部キーとなるデータ項目のレコードに、「○」を記載している。
- クラス分類(Lv1~Lv3)
標準化対象事務に従事する者にとっての理解を促すため、データ項目を3段階のクラスに分類(Lv1を最上位、Lv3を最下位とし、上位のクラスが、下位のクラスを包含する関係)している。
- データ型
データ項目のデータ型は以下、表:データ型に規定する。
【表:データ型】
項番 |
データ型 |
データ型の内容 |
備考 |
|---|---|---|---|
1 |
X |
半角文字列 |
|
2 |
N |
全角文字列 |
|
3 |
9 |
整数 |
|
4 |
9V |
小数点付き実数 |
|
5 |
S9 |
符号付き整数 |
負の場合は「-」を付ける |
6 |
BLOB |
画像 |
|
7 |
YEAR |
YYYY なお、期間等の範囲を指定する場合、不明や無期限の規定を以下のように規定する。 ・開始年:0000 ・終了年:9999 |
|
8 |
DATE |
YYYY-MM-DD 原則、不詳日を許容しない。ただし、項目説明に不詳日の記載があるものに限り、以下の規定のとおり不詳日を許容する。 ・年について 不明:0000 ・月について 不明:00 春 :A1 夏 :A2 秋 :A3 冬 :A4 ・日について 不明:00 上旬:A1 中旬:A2 下旬:A3 なお、期間等の範囲を指定する場合、不明や無期限の規定を以下のように規定する。 ・開始年月日:0000-01-01 ・終了年月日:9999-12-31 |
政府相互運用性フレームワーク(GIF)「コアデータパーツ日付及び時刻」の規定より |
9 |
TIME |
HH:MM:SS(秒は省略可能) ・HH:時間(24時間表記。1桁の場合には前に0をつける) ・MM:分(1桁の場合には前に0をつける) ・SS:秒(1桁の場合には前に0をつける) |
政府相互運用性フレームワーク(GIF)「コアデータパーツ日付及び時刻」の規定より |
- 桁数
データ項目の桁数(※)を規定している。
データ型が 9V(小数点付き実数)の場合には、桁数を「n,m」の形式で記載する。(整数部 n 桁以下、小数部 m 桁以下の正の実数)
※「⑦ データ型」に応じたデータの最大桁数(バイト数ではない)
- コード
データ項目の値について、類型化できるものについては、コード化し、コードのカラムに、コード一覧の番号(コードID)を記載している。コードIDの示す内容は、「コード一覧」シートを参照する。
他業務のコード値を参照するデータ項目に関しては、参照先の業務IDとそのコード値をハイフンで結合した形で表現している。
なお、類型化できないものについては、コード化しておらず、コードのカラムは空欄である。
- 繰り返し
データ項目の値が2個以上必要と考えられるが、機能標準化基準では個数が規定されていない項目について、最大個数を記載している。
また、出力については、繰り返しの値の数だけデータを作成することとし、管理する値がない場合においては、null又はEmpty(空値)を出力すること。
- データ出力条件
(A) 「⑯ 実装類型」が「◎」となっているデータ項目の値について次のとおりとする。
・データ出力条件が「必須」の場合は、null又はEmpty(空値)で出力することを許容せず、必ず値を保持しなければならない。
・データ出力条件が「条件付き必須」の場合であって、「⑬ 項目説明」のカラムにおいて「※※」として記載された条件に当てはまるときは、必ず値を保持しなければならない。
・データ出力条件が「任意」の場合は、null又はEmpty(空値)で出力することを許容する。
(B) 「⑯ 実装類型」が「○」となっているデータ項目の値について次のとおりとする。
(B-1)当該データ項目に関連する機能を実装する場合は、(A)に準じて出力する。
(B-2)当該データ項目に関連する機能を実装しない場合は、
・当該データ項目が属するグループに規定される全てのデータ項目の「⑯ 実装類型」が「○」となっている場合:出力不要
・それ以外の場合:null又はEmpty(空値)で出力する。
なお、当該データ項目に関連する機能を実装しない場合においても、当該データ項目を保持する場合は、当該データ項目を(A)に準じて出力する。
- 項目定義
データ項目について、どのようなデータ項目であるかを記載している。
- 項目説明
データ項目について、準拠する標準・規格、入力に関するルールなどを記載している。
- 標準仕様書関連箇所
データ項目について、機能標準化基準における関連箇所を記載している。
- サンプル値
データ項目に保持される値のサンプルを記載している。
- 実装類型
データ項目が、「⑭ 標準仕様書関連箇所」に記載する機能標準化基準の実装類型が「実装必須機能」であれば「◎」、同実装類型が「標準オプション機能」であれば「○」、「実装不可機能」であれば「×」と規定する。
- 備考
データ項目の改廃、名称の変更があった場合などの改定履歴等を記載している。
なお、一つのデータ項目において複数の改定履歴がある場合は、改定した順番に改定履歴を記載する。
例)
・データ要件・連携要件標準仕様書【第X.X版】にて追加
・データ要件・連携要件標準仕様書【第X.X版】にて修正
(b) コード一覧
コード一覧は、各標準化対象事務内において共通するコードを規定する。
- コードID
コード一覧に規定するコードに一意に付与する3桁のIDである。
なお、「999」と規定したものは、地方公共団体が任意に規定するコードを用いる場合(地区管理コードなど)のコードである。
- コード名
当該コードの名称である。
- コード値
コードの値である。
コード値を変更する場合には、他のコード値の順番を変更するような追加・修正・削除は回避する。
仮に、既存の順番を変更する等の大幅な変更をする必要がある場合は、地方公共団体や事業者に対し、当該変更に係る十分な周知等を行う。
- コード値の内容
「③コード値」で規定する各値が示す内容である。
- 備考
コード値やコード値の内容を引用している場合の引用元など、当該コードを補足する事項を記載する。
(c) グループ構成表
グループ構成表は当該標準準拠システムが出力するグループを規定する。
- グループID
グループ毎に一意に付与するIDであり、3桁の業務IDと3桁のグループコードを合わせた、合計6桁のIDである。
一度、付与したグループIDは変更しない。
機能標準化基準が変更されること等に伴い、グループを削除することとなった場合、当該グループのグループIDは欠番とする。
新たにグループを規定する場合、付与済みのグループコードの末番の次の番号から順に、新たなグループIDを付与することとする。
- グループ名
当該グループの名称である。
- 項目説明
グループについての情報を記載している。
- グループ単位の出力条件
グループ単位の出力条件を規定する。
当該グループが実装必須機能にあたる場合は「グループの出力条件」のカラムが「必須」、標準オプション機能の場合は「任意」となる。
- 基本データリストの記載有無
当該グループが基本データリストに規定されているかを表す。
基本データリストに規定されているグループは、「基本データリストの記載有無」のカラムが「有」となる。
外部IF等で明示的データレイアウトが定められ、そのまま標準準拠システムに取り込むようなデータについては、基本データリストに規定せずグループ構成表のみに記載する。また、「基本データリストの記載有無」のカラムが「無」となる。
- 備考
留意事項を記載している。
2.3 文字要件
(1) 文字の標準化により目指す姿
文字の標準化については、(2)に掲げる文字要件を適用することで、文字情報基盤の文字セット(以下「MJ」という。)に、基幹業務システムのその他の文字セットの文字のうち、MJに同定できない文字であって標準準拠システムの運用上必要な文字を加えた文字セット(MJを拡張した文字セット。以下「行政事務標準文字」という。)を活用する。
標準準拠システムの導入後においては、基幹業務システムで使用されていた従来の文字セットを行政事務標準文字に一意に同定することで、標準準拠システムを導入する前に地方公共団体がそれぞれ独自に作成した文字、いわゆる「外字」について、行政事務標準文字と同定した文字を利用することにより、当該「外字」を使用せず(※)、また、新たな「外字」も発生させないことを目指す。
※ 「外字」には様々な定義があるが、ここでは、「使用するシステムに標準で搭載されず、特別に追加で作られた文字であって、ユーザが独自に設定するため基幹業務システム間での連携はできないもの」と定義しており、「外字」を、行政事務標準文字に対応付け、基幹業務システム間で連携できる形にすることによって、「外字」ではなくなる、という整理をしたもの。
文字フォント、基幹業務システムで使用されていた従来の文字セットから行政事務標準文字への同定支援ツール及び行政事務標準文字からJIS X 0213への代替マップについては、関係機関との連携の下、デジタル庁において整備・運用することとし、地方公共団体等に提供する。
(2) 文字セット、文字コード及び文字フォント
各標準準拠システムが保持する氏名等(氏名/旧氏/通称、世帯主の氏名、本籍、筆頭者及び住所/方書(左記の情報を基に記録される他の項目も含む。以下同じ。))の文字セットは行政事務標準文字とする。行政事務標準文字のうち、漢字及び変体仮名は、デジタル庁のウェブサイトに掲載している「行政事務標準文字の文字図形一覧表」に掲げるものとし、それ以外の文字はJIS X 0221によるものとする。各標準準拠システムにおける氏名等以外の文字セットは行政事務標準文字又はJIS X 0213とし、いずれの場合も文字コードはJIS X 0221とする。
全ての標準準拠システム間において氏名等を情報連携する場合の文字セットは、行政事務標準文字とし、文字コードは、JIS X 0221とする。氏名等以外を情報連携する場合の文字セットは行政事務標準文字又はJIS X 0213とし、文字コードは、JIS X 0221とする。
また、統一的な文字の連携規定がある外部システムとの連携は、当該外部システムに係る接続仕様書によることとし、スマートフォンとの連携又は統一的な文字の連携規定がない外部システムとの連携は、JIS X 0213を使用することとする。
独自施策システムとの連携は、各システムでの要件に応じて行政事務標準文字又はJIS X 0213を使用し、文字コードはJIS X 0221とする。
標準準拠システムにおいて、文字フォントに収録されていない文字を受信した際には、アラート等を表示して注意喚起をすることも可能とする。
氏名等の文字フォントについては、以下の字形を参考に、各システムで必要とされる文字フォントを用意し、実装することとする。
-
行政事務標準文字のうち一般社団法人文字情報技術促進協議会が定めたIPAmj 明朝フォントに実装されている文字については、その字形を参考とする。
-
行政事務標準文字のうち、IPAmj 明朝フォントに実装されていない文字については、デジタル庁のウェブサイトに掲載している「行政事務標準文字の文字図形一覧表」を参考とする。
氏名等以外の文字フォントについては任意とする。
(3) 経過措置
戸籍システム及び戸籍附票システム(以下「戸籍等システム」という。)は、従来の文字セットを、行政事務標準文字と対応させて保持することで、従来の文字セット、文字コード及び文字フォントを使用することを経過措置として可能とする。
また、戸籍等システム以外のシステムは、従来の文字セットを、行政事務標準文字と対応させて保持することで、従来の文字セット、文字コード及び文字フォントを使用することを経過措置として可能とする。この経過措置の期間については、特定移行支援システムの移行完了の期限を目途とし、移行状況等を踏まえ、デジタル庁及び総務省において必要に応じて見直すこととする。
ただし、これらの経過措置を適用する場合においても、標準準拠システムから他の標準準拠システムに情報連携する場合には、行政事務標準文字を使用することとする。
(4) 文字符号化方式
各標準準拠システムの間の連携のための符号化方式については、UTF-8とする。
2.4 データモデル(ER図)
地方公共団体、事業者及び制度所管省庁の職員が、基本データリストのグループ間の関連を俯瞰して捉えられるようにするための論理モデルとして、ER図を示している。
具体的には、基本データリストのデータ項目の「グループ」、「グループ_主キー」及び「グループ_外部キー」を用いてグループ間の関連性を整理している。