第1 はじめに

「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(平成25年法律第27号。以下「番号法」という。)に基づく番号制度は、社会保障、税、災害対策その他の行政分野における行政運営の効率化を図り、国民にとって利便性の高い、公平・公正な社会を実現するための社会基盤である。

一方で、番号制度の導入に伴い、国家による個人情報の一元管理、特定個人情報の不正追跡・突合、財産その他の被害等への懸念が示されてきた。

個人情報の適正な取扱いという観点からは、個人情報の保護に関する一般法として、「個人情報の保護に関する法律」(平成15年法律第57号。以下「個人情報保護法」という。)があり、これに加えて、地方公共団体では個人情報の保護に関する条例等(以下「個人情報保護法施行条例」という。)も定められている。

番号法においては、個人情報保護法に定められる措置の特例として、個人番号をその内容に含む個人情報(以下「特定個人情報」という。)の利用範囲を限定する等、より厳格な保護措置を定めるとともに、国が設置・管理する情報提供ネットワークシステムの使用を始めシステム上の安全管理措置を講ずることとしている。

本ガイドラインは、個人番号を取り扱う行政機関等(個人情報保護法第2条第11項に規定する行政機関等をいう(注1)。以下同じ。)が特定個人情報の適正な取扱いを確保するための具体的な指針を定めるものである。

なお、個人情報保護法第58条第1項各号に掲げる法人(注2)は、原則、特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)が適用されるものの、番号法及び個人情報保護法第125条によって個人情報保護法が適用される部分の特定個人情報の取扱いについては、本ガイドラインを参照する必要がある。

また、個人情報保護法第58条第2項各号に掲げる者は、原則、本ガイドラインが適用されるものの、当該各号に定める業務(注3)における番号法及び個人情報保護法第58条第2項によって個人情報保護法が適用される部分の特定個人情報の取扱いについては、特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)を参照する必要がある。

番号法において、国及び地方公共団体は、特定個人情報の適正な取扱いを確保するために必要な措置を講ずるものとされており(番号法第4条、第5条)、主体的に特定個人情報の保護のための取組を行う必要がある。

本ガイドラインの中で、「しなければならない」及び「してはならない」と記述している事項については、これらに従わなかった場合、法令違反と判断される可能性がある。一方、「望ましい」と記述している事項については、これに従わなかったことをもって直ちに法令違反と判断されることはないが、番号法の趣旨を踏まえ、行政機関等の規模及び事務の特性に応じ対応することが望まれるものである。

以下、本ガイドラインの構成は、次のとおりとなっている。

*印は、行政機関等の実際の事務に即した具体的な事例を記述したものである。なお、事例の記述は、理解を助けることを目的として典型的な例を示したものであり、全ての事案を網羅することを目的とするものではない。