6 個人情報保護法の主な規定
個人情報取扱事業者(同法第58条第2項の規定により同法第16条第2項に規定する個人情報取扱事業者とみなされる同法第58条第2項各号に掲げる者を含む。)は、特定個人情報の取扱いについて、次のとおり個人情報保護法の適用を受けるので留意する必要がある(番号法第30条第2項により個人情報保護法第18条第3項第3号から第6号、第20条第2項及び第27条から第30条までの規定は適用除外 )。
なお、個人情報保護法第58条で適用が除外されている規定はこの限りではない。
A 利用目的の特定(個人情報保護法第17条)
a 利用目的の特定(第1項)
個人情報取扱事業者は、個人情報を取り扱うに当たっては、その利用目的をできる限り特定しなければならない。
b 利用目的の変更(第2項)
個人情報取扱事業者は、利用目的を変更する場合には、変更前の利用目的と関連性を有すると合理的に認められる範囲を超えて行ってはならない。
B 利用目的の通知等(個人情報保護法第21条)
a 利用目的の通知等(第1項)
個人情報取扱事業者は、個人情報を取得した場合は、あらかじめその利用目的を公表している場合を除き、速やかに、その利用目的を、本人に通知し、又は公表しなければならない。
b 利用目的の明示(第2項)
個人情報取扱事業者は、aの規定にかかわらず、本人との間で契約を締結することに伴って契約書その他の書面(電磁的記録を含む。以下bにおいて同じ。)に記載された当該本人の個人情報を取得する場合その他本人から直接書面に記載された当該本人の個人情報を取得する場合は、あらかじめ、本人に対し、その利用目的を明示しなければならない。ただし、人の生命、身体又は財産の保護のために緊急に必要がある場合は、この限りでない。
c 変更された利用目的の通知等(第3項)
個人情報取扱事業者は、利用目的を変更した場合は、変更された利用目的について、本人に通知し、又は公表しなければならない。
d 適用除外(第4項)
aからcまでの規定は、ⅰ本人等の権利利益を害するおそれがある場合、ⅱ当該個人情報取扱事業者の権利又は正当な利益を害するおそれがある場合、ⅲ国の行政機関又は地方公共団体が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき、ⅳ取得の状況からみて利用目的が明らかであると認められる場合には、適用しない。
C 不適正な利用の禁止(個人情報保護法第19条)
個人情報取扱事業者は、違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがある方法により個人情報を利用してはならない。
D データ内容の正確性の確保等(個人情報保護法第22条)
個人情報取扱事業者は、利用目的の達成に必要な範囲内において、個人データを正確かつ最新の内容に保つとともに、利用する必要がなくなったときは、当該個人データを遅滞なく消去するよう努めなければならない。
E 適正取得(個人情報保護法第20条第1項)
個人情報取扱事業者は、偽りその他不正の手段により個人情報を取得してはならない。
F 漏えい等の報告等(個人情報保護法第26条)
a 委員会への報告(第1項)
個人情報取扱事業者は、その取り扱う個人データの漏えい、滅失、毀損その他の個人データの安全の確保に係る事態であって個人の権利利益を害するおそれが大きいものとして個人情報保護法施行規則第7条で定めるものが生じたときは、個人情報保護法施行規則第8条で定めるところにより、当該事態が生じた旨を個人情報保護委員会に報告しなければならない。ただし、当該個人情報取扱事業者が、他の個人情報取扱事業者又は行政機関等から当該個人データの取扱いの全部又は一部の委託を受けた場合であって、個人情報保護法施行規則第9条で定めるところにより、当該事態が生じた旨を当該他の個人情報取扱事業者又は行政機関等に通知したときは、この限りでない。
b 本人への通知(第2項)
aに規定する場合には、個人情報取扱事業者(同項ただし書の規定による通知をした者を除く。)は、本人に対し、個人情報保護法施行規則第10条で定めるところにより、当該事態が生じた旨を通知しなければならない。ただし、本人への通知が困難な場合であって、本人の権利利益を保護するため必要なこれに代わるべき措置をとるときは、この限りでない。
G 保有個人データに関する事項の公表等(個人情報保護法第32条、個人情報保護法施行令第10条)
a 保有個人データに関する事項の公表(第1項)
個人情報取扱事業者は、保有個人データに関し、ⅰ当該個人情報取扱事業者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名、ⅱ全ての保有個人データの利用目的(Bdⅰからⅲまでに該当する場合を除く。)、ⅲ利用目的の通知、開示、訂正等、利用停止等による請求に応じる手続等、ⅳⅰからⅲまでに掲げるもののほか、保有個人データの適正な取扱いの確保に関し必要な事項として個人情報保護法施行令第10条で定めるものについて、本人の知り得る状態(本人の求めに応じて遅滞なく回答する場合を含む。)に置かなければならない。
b 利用目的の通知の求め(第2項)
個人情報取扱事業者は、本人から、当該本人が識別される保有個人データの利用目的の通知を求められたときは、本人に対し、遅滞なく、これを通知しなければならない。ただし、ⅰaの規定により当該本人が識別される保有個人データの利用目的が明らかな場合、ⅱBdⅰからⅲまでに該当する場合のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
c 本人に対する通知(第3項)
個人情報取扱事業者は、bの規定に基づき求められた保有個人データの利用目的を通知しない旨の決定をしたときは、本人に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。
H 開示(個人情報保護法第33条)
a 開示の請求(第1項)
本人は、個人情報取扱事業者に対し、当該本人が識別される保有個人データの電磁的記録の提供による方法その他の個人情報保護法施行規則第30条で定める方法による開示を請求することができる。
b 開示(第2項)
個人情報取扱事業者は、aの規定による請求を受けたときは、本人に対し、aの規定により当該本人が請求した方法(当該方法による開示に多額の費用を要する場合その他の当該方法による開示が困難である場合にあっては、書面の交付による方法)により、遅滞なく、当該保有個人データを開示しなければならない。ただし、開示することにより、ⅰ本人等の権利利益を害するおそれがある場合、ⅱ当該個人情報取扱事業者の業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、ⅲ他の法令に違反することとなる場合のいずれかに該当する場合は、その全部又は一部を開示しないことができる。
c 本人に対する通知(第3項)
個人情報取扱事業者は、aの規定による請求に係る保有個人データの全部若しくは一部について開示しない旨の決定をしたとき、又は当該保有個人データが存在しないとき、又はaの規定により本人が請求した方法による開示が困難であるときは、本人に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。
d 他の法令による開示(第4項)
他の法令の規定により、本人に対しbの本文に規定する方法に相当する方法により当該本人が識別される保有個人データの全部又は一部を開示することとされている場合には、当該全部又は一部の保有個人データについては、a及びbの規定は、適用しない。
I 訂正等(個人情報保護法第34条)
a 訂正等の請求(第1項)
本人は、個人情報取扱事業者に対し、当該本人が識別される保有個人データの内容が事実でないときは、当該保有個人データの内容の訂正、追加又は削除(以下Iにおいて「訂正等」という。)を請求することができる。
b 訂正等(第2項)
個人情報取扱事業者は、aの規定による請求を受けた場合には、その内容の訂正等に関して他の法令の規定により特別の手続が定められている場合を除き、利用目的の達成に必要な範囲内において、遅滞なく必要な調査を行い、その結果に基づき、当該保有個人データの内容の訂正等を行わなければならない。
c 本人に対する通知(第3項)
個人情報取扱事業者は、aの規定による請求に係る保有個人データの内容の全部若しくは一部について訂正等を行ったとき、又は訂正等を行わない旨の決定をしたときは、本人に対し、遅滞なく、その旨(訂正等を行ったときは、その内容を含む。)を通知しなければならない。
J 利用停止等(個人情報保護法第35条)
a 利用停止等の請求(第1項)
本人は、個人情報取扱事業者に対し、当該本人が識別される保有個人データが1-⑴1B(利用目的を超えた個人番号の利用禁止)の規定に違反して取り扱われているとき若しくはC又はEの規定に違反して取得されたものであるときは、当該保有個人データの利用の停止又は消去(以下Jにおいて「利用停止等」という。)を請求することができる。
b 利用停止等(第2項)
個人情報取扱事業者は、aの規定による請求を受けた場合であって、その請求に理由があることが判明したときは、違反を是正するために必要な限度で、遅滞なく、当該保有個人データの利用停止等を行わなければならない。ただし、当該保有個人データの利用停止等に多額の費用を要する場合その他の利用停止等を行うことが困難な場合であって、本人の権利利益を保護するため必要なこれに代わるべき措置をとるときは、この限りでない。
c 利用停止等又は第三者への提供の停止の請求(第5項)
本人は、個人情報取扱事業者に対し、当該本人が識別される保有個人データを当該個人情報取扱事業者が利用する必要がなくなった場合、Fに規定する事態が生じた場合その他当該本人が識別される保有個人データの取扱いにより当該本人の権利又は正当な利益が害されるおそれがある場合には、当該保有個人データの利用停止等又は第三者への提供の停止を請求することができる。
d 利用停止等又は第三者への提供の停止(第6項)
個人情報取扱事業者は、前項の規定による請求を受けた場合であって、その請求に理由があることが判明したときは、本人の権利利益の侵害を防止するために必要な限度で、遅滞なく、当該保有個人データの利用停止等又は第三者への提供の停止を行わなければならない。ただし、当該保有個人データの利用停止等又は第三者への提供の停止に多額の費用を要する場合その他の利用停止等又は第三者への提供の停止を行うことが困難な場合であって、本人の権利利益を保護するため必要なこれに代わるべき措置をとるときは、この限りでない。
e 本人に対する通知(第7項)
個人情報取扱事業者は、a若しくはcの規定による請求に係る保有個人データの全部若しくは一部について利用停止等を行ったとき若しくは利用停止等を行わない旨の決定をしたとき、又は4(第三者提供の停止に関する取扱い)若しくはcの規定による請求に係る保有個人データの全部若しくは一部について第三者への提供を停止したとき若しくは第三者への提供を停止しない旨の決定をしたときは、本人に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。
K 理由の説明(個人情報保護法第36条)
個人情報取扱事業者は、Gc、Hc、Ic又はJeの規定により、本人から求められ、又は請求された措置の全部又は一部について、その措置をとらない旨を通知する場合又はその措置と異なる措置をとる旨を通知する場合は、本人に対し、その理由を説明するよう努めなければならない。
L 開示等の請求等に応じる手続(個人情報保護法第37条、個人情報保護法施行令第12条、第13条)
a 開示等の請求の受付方法(第1項)
個人情報取扱事業者は、Gbの規定による求め又はHa、Ia若しくはJa、4(第三者提供の停止に関する取扱い)若しくはJcの規定による請求(以下Lにおいて「開示等の請求等」という。)に関し、個人情報保護法施行令第12条で定めるところにより、その求め又は請求を受け付ける方法を定めることができる。この場合において、本人は、当該方法に従って、開示等の請求等を行わなければならない。
b 特定するに足りる事項の提示(第2項)
個人情報取扱事業者は、本人に対し、開示等の請求等に関し、その対象となる保有個人データを特定するに足りる事項の提示を求めることができる。この場合において、個人情報取扱事業者は、本人が容易かつ的確に開示等の請求等をすることができるよう、当該保有個人データの特定に資する情報の提供その他本人の利便を考慮した適切な措置をとらなければならない。
c 代理人(第3項)
開示等の請求等は、個人情報保護法施行令第13条で定めるところにより、代理人によってすることができる。
d 本人に対する配慮(第4項)
個人情報取扱事業者は、aからcまでの規定に基づき開示等の請求等に応じる手続を定めるに当たっては、本人に過重な負担を課するものとならないよう配慮しなければならない。
M 手数料(個人情報保護法第38条)
a 手数料の徴収(第1項)
個人情報取扱事業者は、Gbの規定による利用目的の通知を求められたとき、又はHaの規定による開示の請求を受けたときは、当該措置の実施に関し、手数料を徴収することができる。
b 手数料の額の定め(第2項)
個人情報取扱事業者は、aの規定により手数料を徴収する場合は、実費を勘案して合理的であると認められる範囲内において、その手数料の額を定めなければならない。
N 事前の請求(個人情報保護法第39条)
a 事前の請求(第1項)
本人は、Ha、Ia又はJa、4(第三者提供の停止に関する取扱い)若しくはJcの規定による請求に係る訴えを提起しようとするときは、その訴えの被告となるべき者に対し、あらかじめ、当該請求を行い、かつ、その到達した日から2週間を経過した後でなければ、その訴えを提起することができない。ただし、当該訴えの被告となるべき者がその請求を拒んだときは、この限りでない。
b みなす規定(第2項)
aの請求は、その請求が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
c 仮処分命令の申立てについての準用(第3項)
a及びbの規定は、Ha、Ia又はJa、4(第三者提供の停止に関する取扱い)若しくはJcの規定による請求に係る仮処分命令の申立てについて準用する。
O 苦情の処理(個人情報保護法第40条)
a 苦情の処理(第1項)
個人情報取扱事業者は、個人情報の取扱いに関する苦情の適切かつ迅速な処理に努めなければならない。
b 体制の整備(第2項)
個人情報取扱事業者は、aの目的を達成するために必要な体制の整備に努めなければならない。