第4-7 個人番号利用事務実施者である健康保険組合等における措置等

個人番号利用事務実施者である健康保険組合等は、第4-1から6までに加えて、次に掲げる措置等について留意する必要がある。

1 地方公共団体情報システム機構に対する機構保存本人確認情報についての提供の要求(番号法第14条第2項、番号法施行令第11条)
健康保険組合等の個人番号利用事務実施者(番号法第9条第3項の規定により情報提供用個人識別符号を利用する者を除く。以下本項において同じ。) のうち番号法施行令第11条で定める者(住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)別表第1から別表第4までの上欄に掲げる者及び同法第30条の10第1項第2号、第30条の11第1項第2号、第30条の12第1項第2号、第30条の15の2第1項、第30条の44の3第1項第2号、第30条の44の4第1項第2号、第30条の44の5第1項第2号又は第30条の44の7第1項に規定する場合においてこれらの規定に規定する求めをした者)は、個人番号利用事務の対象者の個人番号が判明していない場合等、個人番号利用事務を処理するために必要があるときは、地方公共団体情報システム機構に対し、個人番号等の機構保存本人確認情報(住民基本台帳法第30条の7第4項)又は機構保存附票本人確認情報(同法第30条の42第4項)の提供を求めることができる。

2 情報提供ネットワークシステムによる利用特定個人情報の情報連携等
健康保険組合等は「情報提供ネットワークシステム」を使用して利用特定個人情報の情報連携を行うことができる(第4-3-⑵2Bf「情報提供ネットワークシステムによる提供」)。

A 情報提供ネットワークシステムによる利用特定個人情報の情報連携
「情報提供ネットワークシステム」とは、番号法第19条第8号又は第9号の規定に基づき、行政機関等及び健康保険組合等の間で、利用特定個人情報(注1)について安全かつ効率的に情報連携を行うためのシステムである。このシステムを使用して利用特定個人情報に関する情報連携を行うことができる事務については、特定個人番号利用事務(注2)及び同法第9条第2項の規定に基づいて条例で定める事務のうち特定個人番号利用事務に準ずるものとして委員会規則で定めるものに限定されている。

※ 情報提供ネットワークシステムを使用して利用特定個人情報の提供を求める者を「情報照会者」(番号法第19条第8号)又は「条例事務関係情報照会者」(同法第19条第9号)といい、当該利用特定個人情報を保有し情報提供ネットワークシステムを使用して提供する者を「情報提供者」(同法第19条第8号)又は「条例事務関係情報提供者」(同法第19条第9号)という。また、番号法第19条第8号の規定に基づいて行う情報連携に関する事務を「情報提供等事務」といい、同法第19条第9号の規定に基づいて行う情報連携に関する事務を「条例事務関係情報提供等事務」という(同法第24条、第26条)。

a 情報提供ネットワークシステム(番号法第21条、第26条)
情報提供ネットワークシステムは、内閣総理大臣が、委員会と協議の上、設置し、管理するものであり、番号法第19条第8号又は第9号に基づいて、情報照会者又は条例事務関係情報照会者から利用特定個人情報の提供の求めがあった場合、内閣総理大臣は、情報提供ネットワークシステムを使用して、その旨を情報提供者又は条例事務関係情報提供者に通知しなければならない。

〈参考〉取得番号の取扱いに係る留意事項
情報連携に必要な情報提供用個人識別符号(番号法第9条第3項に規定する情報提供用個人識別符号をいう。)の取得に当たって用いられる符号である取得番号(同法第21条の2第2項に規定する取得番号をいう。)に関しては、同条第3項において、「情報照会者又は情報提供者は、情報提供用個人識別符号の取得に係る事務を行う目的の達成に必要な範囲を超えて、取得番号を保有してはならない」旨、及び同条第6項において、「取得番号の提供を受けた者は、その提供を受けた目的の達成に必要な範囲を超えて、当該取得番号を保有してはならない」旨、それぞれ規定されている。

したがって、情報連携を行う事業者である健康保険組合等及び取得番号の提供を受けた者は、情報提供用個人識別符号の取得後、当該情報提供用個人識別符号の取得に係る事務を処理する必要がなくなった場合には、取得番号を削除する必要がある。

b 利用特定個人情報の提供(番号法第22条、第26条)
情報提供者又は条例事務関係情報提供者は、内閣総理大臣から通知を受けたときは、情報照会者又は条例事務関係情報照会者から求められている利用特定個人情報を提供しなければならない。

法令又は条例の規定により当該利用特定個人情報と同一の内容の書面の提出が義務付けられている場合、情報提供ネットワークシステムを使用して情報提供者又は条例事務関係情報提供者から利用特定個人情報が提供されたときには、その書面の提出があったものとみなされる。

* 健康保険組合が被保険者の被扶養者の認定を行う場合には、被保険者は、事業主を通じて健康保険組合に対し、被扶養者に係る課税(非課税)証明書、年金額改定通知書等の写しを提出する必要がある(健康保険法施行規則(大正15年内務省令第36号)第38条等)が、情報提供ネットワークシステムを使用して、被扶養者の年間収入額、年金受給額の提供が行われた場合には、被保険者は被扶養者に係るこれらの添付書類を提出する必要がなくなる。

B 情報提供等の記録(番号法第23条、第26条、番号法施行令第30条、第31条)
内閣総理大臣、情報照会者及び情報提供者又は条例事務関係情報照会者及び条例事務関係情報提供者は、番号法第19条第8号又は第9号の規定に基づく利用特定個人情報の提供の求め又は提供があった場合には、情報提供ネットワークシステムに接続されたその者の使用する電子計算機(内閣総理大臣においては情報提供ネットワークシステム)に、情報照会者及び情報提供者又は条例事務関係情報照会者及び条例事務関係情報提供者の名称、提供の求め及び提供の日時、利用特定個人情報の項目等を記録し、7年間保存しなければならない。

C 秘密の管理等(番号法第24条、第25条、第26条)
内閣総理大臣、情報照会者及び情報提供者又は条例事務関係情報照会者及び条例事務関係情報提供者は、情報提供等事務又は条例事務関係情報提供等事務に関する秘密について、その漏えいの防止その他の適切な管理のために、情報提供ネットワークシステム並びに情報照会者及び情報提供者又は条例事務関係情報照会者及び条例事務関係情報提供者が情報提供等事務又は条例事務関係情報提供等事務に使用する電子計算機の安全性及び信頼性を確保することその他の必要な措置を講じなければならない。 また、情報提供等事務若しくは条例事務関係情報提供等事務又は情報提供ネットワークシステムの運営に関する事務に従事する者又は従事していた者は、その業務に関して知り得た当該事務に関する秘密を漏らし、又は盗用してはならない。

D 情報提供等の記録の取扱い(番号法第31条第3項)
情報提供等の記録については、番号法第31条第3項によって個人情報保護法が準用又は読み替えて準用されることから、次のとおり取り扱わなければならない。

この場合、情報提供等の記録については、情報提供ネットワークシステムと接続された中間サーバにおいて保管、管理されていることから、中間サーバにおける適正な取扱いが確保されなければならない。

a 利用目的を超えた利用の禁止(番号法第31条第3項により読み替えて準用される個人情報保護法第69条第1項)
利用目的を超えて情報提供等の記録を利用してはならない。

b 利用目的の特定(番号法第31条第3項により準用される個人情報保護法第61条第1項及び第3項)
個人情報の保有に当たっては、法令の定める業務を遂行するため必要な場合に限り、かつ、その利用目的をできる限り特定しなければならないとされているが、情報提供等の記録の場合には、本人からの請求に応じること(法令上の義務)等が目的となる。

情報提供等の記録の利用目的を変更する場合には、変更前の利用目的と相当の関連性を有すると合理的に認められる範囲を超えて行ってはならない。

c 正確性の確保(番号法第31条第3項により準用される個人情報保護法第65条)
利用目的の達成に必要な範囲内で、情報提供等の記録が過去又は現在の事実と合致するよう努めなければならない。

d 保有の制限(番号法第31条第3項により準用される個人情報保護法第61条第2項)
利用目的の達成に必要な範囲を超えて情報提供等の記録を保有してはならない。

e 適正取得(番号法第31条第3項により準用される個人情報保護法第64条)
偽りその他不正の手段により情報提供等の記録を取得してはならない。

f 安全確保の措置(番号法第31条第3項により準用される個人情報保護法第66条第1項(同条第2項(第1号及び第5号(同項第1号に係る部分に限る。)に係る部分に限る。)において準用する場合も含む。))
情報提供等の記録の漏えい、滅失又は毀損の防止等情報提供等の記録の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。この規定は、健康保険組合等から情報提供等の記録の取扱いについて、委託を受けた者が受託した業務を行う場合にも適用される。

g 従業者の義務(番号法第31条第3項により準用される個人情報保護法第67条)
情報提供等の記録の取扱いに従事する健康保険組合等の従業者及び健康保険組合等から受託した業務に従事している者等は、業務に関して知り得た情報提供等の記録の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用してはならない。

h 開示
情報提供等の記録の開示については、個人情報保護法第76条から第84条まで、第86条、第87条、第89条第4項から第6項までが準用される。なお、次に掲げる事項については、番号法第31条第3項によって読み替えて準用されるため留意する必要がある。

① 第三者に対する意見書提出の機会の付与等(番号法第31条第3項により読み替えて準用される個人情報保護法第86条第1項、番号法第31条第3項により準用される個人情報保護法第86条第2項)
健康保険組合等は、情報提供等の記録の開示請求が行われた場合、その情報提供等の記録の中に国、独立行政法人等、地方公共団体、地方独立行政法人、開示請求者及び開示請求を受けた者以外の者(以下「第三者」という。)に関する情報が含まれている場合には、その「第三者」に対し意見書を提出する機会を与えることができる。また、一定の場合には意見書を提出する機会を与えなければならないが、健康保険組合等自身は、「第三者」に当たらない。

② 開示の手数料(番号法第31条第3項により読み替えて準用される個人情報保護法第89条第4項)
健康保険組合等は、開示の実施に関し、手数料を徴収することができる。

ⅰ 訂正等
情報提供等の記録の訂正等については、個人情報保護法第90条から第95条まで及び第97条が準用される。なお、次に掲げる事項については、番号法第31条第3項によって読み替えて準用されるため留意する必要がある。

① 情報提供等の記録の提供先への通知(番号法第31条第3項により読み替えて準用される個人情報保護法第97条)
情報提供等の記録の訂正等が行われた場合において、必要があると認めるときは、内閣総理大臣及び情報照会者若しくは情報提供者又は条例事務関係情報照会者若しくは条例事務関係情報提供者に対し、遅滞なく、その旨を書面により通知しなければならない。

j 開示請求等をしようとする者に対する情報の提供等(番号法第31条第3項により準用される個人情報保護法第127条)
開示請求、訂正請求又は利用停止請求(以下「開示請求等」という。)をしようとする者がそれぞれ容易かつ的確に開示請求等をすることができるよう、情報提供等の記録の特定に資する情報の提供その他開示請求等をしようとする者の利便を考慮した適切な措置を講じなければならない。