第4-6 個人情報保護法の主な規定
行政機関等は、特定個人情報の適正な取扱いについて、次のとおり個人情報保護法の適用を受けるので留意する必要がある。具体的な取扱いについては、個人情報保護法ガイドライン(行政機関等編)によることを前提としている。
なお、個人情報保護法第58条第1項各号に掲げる法人は、個人情報保護法第125条により適用される規定があるので留意する必要がある。
A 個人情報の保有の制限等(個人情報保護法第61条)
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a 利用目的の特定(第1項)
行政機関等は、個人情報を保有するに当たっては、法令の定める所掌事務又は業務を遂行するため必要な場合に限り、かつ、その利用の目的をできる限り特定しなければならない。
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b 保有の制限(第2項)
行政機関等は、aの規定により特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を保有してはならない。
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c 利用目的の変更(第3項)
行政機関等は、利用目的を変更する場合には、変更前の利用目的と相当の関連性を有すると合理的に認められる範囲を超えて行ってはならない。
B 利用目的の明示(個人情報保護法第62条)
行政機関等は、本人から直接書面(電磁的記録を含む。)に記録された当該本人の個人情報を取得するときは、次に掲げる場合を除き、あらかじめ、本人に対し、その利用目的を明示しなければならない。
- 一 人の生命、身体又は財産の保護のために緊急に必要があるとき。
- 二 利用目的を本人に明示することにより、本人又は第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれがあるとき。
- 三 利用目的を本人に明示することにより、国の機関、独立行政法人等、地方公共団体又は地方独立行政法人が行う事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。
- 四 取得の状況からみて利用目的が明らかであると認められるとき。
C 不適正な利用の禁止(個人情報保護法第63条)
行政機関の長等は、違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがある方法により個人情報を利用してはならない。
D 適正な取得(個人情報保護法第64条)
行政機関の長等は、偽りその他不正の手段により個人情報を取得してはならない。
E 保有個人情報の正確性の確保(個人情報保護法第65条)
行政機関の長等は、利用目的の達成に必要な範囲内で、保有個人情報が過去又は現在の事実と合致するよう努めなければならない。
F 漏えい等の報告等(個人情報保護法第68条)
a 委員会への報告(第1項)
行政機関の長等は、保有個人情報の漏えい、滅失、毀損その他の保有個人情報の安全の確保に係る事態であって個人の権利利益を害するおそれが大きいものとして個人情報保護法施行規則第43条で定めるものが生じたときは、個人情報保護法施行規則第44条で定めるところにより、当該事態が生じた旨を個人情報保護委員会に報告しなければならない。
b 本人への通知(第2項)
aに規定する場合には、行政機関の長等は、本人に対し、個人情報保護法施行規則第45条で定めるところにより、当該事態が生じた旨を通知しなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
- 一 本人への通知が困難な場合であって、本人の権利利益を保護するため必要なこれに代わるべき措置をとるとき。
- 二 当該保有個人情報に個人情報保護法第78条第1項各号に掲げる情報のいずれかが含まれるとき。
G 個人情報ファイル簿の作成及び公表(個人情報保護法第75条)
a 個人情報ファイル簿の作成及び公表(第1項)
行政機関の長等は、個人情報保護法施行令第21条で定めるところにより、当該行政機関の長等の属する行政機関等が保有している個人情報ファイルについて、それぞれ次に掲げる事項を記載した帳簿(以下「個人情報ファイル簿」という。)を作成し、公表しなければならない。
- 一 個人情報ファイルの名称
- 二 当該機関の名称及び個人情報ファイルが利用に供される事務をつかさどる組織の名称
- 三 個人情報ファイルの利用目的
- 四 個人情報ファイルに記録される項目(以下Gにおいて「記録項目」という。)及び本人(他の個人の氏名、生年月日その他の記述等によらないで検索し得る者に限る。bにおいて同じ。)として個人情報ファイルに記録される個人の範囲(以下Gにおいて「記録範囲」という。)
- 五 個人情報ファイルに記録される個人情報(以下Gにおいて「記録情報」という。)の収集方法
- 六 記録情報に要配慮個人情報が含まれるときは、その旨
- 七 記録情報を当該機関以外の者に経常的に提供する場合には、その提供先
- 八 開示、訂正又は利用停止の請求を受理する組織の名称及び所在地
- 九 訂正又は利用の停止、消去若しくは提供の停止について他の法律又はこれに基づく命令により特別の手続が定められているときは、その旨
- 十 その他個人情報保護法施行令第21条で定める事項
b 個人情報ファイル簿への掲載の適用除外(第2項)
aの規定は、次に掲げる個人情報ファイルについては、適用しない。
- ① 個人情報保護法第74条第2項第1号から第10号に掲げる個人情報ファイル(第1号)
- 一 国の安全、外交上の秘密その他の国の重大な利益に関する事項を記録する個人情報ファイル
- 二 犯罪の捜査、租税に関する法律の規定に基づく犯則事件の調査又は公訴の提起若しくは維持のために作成し、又は取得する個人情報ファイル
- 三 当該機関の職員又は職員であった者に係る個人情報ファイルであって、専らその人事、給与若しくは福利厚生に関する事項又はこれらに準ずる事項を記録するもの(当該機関が行う職員の採用試験に関する個人情報ファイルを含む。)
- 四 専ら試験的な電子計算機処理の用に供するための個人情報ファイル
- 五 個人情報保護法第74条第1項の規定による通知に係る個人情報ファイルに記録されている記録情報の全部又は一部を記録した個人情報ファイルであって、その利用目的、記録項目及び記録範囲が当該通知に係るこれらの事項の範囲内のもの
- 六 1年以内に消去することとなる記録情報のみを記録する個人情報ファイル
- 七 資料その他の物品若しくは金銭の送付又は業務上必要な連絡のために利用する記録情報を記録した個人情報ファイルであって、送付又は連絡の相手方の氏名、住所その他の送付又は連絡に必要な事項のみを記録するもの
- 八 職員が学術研究の用に供するためその発意に基づき作成し、又は取得する個人情報ファイルであって、記録情報を専ら当該学術研究の目的のために利用するもの
- 九 本人の数が個人情報保護法施行令第20条で定める数に満たない個人情報ファイル
- 十 三から九までに掲げる個人情報ファイルに準ずるものとして個人情報保護法施行令第20条で定める個人情報ファイル
- ② aの規定による公表に係る個人情報ファイルに記録されている記録情報の全部又は一部を記録した個人情報ファイルであって、その利用目的、記録項目及び記録範囲が当該公表に係るこれらの事項の範囲内のもの(第2号)
- ③ ②に掲げる個人情報ファイルに準ずるものとして個人情報保護法施行令第21条で定める個人情報ファイル(第3号)
c 個人情報ファイル簿の一部不記載(第3項)
aの規定にかかわらず、行政機関の長等は、記録項目の一部若しくは個人情報保護法第74条第1項第5号(個人情報ファイルに記録される個人情報の収集方法)若しくは第7号(記録情報を当該機関以外の者に経常的に提供する場合の提供先)を個人情報ファイル簿に記載し、又は個人情報ファイルを個人情報ファイル簿に掲載することにより、利用目的に係る事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に著しい支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、その記録項目の一部若しくは事項を記載せず、又はその個人情報ファイルを個人情報ファイル簿に掲載しないことができる。
d 地方公共団体の機関又は地方独立行政法人への適用(第4項)
地方公共団体の機関又は地方独立行政法人についてのaの規定の適用については、a中「次に掲げる事項」とあるのは、「次に掲げる事項並びに記録情報に条例要配慮個人情報が含まれているときは、その旨」とする。
e 個人情報ファイル簿とは別の個人情報の保有の状況に関する事項を記載した帳簿の作成・公表(第5項)
a~dの規定は、地方公共団体の機関又は地方独立行政法人が、条例で定めるところにより、個人情報ファイル簿とは別の個人情報の保有の状況に関する事項を記載した帳簿を作成し、公表することを妨げるものではない。
H 審査請求(個人情報保護法第104条から第107条まで)
H-1 審理員による審理手続に関する規定の適用除外(第104条第1項)
行政機関の長等(地方公共団体の機関又は地方独立行政法人を除く。H-2、H-3及びH-4において同じ。)に対する開示決定等、訂正決定等、利用停止決定等又は開示請求、訂正請求若しくは利用停止請求に係る不作為に係る審査請求については、「行政不服審査法」(平成26年法律第68号)第9条(審理員)、第17条(審理員となるべき者の名簿)、第24条(審理手続を経ないでする却下裁決)、第2章第3節(審理手続)及び第4節(行政不服審査会等への諮問)並びに第50条第2項(裁決の方式)の規定を適用しない。
H-2 審査会への諮問(第105条第1項)
開示決定等、訂正決定等、利用停止決定等又は開示請求、訂正請求若しくは利用停止請求に係る不作為について審査請求があったときは、当該審査請求に対する裁決をすべき行政機関の長等は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、情報公開・個人情報保護審査会(審査請求に対する裁決をすべき行政機関の長等が会計検査院長である場合にあっては、別に法律で定める審査会)に諮問しなければならない。
- 一 審査請求が不適法であり、却下する場合
- 二 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る保有個人情報の全部を開示することとする場合(当該保有個人情報の開示について反対の意思を表示した意見書(H-3及びH-6において「反対意見書」という。)が提出されている場合を除く。)
- 三 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る保有個人情報の訂正をすることとする場合
- 四 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る保有個人情報の利用停止をすることとする場合
H-3 諮問をした旨の通知(第105条第2項)
H-2の規定により諮問をした行政機関の長等は、次に掲げる者に対し、諮問をした旨を通知しなければならない。
- 一 審査請求人及び参加人(行政不服審査法第13条第4項に規定する参加人をいう。以下この項及びH-6において同じ。)
- 二 開示請求者、訂正請求者又は利用停止請求者(これらの者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)
- 三 当該審査請求に係る保有個人情報の開示について反対意見書を提出した第三者(当該第三者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)
H-4 行政不服審査法第81条第1項又は第2項の機関への諮問(第105条第3項)
H-2及びH-3の規定は、地方公共団体の機関又は地方独立行政法人について準用する。この場合において、H-2中「情報公開・個人情報保護審査会(審査請求に対する裁決をすべき行政機関の長等が会計検査院長である場合にあっては、別に法律で定める審査会)」とあるのは、「行政不服審査法第81条第1項又は第2項の機関」と読み替えるものとする。
H-5 地方公共団体の機関等における審理員による審理手続に関する規定の適用除外等(第106条第1項)
地方公共団体の機関又は地方独立行政法人に対する開示決定等、訂正決定等、利用停止決定等又は開示請求、訂正請求若しくは利用停止請求に係る不作為に係る審査請求については、行政不服審査法第9条第1項から第3項(審理員)まで、第17条(審理員となるべき者の名簿)、第40条(審理員による執行停止の意見書の提出)、第42条(審理員意見書)、第2章第4節(行政不服審査会等への諮問)及び第50条第2項(裁決の方式)の規定は、適用しない。
H-6 第三者からの審査請求を棄却する場合等における手続(第107条第1項)
次の各号のいずれかに該当する裁決をする場合、行政機関の長等は、意見書の提出の機会を与えられた第三者が当該第三者に関する情報の開示について反対意見書を提出した場合において、開示決定をするときは、開示決定の日と開示を実施する日との間に少なくとも2週間を置かなければならない。この場合において、行政機関の長等は、開示決定後直ちに、反対意見書を提出した第三者に対し、開示決定をした旨及びその理由並びに開示を実施する日を書面により通知しなければならない。
- 一 開示決定に対する第三者からの審査請求を却下し、又は棄却する裁決
- 二 審査請求に係る開示決定等(開示請求に係る保有個人情報の全部を開示する旨の決定を除く。)を変更し、当該審査請求に係る保有個人情報を開示する旨の裁決(第三者である参加人が当該第三者に関する情報の開示に反対の意思を表示している場合に限る。)
I 条例との関係(個人情報保護法第108条)
個人情報保護法第5章第4節の規定は、地方公共団体が、保有個人情報の開示、訂正及び利用停止の手続並びに審査請求の手続に関する事項について、この節の規定に反しない限り、条例で必要な規定を定めることを妨げるものではない。
J 苦情の処理(個人情報保護法第128条)
行政機関の長等は、行政機関等における個人情報の取扱いに関する苦情の適切かつ迅速な処理に努めなければならない。
K 地方公共団体に置く審議会等への諮問(個人情報保護法第129条)
地方公共団体の機関は、条例で定めるところにより、個人情報保護法第3章第3節の施策を講ずる場合その他の場合において、個人情報の適正な取扱いを確保するため専門的な知見に基づく意見を聴くことが特に必要であると認めるときは、審議会その他の合議制の機関に諮問することができる。