第4-1 特定個人情報の利用制限
第4-1-⑴ 個人番号の利用制限
(関係条文)
- 番号法 第9条、第30条第1項
- 個人情報保護法 第61条第2項、第69条
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1 個人番号の原則的な取扱い
個人番号(注)は、番号法があらかじめ限定的に定めた事務の範囲の中から、具体的な利用目的を特定した上で、利用するのが原則である。
行政機関等が個人番号を利用するのは、個人番号利用事務、個人番号関係事務及び各議院審査等番号法第19条第13号から第17号までに基づき特定個人情報の提供を受けた目的を達成するために必要な限度で利用する事務である。
また、金融機関に該当する独立行政法人等は、激甚災害の場合等に、個人番号関係事務のために保管している個人番号を金銭の支払のために利用することができる。
行政機関等は、個人情報保護法とは異なり、本人の同意があったとしても、例外として認められる場合を除き(2参照)、これらの事務以外で個人番号を利用してはならない 。
(注)「個人番号」には、個人番号に対応して、当該個人番号に代わって用いられる番号等も含まれる(番号法第2条第9項)。例えば、数字をアルファベットに読み替えるという法則に従って、個人番号をアルファベットに置き換えた場合であっても、当該アルファベットは「個人番号」に該当することとなる。また、個人番号の一部のみを用いたものや、不可逆に変換したものであっても、個人番号の唯一無二性や悉皆性等の特性を利用して個人の特定に用いている場合等は、個人番号に該当するものと判断されることがある。一方、基礎年金番号、システムで使用している住民番号、職員番号等(個人番号を一定の法則に従って変換したものではないもの)は、「個人番号」には該当しない。
A 個人番号を利用することができる事務
a 個人番号利用事務(番号法第9条第1項から第3項)
個人番号利用事務とは、行政機関、地方公共団体、独立行政法人等その他の行政事務を処理する者が、社会保障、税、災害対策その他の行政分野において、番号法第9条第1項から第3項までの規定により、その保有する特定個人情報ファイルにおいて個人情報を効率的に検索し、及び管理するために必要な限度で個人番号を利用して処理する事務をいう(番号法第2条第11項)。番号法別表の各項の上欄に掲げる行政機関、地方公共団体、独立行政法人等その他の行政事務を処理する者(法令の規定により同表の当該各項の下欄に掲げる事務の全部若しくは一部を行うこととされている者又は準法定事務処理者を含む。)は、番号法第9条第1項に基づき、同表の当該各項の下欄に掲げる事務又は準法定事務において、個人番号を利用することができる(番号法第9条第1項)。
また、地方公共団体の場合は、同法別表に掲げられていない事務又は準法定事務に該当しない事務であっても、同法第9条第2項に基づき、社会保障、地方税又は防災に関する事務その他の事務であって、個人番号を利用することを条例で定めるものについて、個人番号を利用することができる(番号法第9条第2項)。
* 甲市が行っている乳幼児医療手当給付事務は、番号法別表に掲げられていない事務であるが、同法第9条第2項に基づき、当該事務において個人番号を利用する旨の条例を制定して、当該手当の申請書に記載された当該申請者の個人番号を利用して甲市のデータベースから当該申請者の必要なデータを検索する場合は、この事務は個人番号利用事務に当たる。
都道府県及び市町村(特別区を含む。以下同じ。)は、地域の総合的な行政主体として複数の事務を同一の機関で処理しており、番号法別表に掲げられている事務又は準法定事務を処理するために必要な場合に、同一の機関内の複数の事務間で特定個人情報を移転し、その検索、管理を行うために個人番号を利用すること(以下「庁内連携」という。)が想定される。庁内連携を行う場合には、同一機関内であっても複数事務間で特定個人情報の移転を行うこととなることから、番号法第9条第1項に基づく事務であっても、同法第9条第2項に基づく条例を定める必要があると解されている。
なお、地方公共団体において、同法第9条第2項に基づき、条例で個人番号を利用することができることとした事務について、当該事務の根拠を定める条例において書面の提出を義務付けている場合に、同項に基づく特定個人情報の移転に係る条例を定めて庁内連携を行い、当該特定個人情報と同一の内容の情報を含む書面の提出を不要とするときは、当該書面の提出を義務付けている当該事務の根拠を定める条例を改正等する必要がある。
また、法務大臣は、同法第9条第3項に基づき、同法第19条第8号又は第9号の規定による戸籍関係情報の提供に関する事務の処理に関して保有する特定個人情報ファイルにおいて個人情報を効率的に検索し、及び管理するために必要な限度で情報提供用個人識別符号を利用することができる。
行政機関等から個人番号利用事務の全部又は一部の委託を受けた者は、個人番号利用事務を行うことができる。この場合において、当該委託を受けた者は、委託に関する契約の内容に応じて、本ガイドラインが適用されることとなる。
b 個人番号関係事務(番号法第9条第4項)
個人番号関係事務とは、「国家公務員共済組合法」(昭和33年法律第128号)、「地方公務員等共済組合法」(昭和37年法律第152号)、所得税法その他の法令又は条例の規定により、個人番号利用事務の処理に関し必要な限度で他人の個人番号を利用して行う事務をいう。例えば、所得税法の規定に基づき、職員の個人番号を給与所得の源泉徴収票に記載して、税務署長に提出する事務等が該当する。なお、行政機関等から個人番号関係事務の全部又は一部の委託を受けた者は、個人番号関係事務を行うことができる。
* 給与受給者である職員が、所得税法第194条第1項の規定に従って、扶養親族の個人番号を扶養控除等申告書に記載して、勤務先である行政機関等に提出することは個人番号関係事務に当たる。
c 各議院審査等番号法第19条第13号から第17号までに基づき特定個人情報の提供を受けた目的を達成するために必要な限度で利用する事務(番号法第9条第6項)
番号法第19条第13号から第17号までの規定に基づき特定個人情報の提供を受けた者(第4-3-⑵2Bk~n参照)は、その提供を受けた目的を達成するために必要な限度で個人番号を利用することができる。B 利用目的以外の目的のための個人番号の利用禁止(番号法第30条第1項により読み替えて適用される個人情報保護法第69条第1項)
個人番号の利用目的はできる限り特定及び明示がされなければならず、原則として個人番号は特定された利用目的の範囲内で利用されることとなる。* 行政機関等は、個人番号利用事務において申請者から個人番号の提供を受ける際に、当該個人番号を番号法第19条第8号から第10号までに基づいて他の個人番号利用事務実施者に提供する場合があることは、明示する必要はない。
個人情報保護法は、法令に基づく場合又は本人の同意がある場合等は、個人情報を利用目的以外の目的のために利用することができることとしているが、番号法は、例外として認められる二つの場合を除き(2参照)、特定個人情報を利用目的以外の目的のために利用してはならないと定めている。
したがって、個人番号についても利用目的以外の目的のために利用してはならない。
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2 例外的な取扱いができる場合
番号法では、次に掲げる場合に、例外的に利用目的以外の目的のための個人番号の利用を認めている。
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a 金融機関に該当する独立行政法人等が激甚災害時等に金銭の支払を行う場合(番号法第9条第5項、第30条第1項により読み替えて適用される個人情報保護法第69条第1項、番号法施行令 (注)第10条、激甚災害が発生したとき等にあらかじめ締結した契約に基づく金銭の支払を行うために必要な限度で行う個人番号の利用に関するデジタル庁令(平成27年内閣府令第74号))
金融機関に該当する独立行政法人等は、「激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律」(昭和37年法律第150号)第2条第1項の激甚災害が発生したとき、又は「災害対策基本法」(昭和36年法律第223号)第63条第1項その他デジタル庁令で定める法令の規定により一定の区域への立入りを制限、禁止され、若しくは当該区域からの退去を命ぜられたときに、支払調書の作成等の個人番号関係事務を処理する目的で保有している個人番号について、顧客に対する金銭の支払を行うという別の目的のために、顧客の預金情報等の検索に利用することができる。
(注)番号法施行令とは、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律施行令」(平成26年政令第155号)をいう(以下同じ。)。
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b 人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意があり、又は本人の同意を得ることが困難である場合(番号法第30条第1項により読み替えて適用される個人情報保護法第69条第2項第1号)
人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意があり、又は本人の同意を得ることが困難であるときは、行政機関等は、個人番号利用事務等を処理する目的で保有している個人番号について、人の生命、身体又は財産を保護するために利用することができる。
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第4-1-⑵ 特定個人情報ファイルの作成の制限
(関係条文)
- 番号法 第29条
● 特定個人情報ファイルの作成の制限(番号法第29条)
行政機関等その他個人番号利用事務等に従事する者が、特定個人情報ファイルを作成することができるのは、個人番号利用事務等を処理するために必要な場合、又は番号法第19条第13号から第17号までのいずれかに該当して特定個人情報を提供し、又はその提供を受けることができる場合に限定されており、これらの場合を除き特定個人情報ファイルを作成してはならない。