第3部 情報の取扱い

3.1 情報の取扱い

3.1.1 情報の取扱い

目的・趣旨

業務の遂行に当たっては、情報の作成、入手、利用、保存、提供、運搬、送信、消去等(以下本款において「利用等」という。)を行う必要があり、ある情報のセキュリティの確保のためには、当該情報を利用等する全ての職員等が情報のライフサイクルの各段階において、当該情報の特性に応じた適切な対策を講ずる必要がある。このため、職員等は、情報を作成又は入手した段階で当該情報の取扱いについて認識を合わせるための措置として格付及び取扱制限の明示等を行うとともに、情報の格付や取扱制限に応じた対策を講ずる必要がある。

なお、国の行政機関における秘密文書の管理に関しては、文書管理ガイドラインの規定を優先的に適用した上で、当該ガイドラインに定めが無い情報セキュリティ対策に係る事項については、本統一基準の規定に基づき、適切に情報が取り扱われるよう留意すること。また、独立行政法人及び指定法人における機密性3情報の管理に関しては、本統一基準の規定に基づき対策を講ずること。

遵守事項

(1) 情報の取扱いに係る規定の整備

(a) 統括情報セキュリティ責任者は、以下を全て含む情報の取扱いに関する運用規程を整備し、職員等へ周知すること。

(ア) 情報の**格付及び取扱制限についての定義**

(イ) 情報の**格付及び取扱制限の明示等**についての手続

(ウ) 情報の格付及び取扱制限の継承、見直しに関する手続

【 基本対策事項 】

<3.1.1(1)(a)関連>

3.1.1(1)-1 統括情報セキュリティ責任者は、情報の取扱いに関する運用規程として、以下を全て含む**手順を整備**すること。

a) 情報のライフサイクル全般にわたり必要な手順(業務の遂行以外の目的での情報の利用等の禁止等)

b) 情報の入手・作成時の手順

c) 情報の利用・保存時の手順

d) 情報の提供・公表時の手順

e) 情報の運搬・送信時の手順

f) 情報の消去時の手順

g) 情報のバックアップ時の手順

<3.1.1(1)(a)(イ)関連>

3.1.1(1)-2 統括情報セキュリティ責任者は、情報の格付及び取扱制限の**明示の方法**について、以下を例とする内容を、情報の取扱いに関する運用規程に含めて整備すること。

a) 電磁的記録として取り扱われる情報に明示する場合

3.1.1(1)-3 統括情報セキュリティ責任者は、情報の格付及び取扱制限の**明示を省略**する必要がある場合には、これらに係る認識が共通となるその他の措置の実施条件や実施方法について、情報の取扱いに関する運用規程に含めて整備すること。

<3.1.1(1)(a)(ウ)関連>

3.1.1(1)-4 統括情報セキュリティ責任者は、情報の加工時、複製時等における格付及び取扱制限の継承、見直しについて、以下を例とする内容を、情報の取扱いに関する運用規程に含めて整備すること。

a) 情報を作成する際に、参照した情報又は入手した情報の機密性に係る格付及び取扱制限を継承すること。

b) 既存の情報に、より機密性の高い情報を追加するときは、格付及び取扱制限を見直すこと。

c) 機密性の高い情報から機密に該当する部分を削除したときは、残りの情報の機密性に応じて格付及び取扱制限を見直すこと。

d) 情報を複製する場合には、元となる情報の機密性に係る格付及び取扱制限を継承すること。

e) 完全性及び可用性については、作成時又は**複製時に適切な格付を決定**すること。

f) 他者が決定した情報の格付及び取扱制限を**見直す必要がある場合**には、その決定者(決定について引き継いだ者を含む。)又はその上司(以下本款において「決定者等」という。)に確認を求めること。

(解説)

「統一基準1.2 (1) 情報の格付の区分」及び「統一基準1.2 (2) 情報の取扱制限」にて規定している情報の格付及び取扱制限の定義に基づき、機密性、完全性、可用性に係る情報の格付と取扱制限について、機関等の基準を整備する必要がある。取扱制限については、1.2(2)【参考4】取扱制限の例も参照のこと。

なお、文書管理ガイドラインにおいて、「文書の作成者は、当該文書が極秘文書又は秘文書に該当すると考えられる場合には、それぞれに準じた管理を開始する」とされており、指定前の秘密文書も、機密性3情報として管理することが求められる。また、独立行政法人及び指定法人における機密性3情報についても同様の管理が求められるが、法人において機密性3情報を取り扱わない場合は、統一基準群における機密性3情報に係る規定について、対策基準の策定においてその必要性も含め検討し、法人の実情に合わせて規定するとよい。

秘密文書においては、文書管理ガイドラインにおける「秘密文書表示」を行った場合には、別途「機密性3情報」に係る明示等を行う必要はない。

a)~g)は、遵守事項3.1.1(2)~(8)における職員等を名宛人とした対策事項とそれぞれ対応している。本事項では、これらの内容を包含する形で手順を定めることを求めている。

当該情報を参照する者が、情報の格付及び取扱制限を確実に視認することができるよう、当該情報に記載することによる明示を原則とする。また、情報の格付及び取扱制限の明示については、以下の事項についても留意が必要である。

電子メールを引用する場合は、引用する電子メールで取り扱っている情報の機密性に係る格付及び取扱制限を継承した上で、作成する電子メールが上位の格付及び取扱制限の情報を取り扱う場合は、その反映に留意が必要である。

チャットツールで情報を取り扱う場合は、チャットツールで投稿するメッセージごとに格付及び取扱制限を記載することは運用上困難であることが想定されることから、チャットルームのルーム名等、チャットルームの参加者全てが確実に視認できる箇所に情報の格付及び取扱制限を記載することが考えられる。

また、チャットツールの利用者が職員等に限定されており、かつ、チャットツールで取り扱うことのできる情報の格付及び取扱制限をチャットツールの利用手順書等に明記した上で利用者である職員等に周知されている場合等、チャットツールの利用者全てがチャットツールで取り扱う情報の格付及び取扱制限について共通の認識となる場合においては、基本対策事項3.1.1(1)-3を参考に明示を省略することも考えられる。

情報の格付及び取扱制限を確実に視認することができるよう、当該情報に明示しておくことが原則ではあるが、必要な場合には、以下を例に明示が省略可能な条件について定めておくとよい。

ただし、格付及び取扱制限の明示を省略した場合には、以下の事項に注意が必要である。

複製された情報は、一般的には完全性1情報及び可用性1情報と考えられるが、原本を複製し、それをバックアップファイルとして保存する場合も考えられるため、完全性及び可用性については、適宜、複製の目的に応じて格付を決定する必要がある。

利用する元の情報への修正、追加又は削除のいずれでもないが、元の格付又は取扱制限そのものがその時点で不適当と考える場合には、格付又は取扱制限の見直しについてその決定者に確認を求める必要がある。また、異動等の事由により、当該決定者と相談することが困難である場合等においては、決定について引き継いだ者又は当該決定者の上司に相談し、その是非を検討することになる。決定者等による見直しが無い限り、当該情報の利用者がこれらの者に無断で、格付又は取扱制限を変更することは許されない。

なお、見直しを行わなければならない場合については、以下を参考に規定すること。

遵守事項

(2) 情報の目的外での利用等の禁止

(a) 職員等は、自らが担当している業務の遂行のために必要な範囲に限って、**情報を利用等**すること。

【 基本対策事項 】規定なし

(解説)

情報は、業務の目的を達成するために利用等するのであって、業務の遂行以外の目的で情報を利用等すべきではない。国家公務員法 第100条 第1項においても、「職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とする。」と定められている。

情報の目的外利用に当たる場合としては、例えば、業務上知り得た情報をソーシャルメディアの個人アカウントの掲示板等に掲示する、私的にウェブ上の各種サービス(SNS等)を利用する際に、業務に使用しているメールアドレスと主体認証情報を利用するなどの行為が考えられる。その他にも、情報の利用形態は様々であり、注意が必要である。

なお、本条で対象としている情報は、職員等が従事する業務において利用する機関等の情報システムから入手可能な業務に係る情報(業務上知り得る情報)や、情報システムにおいて利用される主体認証情報(パスワード等)であり、情報システムの仕様やデータ設定等に係る情報(メールアドレス等)も含んでいる。一方、業務時間外に自宅等の私物端末から機関等のウェブサイトにアクセスして、公表されている情報を入手するなどの行為については、本条の対象とはしていない。

遵守事項

(3) 情報の格付及び取扱制限の決定・明示等

(a) 職員等は、情報の作成時及び機関等外の者が作成した情報を入手したことに伴う管理の開始時に、格付及び取扱制限の定義に基づき**格付及び取扱制限を決定**し、明示等すること。

(b) 職員等は、情報を作成又は複製する際に、参照した情報又は入手した情報に既に格付及び取扱制限の決定がなされている場合には、元となる情報の機密性に係る格付及び取扱制限を**継承**すること。

(c) 職員等は、修正、追加、削除その他の理由により、情報の格付及び取扱制限を見直す必要があると考える場合には、情報の格付及び取扱制限の決定者(決定を引き継いだ者を含む。)又は決定者の上司(以下本款において「決定者等」という。)**に確認し、その結果に基づき見直す**こと。

【 基本対策事項 】規定なし

(解説)

格付及び取扱制限が不十分な場合、情報漏えい等のリスクが高まるが、一方で、情報の利用を円滑に行うためには、格付及び取扱制限を必要以上に高くしないようにする必要がある。そのため、格付及び取扱制限を決定する際には、機関等の基準に照らして、要件に過不足が生じないようにすること。例えば、機密性1情報に相当する公開しても差し支えない情報をむやみに要機密情報に決定すると、過度な保護対策を求めることになり、業務の効率的な運営に支障をきたすおそれがある。

また、他機関等との情報の受け渡しを行う際には、統一基準との格付定義の差分に関する情報を当該機関等から得るなどして、自機関等の基準との差分について考慮の上、格付及び取扱制限を決定する必要がある。

業務資料等を参考に新たに別の資料を作成する場合等において、元となった資料等に記載されていた情報の機密性に関する格付及び取扱制限について、新たに作成した資料等に適切に引き継ぐことを求めている。例えば機密性3情報を他の資料等に転用する場合においては、当該資料に記載されている転用部分については機密性3情報として取り扱われるべきである。また、要保全情報又は要安定情報を複製する場合については、複製された情報に対して過度な保護対策を求めないように、完全性1情報又は可用性1情報として格付を見直し再決定することが望ましい。ただし、バックアップを原本として情報を保管する目的で複写する場合は、要保全情報とすべきであるなど、状況に応じた適切な判断が求められる。

「(解説)基本対策事項3.1.1(1)-4 f)「見直す必要がある場合」について」を参照のこと。

遵守事項

(4) 情報の利用・保存

(a) 職員等は、利用する情報に明示等された格付及び取扱制限に従い、当該情報を適切に取り扱うこと。

(b) 職員等は、機密性3情報について要管理対策区域外で情報処理を行う場合は、課室情報セキュリティ責任者の許可を得ること。

(c) 職員等は、要保護情報について**要管理対策区域外で情報処理を行う場合は、必要な安全管理措置を講ずること**。

(d) 職員等は、保存する情報にアクセス制限を設定するなど、情報の格付及び取扱制限に従って情報を適切に管理すること。なお、**独立行政法人及び指定法人における職員等**は、機密性3情報を機器等に保存する際、以下の措置を講ずること。ただし、独立行政法人及び指定法人において、機密性3情報について国の行政機関と同等の取扱いを行っている場合は、国の行政機関と同等の措置を講ずることをもって代えることができる。

(ア) 機器等に保存する場合は、インターネットや、インターネットに接点を有する情報システムに接続しない端末、サーバ装置等の機器等を使用すること。

(イ) 当該情報に対し、暗号化による保護を行うこと。

(ウ) 当該情報を保存した機器等について、**盗難及び不正な持ち出し等の物理的な脅威から保護するための対策**を講ずること。

(e) 職員等は、USBメモリ等の**外部電磁的記録媒体を用いて情報を取り扱う際、定められた利用手順**に従うこと。

【 基本対策事項 】

<3.1.1(4)(a)(d)関連>

3.1.1(4)-1 職員等は、情報の格付及び取扱制限に応じて、情報を取り扱う際は、以下を全て含む対策を講ずること。

a) 要保護情報を**放置しない**こと。

b) 要機密情報を**必要以上に複製しない**こと。

c) 電磁的記録媒体に要機密情報を保存する場合には、主体認証情報を用いて保護するか又は情報を暗号化したり、施錠のできる書庫・保管庫に媒体を保存したりするなどの措置を講ずること。

d) 電磁的記録媒体に要保全情報を保存する場合には、電子署名の付与を行うなど、改ざん防止のための措置を講ずること。

e) 情報の**保存方法を変更**する場合には、格付、取扱制限及び記録媒体の特性に応じて必要な措置を講ずること。

3.1.1(4)-2 職員等は、入手した情報の格付及び取扱制限が不明な場合には、情報の作成元又は入手元への確認を行う。

(解説)

機関等外で開催される会議への出席等の際に、要機密情報を用いて情報処理を行う場合は、のぞき見の防止や不要となった情報の削除等の措置を講ずるなど、情報の格付や取扱制限に応じて適切な安全管理措置を講ずる必要がある。この際、技術的な対策については、遵守事項6.1.2(1)(b)及び遵守事項6.1.3(2)(c)に基づき定められた安全管理措置を参考にするとよい。

情報システムに、ファイルに対する書込権限者の制限や、ファイルのセキュリティ設定でパスワード設定等のアクセス制御機能が装備されている場合、当該情報の格付及び取扱制限に従って、必要なアクセス制御の設定を行うことが求められる。例えば、取扱制限として閲覧範囲の制限が指定されている場合は、第三者等から参照されないよう、読取制限の属性を付与することや、要保全情報であれば、第三者等から変更されないよう、上書き禁止の属性を付与することがこれに当たる。

アクセス制御は、サーバ装置、端末、OS、アプリケーション、ファイル等を単位に行うことができるため、これらを選択し組み合わせて、適切なアクセス制御を実現するとよい。

なお、文書管理ガイドラインの秘密文書の管理に関するモデル要領において、「秘密文書については、インターネットに接続していない電子計算機又は媒体等に保存し、暗号化等による保護を行うとともに、当該秘密文書を記録する電子計算機、媒体等について、保存を金庫等で行うなどにより物理的な盗難防止措置を施すこと。秘文書については、インターネットからの侵入に対する多重防御による情報セキュリティ対策が施された電子計算機でも保存することができる。」とされている。

本項(ア)から(ウ)の各号は、独立行政法人及び指定法人の職員等が機密性3情報を取り扱う場合において、文書管理ガイドラインの求める秘密文書の管理と同等の対策となるよう規定している。文書管理ガイドラインでは秘密文書を極秘文書と秘文書に区分しているが、独立行政法人及び指定法人は当該ガイドラインの対象外であることから、当該ガイドラインが求める秘密文書の管理がなされているとは限らないため、本項各号は秘密文書の中でもより高い水準のセキュリティ対策が求められる極秘文書相当の対策となっている。

ただし、国の行政機関と同様に文書管理ガイドラインの秘密文書の管理に基づき機密性3情報を極秘文書と秘文書に区分し、国の行政機関と同等の管理を行っている独立行政法人及び指定法人においては、秘文書に相当する情報については秘文書相当の対策を講ずることをもって代えることも可能である。(文書管理ガイドラインの秘密文書の管理に関するモデル要領については、「(解説)遵守事項3.1.1(4)(d)「保存する情報にアクセス制限を設定するなど、情報の格付及び取扱制限に従って情報を適切に管理すること」について」を参照のこと。)

端末についての対策例は基本対策事項6.1.1(1)-2、サーバ装置についての対策例は基本対策事項6.2.1(1)-2を参照のこと。

外部電磁的記録媒体には、USBメモリ等の、繰返し情報を書き換えできる媒体と、CD-R等の書き換えできない媒体が存在する。特に前者の媒体を利用する場合は、不正プログラムに感染するおそれが大きいため、その取扱いには細心の注意が必要である。(具体的な対策等については、【参考8.1.1-1】を参照のこと。)

遵守事項8.1.1(1)(b)において定められた実施手順を指す。

悪意ある第三者等による不正な操作や盗み見等を防止することを求める事項である。例えば、離席する際には、ロック付きスクリーンセーバを起動する又はログアウトして画面に情報を表示しない、机の上に書類を放置して長時間離席しない、印刷した書面を速やかに回収し出力トレイに放置しないこと等を徹底する必要がある。

電磁的記録は比較的容易に複製することができるという特性があり、可用性の観点から複製された情報が多数の端末に散在する傾向になることが想定されるため、機密性3情報に該当しない情報であっても、複製は必要最小限にとどめるよう留意が必要である。

なお、秘密文書に関しては、文書管理ガイドラインにおいて、「秘密文書の複製等は必要最小限にとどめること。」と定められていることに留意が必要である。

改ざん防止のための措置としては、電子署名を付与することや、情報を更新する必要がある主体に対してのみ更新権限を付与すること等が考えられる。保護を行う情報の格付、取扱制限等に応じて適切な措置を講ずるとよい。

電子署名を付与した場合、電子署名を付与した者が真正であること、電子署名が付与された情報が改ざんされていないことを検証することができる。しかし、電子署名を付与するだけでは、電子署名が付与された情報がどの時点において存在していたかを検証することができない。

この検証を可能とするためにはタイムスタンプを付与する必要がある。タイムスタンプを付与することによって、タイムスタンプを付与した時点において情報が存在していたこと、また、タイムスタンプを付与した後に情報が改ざんされていないことを検証することができる。

検証できることが電子署名とタイムスタンプによって異なることを踏まえ、情報の格付及び取扱制限に応じて適切な方法を用いるとよい。

なお、電子署名やタイムスタンプにはどちらも有効期限が存在する。電子署名やタイムスタンプの有効期限が切れた後においても電磁的記録媒体に保存する要保全情報に対して改ざん防止のための措置を講ずる必要がある場合は、さらに新たなタイムスタンプを付与することによって、電子署名やタイムスタンプの有効期限後であっても検証が可能となる、長期署名の仕組みを利用するとよい。

当該仕組みを利用できない場合は、原則として「電子政府推奨暗号リスト」に記載された暗号化方式を用いた電子署名を当該情報に再度付与する方法も考えられる。しかし、この方法を用いる場合はタイムスタンプを付与しないため、電子署名が再度付与された情報がどの時点において存在していたかを検証することができないことに留意が必要である。

当該情報が記載されている文書が歴史公文書等に該当する場合は、情報の取扱制限を解除するか、利用の制限についての意見を付すなどして移管する必要がある。その際、パスワードを設定していた場合は解除するなどして、移管先がその内容を参照できるように配慮が必要である。

遵守事項

(5) 情報の提供・公表

(a) 職員等は、情報を公表する場合には、当該情報が**機密性1情報に格付されるもの**であることを確認すること。

(b) 職員等は、閲覧制限の範囲外の者に情報を提供する必要が生じた場合は、当該格付及び取扱制限の**決定者等に相談し、その決定に従うこと。また、提供先において、当該情報に付された格付及び取扱制限に応じて適切に取り扱われるよう**、取扱い上の留意事項を確実に伝達するなどの措置を講ずること。

(c) 独立行政法人及び指定法人における職員等は、機密性3情報を閲覧制限の範囲外の者に提供する場合には、課室情報セキュリティ責任者の許可を得ること。

(d) 職員等は、電磁的記録を提供又は公表する場合には、当該電磁的記録等からの**不用意な情報漏えい**を防止するための措置を講ずること。

【 基本対策事項 】

<3.1.1(5)(d)関連>

3.1.1(5)-1 職員等は、電磁的記録媒体を他の者へ提供する場合は、当該電磁的記録媒体に保存された不要な要機密情報を抹消すること。

(解説)

保有する情報をウェブサイト等により広く国民に提供する場合、公表しようとする情報の格付の適正さを再度検討し、格付及び取扱制限の明示を削除するなどを考慮する必要がある。

なお、情報の公表ではないものの、電子調達システム等において調達情報を委託先候補事業者に閲覧を許可する場合が考えられる。情報システムの構成図等サイバー攻撃を企図する者が有利になるような情報については、開示対象者と機密保持契約を締結するなどして厳重な管理のもと閲覧を許可するなど、細心の注意が必要である。

「(解説)基本対策事項3.1.1(1)-4 f)「見直す必要がある場合」について」を参照のこと。

要保護情報を機関等外の者に提供する場合には、提供先において当該情報が適切に取り扱われるように、情報の取扱い上の留意事項を提供先へ確実に伝達する必要がある。

伝達方法としては、他機関等や委託先等の情報の提供先に、対策基準や情報の取扱いに関する手順書、統一基準との格付定義の差分に関する説明等を提示し、格付や取扱制限に応じた取扱方法を示す方法が考えられる。この場合、格付の区分だけを示しても、提供先においては当該格付区分がどのように取り扱われるべきものであるか認識できない可能性があるため、当該格付の区分の定義について提供先に事前に周知する必要がある。また、提供する情報を適切に管理するために必要な措置が具体的に分かるようにする(例えば、「委員以外への再配布を禁止する」と明示する。)など、格付以外の方法で取扱方法を示すことも考慮する必要がある。

情報の提供や公表に当たっては、情報漏えいを防ぐため、文書の作成者名、組織名その他の記録に使用できる「プロパティ」や、文書の作成履歴、PDFファイルの「しおり」等に残留した不要な情報を除去する必要がある。

また、ソフトウェアを用いて文書の特定の部分(提供・公表不可の情報が記載された部分)の情報を黒塗りして提供・公表する場合があるが、当該文書を入手した者が編集ソフト等を用いて黒塗り部分の情報の閲覧を試みる場合があるため、黒塗りされた部分の情報の削除や置換を行うなど、適切に措置する必要がある。

遵守事項

(6) 情報の運搬・送信

(a) 職員等は、要保護情報が記録又は記載された記録媒体を要管理対策区域外に持ち出す場合には、安全確保に留意して運搬方法を決定し、情報の格付及び取扱制限に応じて、安全確保のための適切な措置を講ずること。独立行政法人及び指定法人における職員等が、機密性3情報を要管理対策区域外に持ち出す場合には、暗号化措置を施した上で、課室情報セキュリティ責任者が指定する方法により運搬すること。ただし、他機関等の要管理対策区域であって、統括情報セキュリティ責任者があらかじめ定めた区域のみに持ち出す場合は、当該区域を要管理対策区域とみなすことができる。

(b) 職員等は、要保護情報である電磁的記録を電子メール等で送信する場合には、安全確保に留意して送信の手段を決定し、情報の格付及び取扱制限に応じて、安全確保のための適切な措置を講ずること。独立行政法人及び指定法人における職員等が、機密性3情報を機関等外通信回線(インターネットを除く。)を使用して送信する場合には、暗号化措置を施した上で、課室情報セキュリティ責任者が指定する方法により送信すること。ただし、独立行政法人及び指定法人において、機密性3情報について国の行政機関と同等の取扱いを行っている場合は、国の行政機関と同等の措置を講ずることをもって代えることができる。

【 基本対策事項 】

<3.1.1(6)(a)関連>

3.1.1(6)-1 職員等は、要保護情報が記録又は記載された記録媒体の要管理対策区域外への運搬を第三者へ依頼する場合は、**セキュアな運送サービス**を提供する運送事業者により運搬すること。

3.1.1(6)-2 職員等は、要機密情報である電磁的記録を要管理対策区域外に運搬する場合には、以下を例とする情報漏えいを防止するための対策を講ずること。

a) **運搬する情報を暗号化する**こと。

b) 分割後の個別の情報から分割前の情報が容易に復元あるいは推測できないように要機密情報を**複数の情報に分割し**、それぞれ異なる経路及び手段を用いて運搬すること。

c) 主体認証機能や暗号化機能等を備える**セキュアな外部電磁的記録媒体**を利用すること。

<3.1.1(6)(b)関連>

3.1.1(6)-3 職員等は、要機密情報である電磁的記録を機関等外通信回線を使用して送信する場合には、以下を例とする情報漏えいを防止するための対策を講ずること。

a) **送信する情報を暗号化する**こと。

b) **通信経路全般が暗号化**されている通信経路を用いて送信すること。

c) 分割後の個別の情報から分割前の情報が容易に復元あるいは推測できないように要機密情報を**複数の情報に分割し**、それぞれ異なる経路及び手段を用いて送信すること。

3.1.1(6)-4 職員等は、要保護情報である電磁的記録を送信する場合は、安全確保に留意して、以下を例に当該情報の送信の手段を決定すること。

a) 機関等管理の通信回線を用いて送信すること。

b) **信頼できる通信回線**を使用して送信すること。

c) **VPN**を用いて送信すること。

d) S/MIME等の暗号化された電子メールを使用して送信すること。

e) **機関等独自で運用している又は機関等が利用を承認しているなどセキュリティが十分確保されたウェブメールサービス又はオンラインストレージ環境**を利用すること。

(解説)

運搬する情報の内容により、受取の際に本人確認を行うサービス(例えば、本人限定受取郵便)や、専用車両による配達サービス、配達状況の追跡が可能なサービス等から、必要なサービスを選定することが求められる。

暗号化する際に設定するパスワードやパスフレーズ(以下本解説において「鍵」という。)は、十分な長さと複雑さを有することが求められる。また、鍵を暗号化された情報と同じ経路で送信等したり、第三者が容易に知り得る方法で送信等したりしてしまうと、第三者によって情報が復号されるおそれが高くなると考えられることから、例えば、事前の面会時に共有しておいたり、事前に共有できない場合は暗号化された情報とは別の経路で送信するなどして秘匿性を確保することが必要である。

十分な長さと複雑さを有する鍵としては、例えば、パスワードエントロピーとして128ビットを要する(パスワードの解析に2の128乗回の試行を要する)とした場合、英大文字・英小文字・数字(62種の文字)を用いたランダム生成では、22文字程度が必要であると言える。利用者が記憶しやすいランダム生成の鍵として、ランダムに複数の単語を選んでつなげる場合には、例えば、11万語の辞書からであれば8語、2万語の辞書からであれば9語程度を用いる必要があると言える。

十分な長さと複雑さの鍵の使用を利用者に守らせるためには、鍵のランダム生成を支援する機能を提供することが考えられる。

なお、暗号化する際に用いる暗号アルゴリズムや鍵長などの暗号化方式は、遵守事項8.1.1(7)(a)の規定に従い、定められた暗号化方式を用いる必要がある。

暗号技術の一種である秘密分散技術を用いて、秘匿すべき情報を複数のデータに分割することで、そのうちの一つを窃取しても元の情報を一切復元できないようにすることができる。この分割されたデータのそれぞれを異なる経路で運搬・送信する(例えば、片方を電子メールで送信し、もう片方をDVDやUSBメモリ等の外部電磁的記録媒体で郵送するなど)ことにより、情報漏えいを防止することができる。なお、秘密分散技術自体が暗号技術の一種であるので、これにより分割されたデータをさらに暗号化する必要はなく、暗号鍵も必要ない。

セキュアな外部電磁的記録媒体が備える機能としては、主体認証機能、暗号化機能の他、不正プログラムの検閲・駆除機能、遠隔データ消去機能、接続管理機能等がある。USBメモリ等の外部電磁的記録媒体の運搬に当たっては、必要最小限の情報のみを保存するよう留意するとともに、盗難・紛失等による情報漏えいに備え、当該機能を適切に利用する必要がある。

暗号化する際に設定するパスワードやパスフレーズ(以下本解説において「鍵」という。)の長さや複雑さ等については、「(解説)基本対策事項3.1.1(6)-2 a)「運搬する情報を暗号化する」について」を参照のこと。

本基本対策事項は、送信する情報自体を暗号化することを求めている。送信する情報自体を暗号化することによって、暗号化通信がなされていない通信経路において盗聴が行われた場合でも、暗号化された情報の漏えいを防止することができる。

一方、鍵を送信先に伝える際には、暗号化された情報と同じ経路で鍵を送信する方法(いわゆるPPAP)等を用いることにより、第三者によって情報が復号されるおそれが高くなるため、留意すべき点が存在する。当該留意点は「(解説)基本対策事項3.1.1(6)-2 a)「運搬する情報を暗号化する」について」を参照のこと。また、電子メールに本基本対策事項を実施した場合の例として、要機密情報が含まれているファイルを暗号化して添付し、送信することが挙げられるが、受信側の電子メールサーバ等において、電子メールに添付された暗号化ファイルを破棄する対策が行われている場合、添付された暗号化ファイルが受信者に届かないことにも留意が必要である。

通信経路における盗聴による情報漏えいを防止するために、通信経路全般における暗号化通信を求めている。

例えば、オンラインストレージ等のファイル共有サービスを利用する場合、機関等外通信回線に接続された機器とファイル共有サービスの間の通信においてTLS通信等の暗号化通信が確実に実施されている場合は、通信経路全般が暗号化されていると考えられる。なお、通信経路上の機器において監視を目的とした復号が行われている場合がある。この場合は、復号を行う目的が情報窃取等の不正な目的ではないことが確認できた場合等、通信経路の途中で復号されたとしても情報漏えいの可能性がないと判断できる場合は、通信経路全般が暗号化されていると考えられる。

また、情報を送受信する機器同士においてエンドツーエンド(E2E)の暗号化を行っている場合も、通信経路全般が暗号化されていると考えられる。

なお、機関等外の者に電子メールを送信する場合、基本対策事項6.2.2(1)-6 a)で規定するSMTPによる電子メールサーバ間通信をTLSによる保護を行う対策では、最終的な受信先の電子メールサーバまでの通信及び電子メールサーバと電子メールクライアント間の通信が全て保護されることは保証されていないため、必ずしも通信経路全般が暗号化されていると考えることができないことに留意が必要である。

例えば、空港や商業施設等が提供する無線LAN等の通信回線は、秘匿性や安全性、管理状況が不明であり、通信内容の盗聴やなりすましによる情報の窃取等のおそれがあるため、要保護情報を送信する場合にこれを用いるべきではない。ただし、「(解説)基本対策事項3.1.1(6)-4 c)「VPN」について」に記載のとおり、端末等と情報システムとの間でVPN接続等による通信の暗号化を実施する場合は、この限りでない。

例えば、モバイル通信網を経由して端末等をインターネットに接続させる装置(以下本解説において「モバイル通信網接続装置」という。無線LAN接続型やUSB接続型などがある。)を利用して、外部から機関等の情報システムにアクセスする場合、仮にモバイル通信網接続装置が利用者の意図しない不正な動作をしていたとしても、VPN接続等による通信の暗号化を実施することで、機密性の格付によらず当該機器による情報漏えいを防止することができる。ただし、この場合は、モバイル通信網接続装置のVPN機能を利用するのではなく、端末等と当該情報システムとの間でVPN接続を確立する必要がある。これは、端末等と当該情報システムとの間でVPN接続が確立されていれば、モバイル通信網接続装置上を流れる通信は暗号化されているため、モバイル通信網接続装置上における盗聴による情報漏えい等を防止することが可能となるためである。なお、USB接続型のモバイル通信網接続装置の利用に際しては、上記に加え、一般のUSBメモリと同様にUSB接続についての安全性にも配慮する必要がある。

情報の漏えい、改ざん、利用不可能となる脅威への対策、情報セキュリティインシデント発生時の対処等が適切に実施されている等の、セキュリティが十分に確保されたウェブメールサービス又はオンラインストレージ環境を利用する必要がある。

機関等独自で運用している場合は、統一基準群に従った運用がなされているため、セキュリティが十分に確保されていると考えられる。また、クラウドサービスを利用する場合は、セキュリティが十分確保されていることを機関等が確認した上で利用の承認しているクラウドサービスを利用する必要がある。クラウドサービスを利用して要機密情報を取り扱う場合は、4.2.1「クラウドサービスの選定(要機密情報を取り扱う場合)」及び4.2.2「クラウドサービスの利用(要機密情報を取り扱う場合)」、クラウドサービスを利用して要機密情報を取り扱わない場合は、4.2.3「クラウドサービスの選定・利用(要機密情報を取り扱わない場合)」を参照のこと。

遵守事項

(7) 情報の消去

(a) 職員等は、電磁的記録媒体に保存された情報が職務上不要となった場合は、**速やかに情報を消去**すること。

(b) 職員等は、電磁的記録媒体を廃棄する場合には、当該記録媒体内に情報が残留した状態とならないよう、全ての情報を復元できないように**抹消する**こと。

(c) 職員等は、要機密情報である書面を廃棄する場合には、**復元が困難な状態にする**こと。

【 基本対策事項 】

<3.1.1(7)(b)関連>

3.1.1(7)-1 職員等は、端末やサーバ装置等をリース契約で調達する場合は、契約終了に伴う**返却時の情報の抹消方法**及び履行状況の確認手段について、以下を例とする対策を行うこと。

a) リース契約の調達仕様書に記載し、契約内容にも含めること。

b) リース契約終了に伴う情報の抹消について、役務提供契約を別途締結すること。

(解説)

情報セキュリティの観点からは、不正プログラム感染による情報窃取や操作ミスによる情報漏えい等を防ぐ観点から、職務上不要となった情報を速やかに消去する必要があるが、その際には、公文書管理法等で保存が求められる情報を誤って消去しないよう、注意が必要である。

「ファイル削除」の操作ではファイル管理のリンクが切断されるだけであり、ファイルの情報自体は抹消されずに電磁的記録媒体に残留した状態となっているおそれがある。電磁的記録媒体に記録されている情報を抹消するための方法を、「表3.1.1-1 情報の抹消方法の例」に例示する。

表3.1.1-1 情報の抹消方法の例

種類

情報の抹消方法

電磁的

記録媒体

(例)

情報の機密性

低い

高い

消去

データ抹消ソフトウェア

(もとのデータに異なるランダムなデータを複数回上書きすることで抹消する)

ハードディスク

SSD

USBメモリ

○

-

ATAコマンド「SECURITY ERASE UNIT」

SSD

○

-

除去

暗号化消去

(情報を電磁的記録媒体に暗号化して記録しておき、情報の復号に用いる鍵を抹消することで情報の復号を不可能にする)

ハードディスク

SSD

○

○

ATA コマンド「Enhanced SECURITY ERASE UNIT」

ハードディスク

○

○

SCSIコマンド「SCSI SANITIZE」や「SCSI Format」

ハードディスク

SSD

○

○

ATAコマンド「BLOCK ERASE」

SSD

○

○

消磁

(磁気記録方式に対応した消磁装置に入れて媒体内の全てのデータを抹消する)

ハードディスク

○

○

破壊

物理的破壊

(媒体種類に応じた専用の破壊装置等で媒体を溶融・粉砕・焼却・細断するなどしてデータ復旧が不可能となるまで破壊する)

ハードディスク

SSD

USBメモリ

光学媒体

○

○

○:適用可

-:適用不可

暗号化消去は、情報の抹消が高速に行えることや部分的な抹消が行えること等のメリットがあるため、機密性の高さによらず、抹消するための方法として優先的に検討するとよい。

また、クラウドサービスの利用を終了する際のクラウドサービスで取り扱った要機密情報を廃棄する方法については、遵守事項4.2.2(5)「クラウドサービスを利用した情報システムの更改・廃棄時の対策」を参照のこと。

なお、職員等自らが情報を抹消することが不可能な場合は、あらかじめ抹消の手段と抹消の措置を行う者を情報システム又は課室等の組織の単位で定めて実施し実施結果の記録を残すことや情報の抹消を外部の民間事業者等へ業務委託することも考えられるが、業務委託を実施する場合は、情報が適正に抹消されたことの証拠となる記録及び証明書の提出を求める、職員等による立ち合いを行う等、委託先での履行状況を確認することが重要である。

電磁的記録の抹消と同様に、書面が不要となった場合には、シュレッダーによる細断処理、焼却、溶解等により、復元が困難な状態にする必要がある。

なお、廃棄すべき書類が大量にあるなどの理由により、外部の廃棄処理業者へ業務委託する場合には、廃棄現場への立会いや廃棄処理証明書の取得等により、書面が確実に廃棄されていることを確認するとよい。また、無人の執務室に設置されている又は設置場所及び利用場所が確定していないなどの環境で利用される情報システム、外部電磁的記録媒体等については、不要な情報を可能な限り事前に抹消することが望ましい。

リース契約で調達した機器を返却する時の情報の抹消方法として暗号化消去を採用する場合、CRYPTREC「電子政府推奨暗号リスト」に記載の安全性及び実装性能が確認された暗号アルゴリズムを使用し、OSやハードウェアの機能により、電磁的記録媒体へ書き込まれる情報が自動的に暗号化されるように設定された端末やサーバ装置等を導入し、運用の全期間を通じて暗号化することが前提となる。

また、暗号化された情報の復号に用いる鍵については、基本対策事項7.1.5(1)-3 b)で策定を求めている管理手順に従って適切に管理するとともに、暗号化消去を行う際にはバックアップも含め鍵を確実に消去することが重要である。

さらに、暗号化消去による情報の抹消処理の信頼性を担保するため、暗号化消去の実施記録を残しておくことが望ましい。

遵守事項

(8) 情報のバックアップ

(a) 職員等は、情報の格付に応じて、**適切な方法で情報のバックアップを実施する**こと。

(b) 職員等は、取得した情報のバックアップについて、格付及び取扱制限に従って保存場所、保存方法、保存期間等を定め、適切に管理すること。

(c) 職員等は、保存期間を過ぎた情報のバックアップについては、前条の規定に従い、適切な方法で消去、抹消又は廃棄すること。

【 基本対策事項 】

<3.1.1(8)(a)関連>

3.1.1(8)-1 職員等は、要保全情報又は要安定情報である電磁的記録又は重要な設計書について、バックアップを取得すること。

<3.1.1(8)(b)関連>

3.1.1(8)-2 職員等は、要保全情報若しくは要安定情報である電磁的記録のバックアップ又は**重要な設計書のバックアップについて、災害や情報セキュリティインシデント等の危機的事象により生ずる業務上の支障を考慮し、適切な保管場所を選定すること。要保全情報又は要安定情報である電磁的記録のバックアップについて、危機的事象として情報システムや情報が破壊される情報セキュリティインシデントを想定する場合は、必要に応じて、以下を例とする情報システムや情報とバックアップが同時に破壊されない保管場所を選定する**こと。

a) バックアップ取得元の情報システムが接続するネットワークから**物理的に隔離された保管場所**

b) バックアップ取得元の情報システムが接続するネットワークから**論理的に隔離された保管場所**

(解説)

災害や情報セキュリティインシデント等の危機的事象が発生し、サーバ装置等の電磁的記録が使用不可能になった際の復旧に備えて、要保全情報や要安定情報に格付される情報等の重要な情報を外部の記録媒体へバックアップすることを求めている。以下の例を参考に、情報のバックアップ方法について考慮するとよい。

バックアップの周期を短くすることで、危機的事象発生時点に近い状態に復旧できる可能性が高くなるため、バックアップの周期は可能な限り短くすることが望ましい。

しかし、サイバー攻撃を検知するまでに長期間を要する不正プログラムの存在が確認されており、バックアップの周期が短く、かつ、保存しているバックアップの世代が少ない場合は、バックアップしている全ての世代に不正プログラムが混入してしまう可能性がある。そのため、過去の事例等から不正プログラムの潜伏期間を想定し、情報の格付、取扱制限等を踏まえた上で、バックアップの周期や世代管理の方法等を定めるとよい。

また、復旧に用いるべきバックアップデータを事前に特定することが重要である。そのため、バックアップデータに対して最新の定義ファイルが適用された状態の不正プログラム対策ソフトウェア等による検査を行うとよい。

さらに、継続的に運用管理していく中においてバックアップ用の媒体が適切に挿入されていない等の運用ミスが発生するケースや、年数が経過することでデータ量が増大し想定時間内にバックアップが取得できないケース等が考えられるため、バックアップが適切に実施されていることを適宜確認するとよい。

バックアップデータに要機密情報が含まれる場合は、バックアップデータの盗難・紛失による情報漏えい等を回避するために、バックアップデータを要管理対策区域に保管することが望ましい。また、バックアップデータを保存する媒体の耐久性にも留意し、定期的に媒体を新しいものに入れ替えるなども考慮するとよい。

バックアップデータの保存場所及び保存方法等の一例としては、バックアップデータのコピーを複数取得したうえで、取得したバックアップデータを異なる複数の種類の電磁的記録媒体に保存し、電磁的記録媒体の内の少なくとも1つはバックアップ取得元の情報システムとは異なる場所に保管する方法が挙げられる。当該方法により、全てのバックアップデータを同時に喪失するリスクを低減することが可能となる。一方で、バックアップに係るコストの増加に繋がる可能性があるため、情報の格付、取扱制限等に応じて、当該方法を検討するとよい。

情報システムの委託先から書面のみで提示された設計書類等、情報システムに記録されていない書面のみの情報であって、紛失、改ざん等により情報システムの運用に支障を及ぼす可能性のあるものを指している。バックアップが外部に流出することにより、攻撃者に有利になるものについては、保管の際に機密性を確保することにも留意が必要である。

危機的事象を想定してバックアップを取得する場合は、完全性等の要求に応じ、想定する危機的事象に耐性のある保管庫や施設、同時被災しない遠隔地に保管すること等が考えられる。また、遠隔地に保管するに当たっては、実際にバックアップを用いた復旧に要する時間が、情報システム運用継続計画における復旧目標時間内に納まるよう、緊急時のバックアップデータの配送手段、配送時間等を考慮し、保管場所を決定する必要がある。

端末及びサーバ装置並びにそれらとネットワーク接続された共有フォルダ等の情報を破壊するランサムウェア等によって生ずる情報セキュリティインシデントを想定している。

情報システムや情報とバックアップが同時に破壊されることによる業務上の支障や、可能性等を考慮し、本基本対策事項を講ずるバックアップの対象を選定するとよい。

例えば、バックアップ取得元の情報システムと同じネットワーク内にバックアップを保管している場合は、情報システムや情報とバックアップが同時に破壊される可能性が高いことが考えられるため、基本対策事項を講ずるバックアップの対象とすべきである。

また、追記不能設定がなされた媒体にバックアップを保存する等、本基本対策事項に示すバックアップの保管場所以外による対策によって、バックアップが破壊される可能性が低いと考えられる場合は、当該バックアップを本基本対策事項の対象外としてもよい。

攻撃を受けた情報システムや情報が格納されている場所からバックアップ保管場所にアクセスができる場合、情報システムや情報と同時にバックアップも破壊されてしまう可能性があるため、情報システムや情報が格納されている場所から物理的又は論理的に隔離された場所にバックアップを保管することが重要である。

バックアップの保管場所によって、情報システムや情報とバックアップが同時に破壊されない可能性や、バックアップから復旧する際に要する時間等の違いが生じる。それらの違い等を踏まえた上で、バックアップの保管場所を選定するとよい。

なお、バックアップを取得する際はバックアップ取得元の情報システムとバックアップ保管媒体をネットワークで繋ぐ必要があるため、バックアップ取得中に情報セキュリティインシデントが発生した場合、情報システムや情報とバックアップが同時に破壊される可能性がある。そのため、バックアップ取得中はバックアップ取得元の情報システムの動作を停止又は制限する等により情報セキュリティインシデントが発生する可能性を下げるとよい。また、バックアップを取得する際に使用するバックアップ保管媒体は、過去に取得したバックアップが保管されていない媒体や、破壊が許容されるバックアップのみが保管された媒体を使用すること等によって、情報セキュリティインシデントが発生した場合の被害を低減させるとよい。

物理的な隔離とは、情報システムや情報が格納されている場所とバックアップ保管場所のネットワークが物理的に繋がっていないことを想定している。

例えば、バックアップ保管媒体をネットワークから完全に切り離して保管する場合は、物理的な隔離が行われていると考えられる。

バックアップ保管媒体をネットワークから完全に切り離して保管する場合、情報システムや情報とバックアップが同時に破壊される可能性は著しく低いことが考えられる。しかし、ネットワークから切り離す際は一般的に人手を介する必要がある。そのため、自然災害や感染症等の危機的事象発生時に、必要な人手が不足する可能性があることを踏まえた上で、本基本対策事項を検討するとよい。

論理的な隔離とは、情報システムや情報が格納されている場所とバックアップ保管場所の間の通信経路が論理的に分離されていることを想定している。

例えば、情報システムや情報が格納されている場所とバックアップ保管場所の間の通信経路が、アクセス制御による通信経路の分離を行っている場合は、論理的な隔離が行われていると考えられる。アクセス制御による通信経路の分離については、「(解説)基本対策事項6.4.1(1)-1 b)「セグメント間の通信を必要最小限とするアクセス制御を行う」について」を参照のこと。

なお、「(解説)基本対策事項3.1.1(8)-2 a)「物理的に隔離された保管場所」について」に記載のとおり、物理的に隔離された保管場所の場合、情報システムや情報とバックアップが同時に破壊される可能性は著しく低いことが考えられる。一方、論理的に隔離された保管場所を検討する際は、バックアップ保管場所で情報セキュリティインシデントが発生する可能性を考慮することが重要である。当該インシデントが発生するケースを以下に例示する。

3.2 情報を取り扱う区域の管理

3.2.1 情報を取り扱う区域の管理

目的・趣旨

サーバ装置、端末等が、不特定多数の者により物理的に接触できる設置環境にある場合においては、悪意ある者によるなりすまし、物理的な装置の破壊のほか、サーバ装置や端末の不正な持ち出しによる情報の漏えい等のおそれがある。その他、設置環境に関する脅威として、災害の発生による情報システムの損傷等もある。

したがって、執務室、会議室、サーバ室等の情報を取り扱う区域に対して、物理的な対策や入退管理の対策を講ずることで区域の安全性を確保し、当該区域で取り扱う情報や情報システムのセキュリティを確保する必要がある。

遵守事項

(1) 要管理対策区域における対策の基準の決定

(a) 統括情報セキュリティ責任者は、**要管理対策区域の範囲を定める**こと。

(b) 統括情報セキュリティ責任者は、要管理対策区域の特性に応じて、以下の観点を全て含む対策の基準を運用規程として定めること。

(ア) 許可されていない者が容易に立ち入ることができないようにするための、施錠可能な扉、間仕切り等の施設の整備、設備の設置等の物理的な対策。

(イ) 許可されていない者の立入りを制限するため及び立入りを許可された者による立入り時の不正な行為を防止するための**入退管理対策**。

【 基本対策事項 】

<3.2.1(1)(b)(ア)(イ)関連>

3.2.1(1)-1 統括情報セキュリティ責任者は、以下を例とする、要管理対策区域の安全性を確保するための段階的な対策の水準(以下「クラス」という。)を運用規程として定めること。

a) 下表のとおり、3段階のクラスを定める。

クラス説明
クラス3一部の限られた者以外の者の立入りを制限する必要があるなど、クラス2より強固な情報セキュリティを確保するための厳重な対策を実施する必要がある区域
クラス2職員等以外の者の立入りを制限する必要があるなど、情報セキュリティを確保するための対策を実施する必要がある区域
クラス1クラス3、クラス2以外の要管理対策区域

※便宜上、要管理対策区域外の区域はクラス0と呼び、クラス0<クラス1<クラス2<クラス3の順位を設ける。すなわち、クラス0が最も下位のクラス、クラス3が最も上位のクラスとなる。

3.2.1(1)-2 統括情報セキュリティ責任者は、クラス1の区域について、以下を全て含む施設の整備、設備の設置等の物理的な対策及び入退管理対策の基準を運用規程として定めること。

a) 不特定の者が容易に立ち入らないように、壁、施錠可能な扉、パーティション等で囲むことで、下位のクラスの区域と明確に区分すること。

b) 不特定の者が容易に立ち入らないように、**立ち入る者の身元、訪問目的等の確認を行うための措置**を講ずること。また、出入口が無人になるなどにより立入りの確認ができない時間帯がある場合には、確認ができない時間帯に施錠するための措置を講ずること。

c) 要管理対策区域に不正に立ち入った者を容易に判別することができるように、以下を全て含む措置を講ずること。

3.2.1(1)-3 統括情報セキュリティ責任者は、クラス2の区域について、以下を全て含む施設の整備、設備の設置等の物理的な対策及び入退管理対策の基準を運用規程として定めること。

a) クラス2の区域への立入りを許可されていない者が容易に立ち入らないように、壁、施錠可能な扉、パーティション等で囲むことで、下位のクラスの区域と明確に区分すること。ただし、窓口のある執務室等の明確に区分できない区域については、不特定の者が出入りできる時間帯は職員等が窓口を常に目視できるような措置を講ずること。

b) クラス2の区域への立入りを許可されていない者が容易に立ち入らないように、施錠可能な扉を設置し全員不在時に施錠すること。

c) **クラス2の区域へ許可されていない者が容易に立ち入らないように、立ち入る者が許可された者であることの確認を行うための措置**を講ずること。

3.2.1(1)-4 統括情報セキュリティ責任者は、クラス3の区域について、以下を全て含む施設の整備、設備の設置等の物理的な対策及び入退管理対策の基準を運用規程として定めること。

a) クラス3の区域への立入りを許可されていない者の立入り等を防止するために、壁、常時施錠された扉、固定式のパーティション等強固な境界で下位のクラスの区域と明確に区分すること。

b) **クラス3の区域へ許可されていない者が立ち入らないように、立ち入る者が許可された者であることの確認を行うための措置**を講ずること。

c) クラス3の区域への立入りを許可されていない者に、不必要に情報を与えないために、区域の外側から内部の重要な情報や情報システムが見えないようにすること。

d) 一時的に立ち入った者が不正な行為を行うことを防止するために、一時的に立ち入った者を放置しないなどの措置を講ずること。業者が作業を行う場合は立会いや監視カメラ等により監視するための措置を講ずること。

3.2.1(1)-5 統括情報セキュリティ責任者は、以下を例とする、区域への**クラスの割当ての基準**を運用規程として定めること。

a) クラスの割当ての基準を以下のように定める。

(解説)

執務室やサーバ室のほか、複数の機関等で共用する会議室や職員等が書面やモバイル端末等を運搬するときの安全性を高めるために、執務室間や会議室に接続されている廊下等も要管理対策区域に含めることを考慮してもよい。

なお、要管理対策区域外で業務を行う必要がある場合には、施設及び環境に係る対策が講じられないことから情報の漏えい等の可能性が高くなる。情報の漏えい等の可能性を低減するためには、要管理対策区域外でのモバイル端末の利用に関する遵守事項(遵守事項6.1.2(1)及び(2)、遵守事項6.1.3(1)~(4)等)を参照し、適切な対策を行う必要がある。

基本対策事項3.2.1(1)-2~4に示した対策の基準のほか、以下の対策を基準に含めてもよい。

クラス1の区域に「立ち入る者」について、継続的に立入りを許可された者のほか、一時的に立ち入る者(訪問者)がある。継続的に立入りを許可された者として、職員等や一定期間立入りを認められ、認められたことを示す許可証(入館カード等)が貸与されている業者等を想定している。また、一時的に立ち入る者として、不定期に訪れる来客や受渡業者等を想定している。

「身元、訪問目的等の確認を行うための措置」の具体的な対策として、以下が挙げられる。

具体的な対策として、以下が挙げられる。

クラス2の区域への立入り時の「許可された者であることの確認」について、クラス1の区域への立入り時に「身元、訪問目的等の確認」ではなく「許可された者であることの確認」を行っている場合においては、それをもって代替してもよい。

具体的な対策として、以下が挙げられる。

各区域へのクラスの割当ての基準の策定に当たっては【参考3.2.1-1】を参考にするとよい。本基本対策事項においては、例としてサーバ室や日常的に機密性が高い情報を取り扱う執務室にはクラス3、一般の執務室や執務室内の会議室にはクラス2を割り当てるという基準を示している。

統括情報セキュリティ責任者は、区域情報セキュリティ責任者に、管理する区域で取り扱う情報、設置される情報システムの特性から、外部からの侵入があった場合の被害の大きさを考慮してクラスを決定させる必要があることを踏まえ、本基本対策事項で示す基準を参考とし、クラスの割当ての基準を定める必要がある。

また、業務の単位でクラスの割当ての基準(例:○○、××に関係する業務を行う執務室はクラス3、これら以外の業務を行う執務室はクラス2)を定めておくことも考えられる。

【参考3.2.1-1】 要管理対策区域へのクラスの割当ての例

要管理対策区域へのクラスの割当ての例を図3.2.1-1~3に示す。

(複数の機関等で共用する施設)

遵守事項

(2) 区域ごとの対策の決定

(a) 情報セキュリティ責任者は、統括情報セキュリティ責任者が定めた対策の基準を踏まえ、**施設及び執務環境に係る対策を行う単位ごとの区域を定める**こと。

(a) 区域情報セキュリティ責任者は、管理する区域について、統括情報セキュリティ責任者が定めた対策の基準と、周辺環境や当該区域で行う業務の内容、取り扱う情報等を勘案し、当該区域において実施する対策を決定すること。

【 基本対策事項 】

<3.2.1(2)(b)関連>

3.2.1(2)-1 区域情報セキュリティ責任者は、管理する区域において、クラスの割当ての基準を参考にして当該区域に**割り当てるクラスを決定するとともに、決定したクラスに対して定められた対策の基準と、周辺環境や当該区域で行う業務の内容、取り扱う情報等を勘案し、当該区域において実施する対策を決定すること。この際、決定したクラスで求められる対策のみでは安全性が確保できない場合は、当該区域で実施する個別の対策**を含め決定すること。

(解説)

複数の部局で共用する廊下等については、施設管理の観点での各部門の管理範囲を確認した上で「施設及び執務環境に係る対策を行う単位ごとの区域」を定めるとよい。共用する施設の区域情報セキュリティ責任者の定め方については、「(解説)遵守事項2.1.1(4)(b)「区域情報セキュリティ責任者」について」を参照のこと。

クラス3、クラス2以外の要管理対策区域はクラス1となることにも留意して決定する必要がある。クラス1の区域は、不特定の者が容易に立ち入れない程度の安全性が確保された区域である。したがって、原則として、盗難や盗み見等への対策が講じられていない端末や書面が置かれる区域にクラス1を割り当ててはならない。やむをえずクラス1の区域に端末を置く必要がある場合(例:来訪者受付に職員等や来訪者の名簿を閲覧するための端末を置く場合)には、セキュリティワイヤ等で固定することや、常時目視により監視するなどの措置を講ずる必要がある。

周辺の区域のクラスや管理状況も確認して具体的な対策を決定するとよい。例えば、クラス3の区域がクラス0の区域と接続している場合は、クラス3の区域の扉の施錠管理をより厳重にすることが考えられる。また、民間事業者が管理するビルの部屋を借りて業務を行っているような場合は、当該ビルの共用部分等では十分な対策が講じられないことが想定される。そのような場合には、借用している部屋の入退管理の強化や共用施設での業務の禁止を徹底すること等により、安全性を高めることが重要である。

なお、必要な対策が施設管理等の別の仕組みにより実施されている場合については、その対策をもって代替しても構わない。

個別の対策については、「(解説)遵守事項3.2.1(1)(b)(イ)「入退管理対策」について」に示した例(対策の基準となっていない場合)のほか、以下に示す例を参考に決定するとよい。

機器の持込み、利用、持ち出しの制限について詳細を以下に示す。

遵守事項

(3) 要管理対策区域における対策の実施

(a) 区域情報セキュリティ責任者は、管理する区域に対して定めた対策を実施すること。職員等が実施すべき対策については、**職員等が認識できる措置を講ずる**こと。

(b) 区域情報セキュリティ責任者は、災害から要安定情報を取り扱う情報システムを保護するために**物理的な対策**を講ずること。

(c) 職員等は、**利用する区域について区域情報セキュリティ責任者が定めた対策に従って利用する**こと。また、職員等が機関等外の者を立ち入らせる際には、当該機関等外の者にも当該区域で定められた対策に従って利用させること。

【 基本対策事項 】

<3.2.1(3)(a)関連>

3.2.1(3)-1 区域情報セキュリティ責任者は、管理する区域について、以下を例とする利用手順等を整備し、当該区域を利用する職員等に周知すること。

a) 扉の施錠及び開閉に関する利用手順

b) 一時的に立ち入る者が許可された者であることを確認するための手順

c) 一時的に立ち入る者を監視するための手順

(解説)

当該区域のクラスや当該クラスにおいて職員等が実施すべき対策を周知することが考えられる。扉の施錠や一時的に立ち入る者が許可された者であることの確認等の職員等に実施させる事項については、利用手順を定めて周知するとよい。

なお、関係者限りで利用する区域については、関係者のみに周知することでも構わない。

地震、火災、停電等の災害から情報システムを保護するための対策を指す。

具体的な対策として、例えば、サーバラックの利用のほか、以下の設置が挙げられる。

これらの対策については、必ずしも区域情報セキュリティ責任者単独で実施できるものではないが、例えば、情報システムに関係する対策であれば情報システムセキュリティ責任者、施設管理に関係する対策であれば施設管理を行う部門の関係者と調整することが求められる。

また、情報システムへの対策として、作業する者が災害によりサーバ装置等に近づくことができない場合に、作業する者の安全性を確保した上で遠隔地からサーバ装置等の電源を遮断できるようにする機能を設けておくことも考えられる。

職員等は、自身が所属する機関等が管理する区域を利用する場合は、自機関等が定めた対策に従って利用することが求められる。一方、他の機関等が管理する区域を利用する場合には、他の機関等が定めた対策に従って利用する必要がある。